Tomo

60代男性 オーストラリア在住

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60代男性 オーストラリア在住

マガジン

  • 【連載小説】 ツインルーム

    大学院生の小田切誠司は初めての海外旅行に出かけ、ロンドンで同年代の早苗と名乗る女性と知り合う。 週一回の更新予定

  • 青空とユーカリの下で 〜シニアのオーストラリア移住〜

    定年退職後、妻の母国オーストラリアに移住。自分の視点からオーストラリア文化や移住生活を紹介。オーストラリアに移住を考えている人、またはすでに移住した人、外国文化に興味のある方に楽しく読んでもらえるエッセイ集を目指している。週に一度程度の頻度で更新。

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はじめての投稿 

自己紹介初めまして。Tomoと申します。60代男性です。全く飾り気のない投稿を読んでいただきありがとうございます。何か文章を書きたいと思いnoteにアカウントを作りました。これが初めての投稿です。 これから何をかくか?これからどんなことを発表するかまだ決めていません。一つの候補は、完全な素人ですが、SF小説に挑戦したいと思っています。子供の頃、SFが好きでした。小学校の図書室にあったSFの本を片っ端から読んで行った記憶があります。今では作家の名前など忘れてしまいましたが、ア

    • 【連載小説】 ツインルーム (5) ひとみ

      これまでのあらすじ  大学院生の小田切誠司は海外旅行先のロンドンで早苗と名乗る同年代の女性と知り合い、行動を共にする。しかし、早苗は突然リバプールで消えてしまう。誠司には離婚して別居している母がいるが、早苗がその母となんらかの関係あるのではないかと疑い始める。帰国後母と電話で話すことになり、その女性は「ひとみ」であると告げられる。 最初から読む人は下からどうぞ。 〜5〜 ひとみ 俺は会話を続けた。 「ひとみって名前なんだ」 「あの子のことはお父さんからどれぐらい聞いて

      • 理工学研究者として成功するために5つの大事なこと

         すでに引退したが、自分はシミュレーションなどの計算科学を専門とした研究者であった。世界的によく知られた学者ではなかったが、専門家コミュニティにおいてある程度レスペクトされていた。ちなみに、上の写真は英国オックスフォード大学だが、そこで2回講演したことがある。自分のキャリアは成功だったのかと聞かれれば、自己満足かもしれないがYESと答えるだろう。ただし、自分のキャリアは常に順風だったわけではなく、多くの試練があった。そんな失敗の経験をベースにして、研究者として成功するために重

        ¥200
        • 【連載小説】 ツインルーム (4) 母

          これまでのあらすじ  大学院生の小田切誠司は海外旅行先のロンドンで早苗と名乗る同年代の女性と知り合い行動を共にするが、早苗はリバプールで突然いなくなってしまう。その後誠司は、早苗が長年会っていない母親と関係があるのではないかという疑いを持ったまま、日本に帰国する。  最初から読む人は下からどうぞ。 〜4〜 母  日本に帰ってからは友達に会ってお土産を渡したり、大学院の課題をやるのに忙しかったが、母へのメールは忘れなかった。文面では特に早苗のことは書かずに観光で回った場

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        • 【連載小説】 ツインルーム (5) ひとみ

        • 理工学研究者として成功するために5つの大事なこと

          ¥200
        • 【連載小説】 ツインルーム (4) 母

        マガジン

        • 【連載小説】 ツインルーム
          5本
        • 青空とユーカリの下で 〜シニアのオーストラリア移住〜
          6本

        記事

          オーストラリアのシニアはとてもアクティブ 〜オージーたちの余暇

           自分が付き合っているオージーは自分と同年代でほとんどが還暦を超えている。シニア世代になってもパートタイムで働いている友人もいれば、完全に引退した人もいる。定年制を採用している職場は少なく、普通は働きたいだけ働ける。自分でもう十分と思った時に退職するようだ。もちろん再雇用でシニアを安く雇用する姑息な制度はない。子供にお金がかかる年齢は超えているので、彼らはお金を比較的自由に使える人たちである。日本人の余暇と比べてどうなのか、興味のある人は読んでいただきたい。 海外旅行は余暇

          オーストラリアのシニアはとてもアクティブ 〜オージーたちの余暇

          【連載小説】 ツインルーム (3) 帰国

          これまでのあらすじ  大学院生の小田切誠司は海外旅行中ロンドンで早苗という同年代の女性に話しかけられ、親しくなる。エジンバラで一度別れたが、リバプールで再開し、一緒にツインルームに泊まることになる。翌朝誠司が起きると、早苗は書き置きを残しすでに旅立っていた。その書き置きから、早苗が前から自分を知っていたのではないかという疑いをもち始める。   まだ、読んでいない方は以下のリンクからどうぞ。 ⒈ ロンドン ⒉ リバプール -3- 帰国  部屋に戻っても、早苗が自分のことを

          【連載小説】 ツインルーム (3) 帰国

          【エッセイ】 オーストラリアのゴミ収集事情 

           オーストラリアに住むメリットというと大袈裟だが、一つ良かったことはゴミを出すのが楽になったことである。今回は自分の日本での経験と、オーストラリアのごみ収集事情について書いてみた。  日本のごみ収集システムは自治体ごと少しずつ違うが、基本的には近所の人が集まって作る町内会(自治会)が設置したごみ収集所を市町村のゴミ収集車が回収していくシステムである。ゴミ収集は自治体の仕事なのに、その運営を町内会に押し付けている、といつも思っていた。そのため常にローカルルールが存在し収集日の

          【エッセイ】 オーストラリアのゴミ収集事情 

          【連載小説】 ツインルーム (2) リバプール

          これまでのあらすじ  大学院生の小田切誠司は人生初めての海外旅行に出かけ、ロンドンで早苗と名乗る同年代の女性から話しかけられる。2人は一緒にエジンバラまで行くが、そこから先は別行動を取ること。 2.リバプール  早苗と別れてから、エジンバラ、グラスコー、湖水地方と足早に回った。その間、駅やB&Bで日本人に会うと世間話程度はしたが、自分の一人旅に深く干渉してくる者はいなかった。そして4日後、電車でリバプールに着いた。  この時も宿の情報を得るため、駅近くのツーリストイン

          【連載小説】 ツインルーム (2) リバプール

          【連載小説】 ツインルーム (1) ロンドン

          あらすじ  大学院生の小田切誠司は人生初めての海外旅行に出かけ、ロンドンで早苗と名乗る同年代の女性と知り合う。その後、2人の間に起きたことは? I . ロンドン  昨夜チェックインの時、朝飯は7時から食べられるとフロントで聞いていた。海外で迎える初めての朝はもうすでに8時に近くになっていた。だるい体に抗いながら一階のホールに降りて行った。フロントに居たのは昨夜のインド系の若者ではなく、中年の白人女性になっていた。Breakfast? と聞くと、女性は廊下の奥を指差した。

          【連載小説】 ツインルーム (1) ロンドン

          【エッセイ】 オーストラリアにペットを連れて移住

           今回の記事では、日本からオーストラリアに移住した時、ペット(犬)を連れて行った経験をシェアしたいと思う。以下は、実際に同じことを考えている人とっておおまかなイメージが湧くように書いてあるが、細かい規則については日本の農林水産省や相手国の同様の組織から最新の情報を得て欲しい。  まず自分たちは、手続きが複雑なのと間違いを起こしたくないと言う理由から、代行業者を使った。代行業者を使わない人たちはどの程度の割合でいるかはわからないが、自分が想像するに非常に少ないのではないだろう

          【エッセイ】 オーストラリアにペットを連れて移住

          オーストラリアをエンジョイするためにお勧めしたいパークラン(Parkrun)

           先日、「オージーとの付き合い方」というエッセイを投稿した。  その中で、オージーの知り合いを作るにはボランティア活動やスポーツまたは文化クラブに入るのがいい、と書いた。その中でも自分が特におすすめするのが表題にあるパークラン(Parkrun)である。  これは公園やハイキングトラックで土曜の朝8時から5キロメートル走るイベントである。世界中で開催されており、子供、大人さらに犬までも参加できる。オーストラリア国内に多くの会場があり、よほど田舎でなければきっと近くに会場があ

          オーストラリアをエンジョイするためにお勧めしたいパークラン(Parkrun)

          【エッセイ】オージーとの付き合い方

           少し前に「オーストラリア移住のメリット・デメリットは?」と言う記事を投稿した。  その中で「孤独とかホームシックとかが最も心配すべき問題である」と書いた。それと少し関係あるのだが、今回の表題にあるように「オーストラリア人は外の人間に冷たい」「日本人などの外国人の友達しかできない」という噂をたまに聞くことがある。特に自分がいるような地方都市は交友関係が固定化されその傾向が強いらしい。  移住前、自分がオーストラリアに引っ越したらそういった洗礼を受けるのだろうかと少し恐れて

          【エッセイ】オージーとの付き合い方

          【記録】逆流性食道炎の発症から回復まで

           今回の話は約20年前のことである。駅から自宅まで歩いているとなんとなくお腹がちくちく痛むのに気がついた。下痢かなと思ったが、家についてもその症状は出ない。ただ、胃腸が痛むだけ。当時、色々と忙しかったので、医者にも行かず、どうせ治るだろうとタカを括っていたが、この症状は1ヶ月経っても治らなかった。  やがてキューという胃の痛みが続くようになった。黒澤明の映画「生きる」のことを思い出して、もしや胃がんではないかとだんだん心配になってきた。  ついに我慢できなくなり近くの胃腸

          【記録】逆流性食道炎の発症から回復まで

          【ファンタジー小説】 海の魔物 〜ソニア島の内部対立

           ミーブは村の広場で彼を取り囲む群衆に叫んだ。  「なぜ俺たちは豊かになってはいけないんだ。俺たちもナチカ族のように船を操り漁をすべきた。ナチカたちは魚を売って外の人間から俺たちが持っていない優れたものを買っている。彼らの貯蔵庫は食料を長持ちさせ俺たちみたいに冬飢えることはない。彼らの電気を使った蝋燭は俺たちのよりもずっと明るく夜も昼のように過ごすことができる。彼らは暖房のおかげで部屋の中で凍えることがない。俺たちも便利な生活をしたいと思わないか」 「そうだ。そうだ。」  群

          【ファンタジー小説】 海の魔物 〜ソニア島の内部対立

          【エッセイ】 オーストラリア移住のメリット・デメリットは?

          こんにちは。Tomoです。  先週はSF小説「砂浜での夢」を投稿しましたが、いかがだったでしょうか? https://note.com/ricefield5006/n/nc9053fce8454  何人かに読んでいただき、スキも少しいただいたようでありがたいです。書く習慣を保つために週に1回程度投稿すること目指そうと思いますが、小説を週1回というのはちょっと無理なので、今回のようなエッセイで繋いでいこうと思います。  さて、タイトルにありますように私は現在オーストラリアに

          【エッセイ】 オーストラリア移住のメリット・デメリットは?

          SF小説 「砂浜での夢」

           実家に帰って親に謝りビル経営を継ごう。約1ヶ月前、眠れぬ夜を過ごしていた俺はそういう結論に達した。その後、不用品を友達や業者に引き取ってもらって、身軽になった。帰省の日、アパートの掃除や大家への引き渡しに手間取り、スズキのポンコツ軽自動車に荷物を詰め込み終わった時には初春の空はもう薄暗くなっていた。夕日を眺めて、東京(といっても正確には千葉県だが)には当分戻らないかな、と独りごちた。  クシュン、花粉症のくしゃみが出た。俺はいろんなゴミが散乱している運転席をさっと片付け、そ

          SF小説 「砂浜での夢」