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アラフォー徒然草:花門という居酒屋の店主のかっこよさに心打たれた話

仕事って難しいですよね。お金を儲けるって要素も入ってくるから。純粋に何がしたいのというだけじゃなかったりして。「好きな事したいんです」って言ってる中に、「それであわよくば、いっぱいお金ももらえたらいいなって思います」が隠れてたりします。

そこから一歩抜け出して、長い人生やっぱり自分のモチベーションが湧く事を仕事にしたいんですと考えたとしても、具体性持てない頃は、手段の方になっちゃったりして。

例えば、「アイディア考えるのが好きなので企画をやりたいんです!」と思う。でも企画がやりたいって、手段じゃない?企画した結果何がしたいんでしょう。「いや、企画して新しいサービスを作りたいんです。」それも手段じゃない?新しいサービスで具体的にどういうことをして、どんな人をどう喜ばせたいの?と、その中身こそがやりたいことじゃないの?までくると、うーんって立ち止まっちゃったりして。

長い前置きになりました。何でこんなことを書いているかというと、ネットで以下の記事をみつけたんです。デカ盛メニューを400円で提供するお店。

店主のマンスールさんはお客さんに喜んでもらうのが好き。デカ盛メニューは赤字なのに続けます。(ちゃんとドリンクは黒字で居酒屋なので飲んでもらってトータルで利益を出す考えみたいです)

自分の実現できる範囲で、自分のやりたい事をやって、人に喜んでもらうというのがもうすでに、いっぱしのサラリーマンからするとかっこいいなと思ってしまうんです。さらにデカ盛りメニューが始まったエピソードが好きで。

それは23年ほど前まで遡ります。ある日、お店に若い夫婦がやってきました。女性は妊婦。メニューの中にある「サイコロステーキ」を食べたいと言った奥さんに対して、旦那さんは「800円・・・高いよ」と別のメニューにするよう促したのを、マンスさんは聞き逃しませんでした。
結局夫婦は380円の焼きそばを頼みましたが、マンスさんはその日の夜、胸が痛みました。
「サイコロステーキがもっと安ければ、妊婦さんは食べられたのに。お腹の中の赤ちゃんのために栄養をつけられたのに」。
そして決心しました。
「じゃあ全部380円にしよう。そうすれば好きなものを食べてもらえる」。
早速メニューを全部380円に赤字で書き換えたマンスさん。その理由を聞かされていなかった妻のきよみさんは唖然とするものの、特に反対はしなかったそうです。
それからしばらくして、くだんの夫婦がやってきました。「あれ?全部380円になってる」と驚く2人。旦那さんの「好きなもの食べていいよ」という言葉に、奥さんはあの日食べられなかったサイコロステーキを注文。マンスさんはつい嬉しくなってしまい、量を2倍にして出してしまったそうです。なぜ半額なのに量は2倍になってしまったのか、という質問に、マンスさんはこう答えたと言います。
「うちは儲かってるからね、値段を安くして量を増やすことにしたんだ」

もうかっこいい以外の何物でもないんですよね。喜んでほしい人がいて、自分のできることをして、実際喜んでもらえて、その赤字になるっていう意味でも責任をとっている。材料の仕入れとかも特売のをいろんなスーパーにいって買いそろえるんだそうです。

自分は損して、ほかの人に喜んでもらうのが美しいとか言っているんじゃないんです。なんと具体的で、実行可能で、責任をもって、実際実行されていて、いろんな人に喜んでもらっている仕事なんだろうかと。

アラフォーになっても惑っていますが、いつか、自分もこんな風になりたい。


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