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エクアドルで一番好きだった料理

食用バナナ(プラタノ)の料理が多いエクアドル

エクアドルは食用バナナベース
(プラタノ)の料理が多かった。

食用バナナの皮は厚く、剥くとずっしり感のある中身が現れる。

食用バナナを豚肉やチーズと混ぜてボール状のコロッケにしたボロンとか。

オシャレカフェだと、ボロンに
チーズソースなどのトッピングがあったりする。

食用バナナとツナやエビなどの海産物、ピーナッツなどを煮たコッテリとしたスープ「カスエラ」とか。

ボリュームたっぷりのカスエラ。味はコッテリで魚介類がてんこ盛り。

蒸した食用バナナを潰して上げた
「パタコン」とか
スライスしてチップス状にした
「チフレ」とか

チフレ。レストランでスープやセビチェのつけ合わせで出ることもある。

果物のバナナと違って、皮が厚く、
剥くのも一苦労だし
レシピによっては食用バナナを蒸して
潰すという工程が
あるので買った方が圧倒的にコ
スパがいい。

チフレはポテトチップスがわりに
よく食べていたけれど
その他の食用バナナ料理は
私にはこってりしすぎて、
胃にずっしりくるので、
2ヶ月に1回くらいでいい感じ。

カスエラは日本人好みの味で思わず
ご飯が欲しくなるけど、
重すぎて3年間のうち2回しか
食べなかった。

と、散々長々と食用バナナ料理の話を
しておきながら、本題の私の一番好きだった料理を紹介したい。

本気で恋しいエンセボジャード

私のイチオシは
エンセボジャードというスープだ。
魚とキャッサバ、玉ねぎ、シアントロ、チリやクミンなどを
鍋で煮て作るスープ。
エクアドルでは遅めの朝食に
食べることが多い。

エクアドルにいた頃、
朝の8時から始まる
近所のZUMBAレッスンに通っていた。
私のレッスンが終わる9時ごろには、
その教室の近くのエンセボジャード店が開くので、たまに帰りにテイクアウトしていた。
エクアドル人は朝食べるが、
私は昼ごはんに後から温めて
食べる用に買っていた。

しょっちゅう通っていたので、
カウンターのやる気なさげの
店員は私の顔を見るなり
「エンセボジャード、
チフレなしの持ち帰りなっ」と
勝手に準備を始めるくらいだった。

程よい酸味のある出汁と柔らかくなったキャッサバがたまらん

見出しの通りだけれど、 
本当に美味しい。
魚の出汁の聞いた味噌汁は
日本でも美味しいけれど
味噌がなくても、
特別な調味料がなくても、
こんなに旨味のあるスープって
できるのだ。

調味料は塩、チリパウダー、クミン、
酸味つけのライム。
たまに柔らかくホロホロに似た
キャッサバをスープと口にすると
幸せな気持ちになるんよ・・・。

見た目よろしくないが、魚とキャッサバシアントロがたっぷり。
クルトンがわりにポップコーンやチフレを入れることも。

あっという間にエンセボロス

アメリカに来てから、
あっという間に
エンセボジャードロスになった。
Google Mapで Encebollado near meで検索したら、何百キロも離れたニューヨークにあるようだった。

エクアドルにいた頃は、徒歩5分だったのに・・。

夫にはNYまで行かず、自分で作りなさいと言われた。

幸い食材ならアメリカでほとんど何でも揃うので、自分で作ることにした。

硬いキャッサバに心を折られる

「玉ねぎをスパイスでしっかり炒めて
魚とキャッサバとじっくりと 煮込めばいいんでしょう〜」
くらいに思っていたけれど。

キャッサバが硬い。

皮も分厚く、硬くて包丁で切るのも
大変な労力。
切ったあとにはアク抜きも
しなければならない。

「そういえば、エクアドルのスーパーにはすでに切られ、アク抜き処理までされたキャッサバが普通に売られていたな」
と思い出す。

アメリカにもないものが
エクアドルにはあった。

出来上がりのお味はというと・・。

やっぱりエクアドルの
エンセボジャードには敵わない。
一番の違いはキャッサバ。
全然トロトロじゃない。

やっぱりあの味は私には出せない。
エクアドルのあの店の
エンセボジャードで
なければならないのかも。

美味しいエクアドル料理を作るには
手間がかかる。
食用バナナ料理と同様、
あのエンセボジャードも手間と
時間がかかっているに違いない。

死ぬ前にもう一度食べたい

いつかエクアドルに戻る日が
来るのかわからないけれど
戻ったら絶対、
エンセボジャードは食べたい。

あのスープをもう二度と味わえないのかと思うと余計に食べたくなってしまう。

エンセボジャードは私のなかの
「死ぬ前に食べたいもの」リスト入りしたかもしれない。

ちなみにYou Tubeで見たのだけれど、
メキシコでエンセボジャードを頼むと
チキン料理が出てくるらしい。

やっぱりエクアドルに
戻らなきゃダメかも。




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