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靴作りに使えそうな3Dソフト紹介

靴木型のモデリングに使用できそうなソフトを紹介します。
靴の木型製作には3Dモデリングが良いのではないか、と個人的には感じています。
この辺りは以前のnoteにまとめました。



■ Zbrushcoreがお手頃価格で使いやすい

色々な3Dソフトがありますが、フィギュアのモデリングでよく使われているZbrushcoreが木型製作には向いてそうです。
Fusion360や他の3Dソフトも触ってみたのですが、曲線を触っていくには難しい雰囲気でした。
その点、Zbrushcoreは粘土をこねたり削ったりするように画面上でモデリングできます。

https://pixologic.jp/zbrushcore/

直感的で使いやすいです。
木型を触るイメージとしてはこんな感じ。

価格も¥21,000(2020年4月現在)でペンタブを購入しても3万前後で揃えることができます。

Zbrushcoreの勉強には福井信明さんの書籍がわかりやすかったです。
入門動画も公開されていらっしゃるので、興味ある方はぜひ。

https://zbrushcore.club/



■ サイズ調整にはMeshmixer

Zbrushcoreの欠点としてはサイズが調整ができないので、この辺りはAutodesk社が無償提供してくれているMeshmixerでサイズ調整をしていきます。

スクリーンショット 2020-04-12 21.13.54

ZbrushcoreでモデリングしたstlデータをMeshmixerで読み込みます。

トランスフォームでX軸・Y軸・Z軸を設定することができるので、サイズ展開や幅バリエーションも作ることができます。
またミラー機能で反対の足も簡単に作成できます。



■ プリント木型は生産用には向かない

3Dプリンターで靴木型議論で必ず出てくる「生産には強度がたりない」問題。
確かに生産用には3Dプリントした木型は向いていないです
その場合はプリントした木型を木型屋さんに持ち込むか、データで木型を削ってくれるメーカーにあたって下さい。

反面、試作に3Dプリンターやモデリングは向いていると思います。
プリンター出力ラストは機械釣りでは割れてしまうので、手釣りで作るなどの配慮は必要になります。
しかし、何度も試作を繰り返すことのできるモデリングとアナログで木型を削り木型屋に依頼することを比べると、お金的にも時間的にも試行錯誤の回数が全く違ってきます。

ゼロから木型をモデリングすることは難易度が高いので、まずは木型を3Dスキャンして、それをアレンジしていく方法がいいのではないでしょうか?


● 3Dスキャンサービス

● 3Dアプリ


家にある木型をQloneアプリでスキャンしてみました。

荒削りですが、とりあえず触ってみるのには良さそうです。
データで出力するのは課金(¥3800くらい?)になります。

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■ 木型以外の靴用品もモデリング


● インソール

私のインソールは上記の方法でZbrushcore+Meshmixerでモデリング、3Dプリンターで試作し、企画しました。
こちらの方は長くなるので別noteにまとめる予定です。

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● 靴

木型がモデリングできれば、ある形状から木型データを抜いて靴を作ることもできるので、色々な形状の靴も企画できそうです。

UNITED NUDEみたいな靴も作れるかも?



● 底材

また底材をモデリングして、スニーカーの履き心地の靴を企画することも良さそうです。
革靴はどんどん厳しくなると予想される今後、スニーカーの軽い履き心地を備えたビジネスシューズはまだまだ未開拓な気がします。
この分野の「おじさん系」は飽和していますが、コールハーンのゼログラウンドシリーズのようなスニーカーの様な履き心地のきれいめな靴はまだまだ余地がありそうです。

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↑ 私物のコールハーン、ゼログラウンド
見た目は革靴トラッドだけど、履き心地はスニーカー。



■ アナログとデジタル混ぜれば良くない?

個人的な感想になりますが。
手製にこだわる人は全て手製で、デジタルにこだわる人は全てデジタルでカバーしようとする傾向にあると感じています。

これだけ便利なサービスが出てきているので、アナログもデジタルも融合して新しいものができていけば良いですね!



ーーーーーーーーーーーここからは追記ですーーーーーーーーーーー

■ 木型をFusion360でモデリング


靴木型をFusion360でモデリングされています。


■ 木型依頼をstlデータで


木型依頼をstlデータで納品可能なメーカーさんもあるみたいですよ。


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