曖昧
暮れた後の砂浜を一人歩く
このまま闇が訪れるのが
ふと怖くなる
こんなにも好きで
時間を見つけては会いに来るこの海も
太陽がいなくなったその後には
別の顔と空気になる
振り返ると釣りをしていた人の姿もなく
薄暗い空気の中に私が1人
早く戻れ
背中を押される
何となく分かってはいても
はっきりとさせない方が良いことが
世の中にはたくさんあって
曖昧
を選択をすることも少なくない
気づいているけど気づかないふり
分かっているけど分からないふり
白々しいと思いながらも
騙されているふり
見えているものが全てだと
何も変わらないのだと
敢えてそんな風に過ごす
黒くなる海の
いつもとは違う表情に
上手に気づかないふりをしたら
またね
とさよならをする
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