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澁澤りべか
2021年2月20日 19:11
⑤ママニャン・リターンズ念のため言っておくと、私も一応働いているので、ずっと家で野良ネコの世話をしているわけではない。留守中や私が見ていないときに、ウリがどんな男の子とどれだけ交尾したかなど知る由もない。しかし決定的な場面を目撃してしまった以上、増えることは避けられまい…。ネコは2か月くらいで出産するらしい。ううむ、どうしよう。ご飯をあげているのに(たまにだけど)手術をしていない(だ
2021年2月19日 18:00
④万事休す数匹の男の子に付きまとわれるウリ。マドンナ・ウリちゃんをめぐるオス同士のいさかいも頻発。それをやめさせようと割って入る私。もちろんカップル成立も全力で阻止。しかし男の子たちのアタックがやむことはない。ウリが発情している以上、恋人候補がやってくることは避けられない。ならせめて…。こらこらこらー!お前は絶対ダメー!尾っぽが割れた爺さんに、うちの大事な娘は渡さーん! さすがボス
2021年2月18日 18:06
③モテ期少し先の話になるが、ラファは手術から半年ほどたって誰かに飼われたようだ。徐々にうちに顔を見せる頻度が減っていき、ある時首輪をして現れた。ミケに続き、ラファもおうちが見つかったんだね、よかったよかった。知っている野良ネコを見かけなくなると、何かあったのではと心配になるが、案外飼い猫になって完全室内飼いされていることもあるわけだ。そう思っている方が救いになる。最後に見かけたとき
2021年2月17日 22:53
②ラファエルの耳ある朝、3階の小窓から縁側を見下ろしていて気がついた。こちらを見上げるラファの耳が、片方の耳の先が、欠けているのだ。急いで外に出てラファのそばにいく。これは…いわゆる「さくらネコ」?説明しよう!「さくらネコ」とは?地域ネコ活動を推進している団体などが野良ネコを捕獲し、避妊去勢手術を施して元の場所へ戻すさいに、手術済みであることの目印としてオス猫なら右耳を、メス猫なら左耳
2021年2月16日 23:10
①20円ハゲ猫は怖い思いをすると、その辺りには近寄らなくなるという。ガブはやはり翌日から来なかった。もう二度と来ないかも。後悔と反省で気が滅入る。ところが数日たった夕方、以前のようににガブが玄関前に座っていた!ガブちゃーん、良かった!猫さらいに連れて行かれたわけではなかったんだね!よく考えれば、猫さらいがわざわざインターフォンを鳴らしてお宅の飼い猫ですか、なんて尋ねるわけがない。あま
2021年2月15日 21:38
⑫ガブの受難年も押し詰まったある夕方、玄関のチャイムを鳴らしたのは初老の女性だった。「玄関にいるネコは、お宅のネコですか?」インターフォン越しに彼女が尋ねる。私はとっさに返すことができなかった。玄関のネコとはガブのことだろう。そういえば、今日は旅行の荷ほどきやらなんやらで、ガブにまだご飯をあげていなかった。はて、どう返答すべきか。この人がネコが好きか嫌いか、またその問いの目的によって
2021年2月14日 23:37
⑪12月のガブリエルペット用のキャリーバッグなどない中、ウリを段ボールに詰めて、雨に打たれながら隣町の小さな動物病院へ向かった。私にとってもウリにとっても初めての動物病院。狭い待合室では犬が吠えている。そうか、猫以外の動物も来るんだよね。当たり前だ。ウリ、ごめんね、ワンコ怖いね。心の中でつぶやく。やっと順番が来て緊張しつつ診察室へ。しかし診てはもらえなかった。――この中に直接入ってる
2021年2月13日 21:58
⑩箱入り娘ウリはラファ(白が多めの三毛)と仲が良い。うちの西側にある古いお宅には、こちら側に縁側があるのだが、縁側のある掃き出し窓は年中雨戸を締め切っているため、ウリとラファはその縁側でよく一緒に丸くなって昼寝をしている。アンモニャイト(笑)が二つ並んでいるのが、すんごくかわいい。そこはうちの3階の小窓のほぼ真下。朝起きてまず、その窓から縁側に誰かいないか確認するのが日課になりつつあっ
2021年2月12日 19:04
⑨ウリの真実ある朝、玄関前に何かが落ちていた。近づいてよく見るとネズミの死骸だった。おお!これが世にいうネコのお土産!?スマホゲーム「ねこあつめ」でもおなじみの宝物!ネコが捕ったに違いない。誰が捕ったかはわからないが、もしかしたらわんぱく坊主のウリかな。初めてのお土産に感動して、写真まで撮ってしまった。ありがとー!うれしー!でもいらなーい!と独りごちて移植ゴテでネズミをすくい、庭の片
2021年2月11日 15:44
⑧流血事件うちの周りは野良ネコが多い。当然、ときにネコ同士のケンカも起きる。野良ネコのケンカは本気の勝負。命がけ。大けがを負い、それが原因で死んでしまうことすらある。だからママニャン一家と出会ってからは、猫のケンカの声が聞こえてくるとできる限り仲裁に行く。知っている子が巻き込まれているかもしれないと思うと心配でたまらない。夜中でもベッドから起き出て、声の聞こえる方へ急ぐ。運よく当事者
2021年2月10日 23:01
⑦人差し指から始めようミケと入れ替わるように、頻繁に遊びに来るようになったのはサバシロのウリだった。私が3階からちくわのかけらをいくつか落としてやると、ウリが顔をあげた。ウリー、ここだよー、まだ食べるー?にゃあ、もっとよこせにゃー。この方法も人目につかなくていいなあ、と次のかけらをちぎろうとしたとき、ウリがガッと壁にはり付いた。そこはちょうど家の角。90度になっている壁を左右からは
2021年2月9日 16:46
⑥主役交代うっかり家に入れたばっかりに、ミケが下駄箱の下にある妙な隙間に立てこもってしまった。出かける時間が近づいている。どうしよう。とりあえずエサでつるか。猫が食べられるもの、何かないかな。冷蔵庫をあさるとちくわがあった。ほら、ミケ、ちくわ食べない?ほーら、ちくわだよ~。ミケから見えるよう、横穴の入口辺りでちくわを揺らしてみるが、コソリとも動かない。もう家を出ないと用事に間に
2021年2月8日 09:47
⑤たてこもり事件コニャたちは徐々に行動範囲が広くなり、ママとくっついている時間も減ってきた。きっと、ママニャンからご飯の見つけ方を学び、車に気を付けることを覚え、きょうだい同士でケンカの仕方も体得したのだろう。独り立ちの時期が来ていた。私が特に時間も決めずたまにしかご飯をあげなかったのも、徐々にその回数を減らしていったのも、いずれはこの子たちが一人で生きていかねばならないから。自分でご
2021年2月7日 11:12
④リアルねこあつめママニャン親子を人目につかないところでこっそり支援したい。うちの家屋の西側には、隣家のフェンスとの間に幅50センチほどの隙間がある。そこは毎年暖かくなるとドクダミが茂り、その年ももうすぐ白い花が咲きそうだった。そうだ、あのドクダミをぜ~んぶ引っこ抜こう。そうすれば猫たちが通れる!しかも日陰で涼しい。加えて他のお宅からは見えないが、うちの窓からは見える。ナイスアイディア!