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帰国編3

~コバンザメのシチリア滞在記~

空港には早く着いたのでチェックインも早め。ちゃんと前の人と1m以上開けて並ぶ。
ところがカウンターでトラブル発生。あのころ毎日のように変わっていたイタリアの法令。移動の際は、その移動がどうしても必要かどうかを宣誓する用紙を書かなければチェックインできないとのこと。我々は外国人で帰国だから大丈夫と思っていたが、イタリア人外国人関係なく書かなければならなかったのだ。用紙は空港にあったので2部記入。1部は控え、1部はセキュリティーチェックエリア前に陣取ったポリツィア(警察)に提出。余裕をもって空港に行ったのに、空港内を行ったり来たりで出発ロビーに入れたのはボーディング30分前だった。
出発ロビーは中のお店がすべて閉まっていて、あんなに静かな空間は初めてだった。カターニアはシチリアでもっとも発着数の多い空港だったのにこの日は1日2便のみ。いかに緊急事態かひしひしと伝わってきた。

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定刻出発で無事にローマへ到着。こちらの空港もほとんどの店舗は閉鎖で(一部バールやキオスク的なものは開いていたが)とても暗い印象だった。トランジットの行き方がよくわからなくてここでも右往左往(あちこちまちがった方向を指示された。今思い返すと空港職員以外の警察スタッフとかが業務にあたっていた様子)。さらにカターニアと書式の違う同じような宣誓用紙もまた書かされる。今度は1部。ただし出国手続きのときスマホで写真を撮って控えにしろと言われる。時代だなあと妙に感動した。

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日本便は帰国ラッシュで、駐在員家族と思しき人もゲート付近にたくさん集まっていた。私たちが予約したときはとてもすいていたので、あえて前後の通路側に席を予約し横になって寝て行こうと思ったのに、ほとんど満席で全然横になれなかったのは少々残念な笑い話。
離陸した後、この便のあとしばらくイタリアに飛ぶ飛行機はないのだと想像すると、まさにぎりぎりだったなあと背筋が寒くなった。
機内食は、帰国後レンタカーを借りなければならないのでワインは断念。斜め前の男の子が赤と白と両方飲んでいるのが羨ましかった。シチリアにいる間、安いけれどもすごく美味しいシチリアワインをたくさん飲んだなあ。しかたないのでかわりにブラッドオレンジのジュースをオーダー。メルカートで買った完熟ブラッドオレンジを搾って何度もジュースを作ったことを思い出しながらイタリアに別れを告げた。(4へ)

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