~コバンザメのシチリア滞在記~ 順調なフライトで予定通り成田に到着。飛行機が止まったとたん上の荷物を降ろそうと何人もが立ちあがったのだが、機内アナウンスで、検疫のための書類を書くまで待機するようにとの指示。全員座らされて待たされるその光景が、まさに非常時。といっても検疫検査の了承のサインだったのでまあまあ理解できた。座席番号を記入させられたのは追跡調査のためなのだろう。 書類を記入して降機。しかし当然すんなり入国できるはずもなく…。特定の国からの帰国者には全員PCR検査が義
~コバンザメのシチリア滞在記~ 空港には早く着いたのでチェックインも早め。ちゃんと前の人と1m以上開けて並ぶ。 ところがカウンターでトラブル発生。あのころ毎日のように変わっていたイタリアの法令。移動の際は、その移動がどうしても必要かどうかを宣誓する用紙を書かなければチェックインできないとのこと。我々は外国人で帰国だから大丈夫と思っていたが、イタリア人外国人関係なく書かなければならなかったのだ。用紙は空港にあったので2部記入。1部は控え、1部はセキュリティーチェックエリア前に
~コバンザメのシチリア滞在記~ 帰国を決めた3月の4週目。29日のアリタリアのローマ~羽田便を予約。しかしキャンセルされそうだとの在伊日本大使館からの情報を得て27日の成田便に変更。後日案の定キャンセルされた(しかも10月現在まだ日本便は再開していない)ので、このときは全身冷や汗が出るくらいほっとしたのを覚えている。 航空券は確保、しかし2日ほどで部屋を空にしなければならず、後ろ髪をひかれながらモノを捨てる作業に没頭した。 外出制限下で部屋に“籠城”するつもりだったためスト
~コバンザメのシチリア滞在記~ 3月28日にイタリアから緊急帰国し、半年経った。暑い夏が過ぎ以前と同じ日本での日常生活。シチリアでの7か月は今思い出すと夢の中の一コマのようだ。そしてあんなにも鮮烈だと感じた体験の数々だったのに記憶が薄れてきていると感じることがある。個人的にとても貴重な体験だったシチリア滞在7か月。記憶の糸をたどりつつ、やはり記録しておこうと思う。 武漢での新型コロナウィルスによる惨状が伝えられ始めた頃、シチリアからは東アジアは遠い極東の地のイメージがあり
~コバンザメのシチリア滞在記~ @教会前のメルカート広場 オープンマーケット(メルカート)は閉鎖されているのは、人と人との距離を1m確保することができないからだろうか。毎日平日午前中は大きな売り子の声でにぎわっていたメルカートの広場が、音もなくひっそりしているのは本当に寂しい。所在無さげに教会の前に座っている人や、閉まっている店の前で携帯をいじっている人もぽつぽつ。 毎日警察車両が来ているけれど、こんな非常事態でのトラブルに備えてだろうか。 治安が悪くなるのは怖いので
~コバンザメのシチリア滞在記~ @首相声明直後のスーパーマーケットの様子 北部の街が封鎖されたころ、街の境界でのものものしい様子とともにスーパーマーケットでの買い占めの話題が何度もテレビで報道されていた。まだその頃はこのあたりではあまり緊張感もなく、普通の日常生活だった。 しかし同時に、少し前からの日本でのマスクやトイレットペーパー類の買い占め・品薄のニュースもネットで目にし、日本の友人たちとのSNSで切実な声も聞いていたので、生鮮品以外は地道に少しずつストックするように
~コバンザメのシチリア滞在記~ noteに記録を書こうと思い立った2019年秋、まさかこのイタリアが、年を開けてこんな状況になるなんて思いもよらなかった。 新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため北部のいくつかの街が封鎖されたときですら、シチリアは同じ国とは思えないくらいのんびりしており、どこか遠い国のニュースのようにも感じていた。 しかし3月9日に全土に国土封鎖声明、そして12日から食料品店、薬局、ドラッグストアなどの生活必需品を売る店以外の商業店舗がほぼ全面的に閉められ
~コバンザメのシチリア滞在記~ ☆“ぼったくり屋”を探す☆ 飲食店を探すのに、日本では口コミサイトを大いに利用していた。それを全面的に信じるわけではないが、口コミを参考にすることは多い。飲食店が星の数ほどあるこの地でもGoogle Mapsのレストラン情報をよく参考にしている。 Google Mapsで行きたいエリアの地図を表す。ナイフとフォークのレストランマークやカクテルグラスのバー(バール)マークが出てくるので分かりやすい。 家や駅、バス停などから近いかどうか、周り
~コバンザメのシチリア滞在記~ 「ちょっと聞いてくださいよ」 子どものころからよく知っている大学生からLINE電話が来た。 今は本当に世界がぐっと近くなった。LINEにSKYPE、twitterにfacebook。昔は国際電話に高額の支払いをしてね、というと煙たがられるので言わないが、携帯電話すらなかった当時を思い出すと恐ろしく便利な時代になったものだ。日本とシチリア、時間さえ注意すれば快適にビデオ通信ができる。 それはさておき、 かの大学生は、大学生活の締めくくりに
~コバンザメのシチリア滞在記~ 1月後半。 日本ではこれからが一年でもっとも寒い季節だが、カターニアのメルカートは明るい。 年末年始からぽつぽつと出始めたオレンジの屋台、ここにきていろいろな種類が一気にお目見えし、あたりが鮮やかなオレンジ色に彩られて気持ちまでうきうきしてくる。 ふと気がつくと、街路樹にもオレンジの実がたくさんついている。 樹木に疎いのでこの木にオレンジがなるとは全く思わなかった。じゅうぶん食べごろに見えるが、誰も気にもとめないところがこの地らしい。
~コバンザメのシチリア滞在記~ 水の備蓄。 <飲み水編> イタリアでは水道水はカルシウムやマグネシウムを多く含む硬水らしい。 実際キッチンの水回りに石灰の影響らしい跡がついたり、シャワーヘッドに鍾乳洞のようなプチっとした乳白色の塊ができたりすることもある。 軟水に慣れた日本人はそのまま飲むとおなかを壊すらしいということは旅行ガイドによく書かれている。 そこで飲み水を購入することになる。 飲み水の購入はスーパーで、出かけるたびに1本~2本買ってくることにしている。車のな
~コバンザメのシチリア滞在記~ クリスマスの料理といえば、日本ではなぜかローストチキン。某業界の戦略を感じないでもないが、それはそれでその日は夕飯のメニューを考えなくて良いし、行き過ぎない程度に緩く受け入れたいと思っている。 大きいホールチキンを焼けば形になるので、自分でも20年ほどこの時期はチキンを焼いてきた。 ところが、シチリアではクリスマスイブに肉を食べないらしい。イブは魚料理と決まっていると友人に言われて驚いた。 干したタラがクリスマス食材としては一般的らしいの
~コバンザメのシチリア滞在記~ カトリックの国なのでシチリアのクリスマスはさぞかし華やかだろうと思っていた。確かに12月に入るとスーパーマーケットでパネットーネやワイン、チーズの盛り合わせが売られたり、食材はクリスマスを感じるものがとても多くなっていたが、街のイルミネーションは日本の繁華街などと比べるとそれほどでもない。 とはいえ街の中心部、大学広場あたりはクリスマスマーケットのテントが並び、周囲の歴史的建造物にマーケットの明かりが当たってなかなかの味わい。 また街のあ
~コバンザメのシチリア滞在記~ 上の写真はカターニアの街で見かけた秋田犬。 おとなしくてかわいかったので、飼い主さんに頼んで撮らせてもらった。シチリアにも秋田犬がいるんだ。しかも実は何頭か見かけたことがある。ヨーロッパでも和犬ブームなのだろうか。それともザギトワ効果? それはさておき、 この地ではデパートの中もお犬様連れOKなのだ。 小型犬がほとんどだが、2度ほど堂々とした大型犬も見たことがある。 これがイタリアあるあるなのか、シチリアあるあるなのか、はたまたヨー
~コバンザメのシチリア滞在記~ イタリアにはミラノのスカラ座をはじめ世界中に知られたオペラハウスがいくつもあるようだ。 イタリア政府観光局(ENIT)公式サイトを見てみると、素晴らしい劇場が国のあちこちに点在していることに驚く。 http://visitaly.jp/purpose/music ゴールドや赤を基調とした豪華なボックス席が建物の周囲をぐるりと埋め尽くしてステージを見下ろし、はるか遠くまで見上げるような天井にはそれぞれの劇場ゆかりの絵画が描かれ、細工の施され
~コバンザメのシチリア滞在記~ たぶんこれからも見つけると思うのでタイトルはその1。 (まさかその1だけで終わってしまわないよね…) 初めて見たときはびっくりしたが、その風景にもすっかり慣れてしまったキッチンの配置。 調理用コンロの下に洗濯機。 備忘録として記録。