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私の願う未来の話


      『はじめに』

まず、本文に入る前に、注意点があります。
この物語は、ノンフィクションです。
そのため、ノンフィクションが嫌いな人は回れ右してください。
また、なにか夢についてアドバイスが欲しい人むけではありません。
ただ、私の将来の選択の話を読んで、こんな考えもあるんだと、夢について、将来について悩んでいるあなたの心の気休め程度に読んで欲しいです。

また、もう1つ注意点があります。
この文は、ある賞に応募したことがあるため、もしかしたら、この文を読んだことがある人もいるかもしれません。
次に、この話はあくまで私個人の考えでしかありません。また、この作品は、別のエッセイの「いつか夢を叶えるその日まで」とリンクしている部分が多くあります。

そこだけ注意してください。
     

 『私の願う未来の話』


全員がハッピーエンドになる物語。もしもそんな物語を描けたらどんなに幸せだろうか。私は、幼い頃から親が読んでくれる本が好きだった。母の声で語られる物語に耳を傾けながら眠りにつくのがとても大好きだった。でも、いつからか私は本を読まなくなった。絵を描くことが好きになった。自分の好きなものや考えていることを絵にすることが好きだったのだと、今ならわかる。でも、私は小学校に上がった頃に絵を描くことが嫌いになった。その理由はとてもシンプルで、自分の絵が上手くないことに気付いたからだ。そして自分に才能がないと思った私は、絵を描くことを恐れるようになった。誰かに絵を見られることも嫌いになった。そして絵を遠ざけるようになった。絵を描くことを早々にやめた私は、新しく好きなものを見つけられないまま成長していった。

 そして、中学生になった。中学生になった私は、「生徒会」に興味を持つようになった。
学校行事を運営し、みんなのお手本になる存在。中学生になったばかりの私には、入学式で堂々と発表している生徒会長は、輝いて見えた。そして私はしばらくして、憧れの生徒会に入った。生徒会の仕事はとても大変だった。黙々と仕事をこなす日もあったし、仕事で学校中を駆け回る日もあった。特に仕事が近い日には遅くまで作業した。表で発表する機会も確かにあったものの、圧倒的に裏での仕事が多かった。
 それから中学三年生になった私は、「生徒会長」になった。入学当時、憧れていた生徒会長という立ち位置は、生徒会に入った時にはあまり魅力を感じないようになった。なぜか。生徒会を通して、周りを引っ張る立ち位置よりも、それを支えることの方が好きだと気付いたからだ。だからこそ、生徒会長になった時、プレッシャーで押し潰されそうになった。

  その時の私を救ったのが本だった。小学校に上がって以降、本をあまり読んでいなかった私は、中学校に上がってから少しずつ本を読むようになっていった。
本を読んでいる間だけは、現実を忘れることができた。
自分の知らない誰かの物語を知ることができた。本を読んでその人の気持ちを感じ取ることができるた。
今の自分とは違う自分になれる気がした。
だから、生徒会長になって辛いときも本を読んだ。
たくさん読んで辛さを誤魔化していた。
逃げていた。
そんな時に一冊の本に出会った。
私はその本を読んだ時、心の中が、今までと比べ物にならないくらいスッキリした。
それほど、綺麗な物語だった。
私も主人公のように真っ直ぐに何かに向き合いたいと思った。
それから私は、今まで以上に生徒会に力を入れた。
辛くなったら、何度もその本を読むことで、勇気づけて、前を向いた。
その本のおかげで、私は最後まで生徒会を続けることができた。      
 
また、生徒会とは別で好きなことを見つけた。それが物語を書くことだ。私は中学校に上がってからは文を書くことが好きになった。自分の気持ちを言葉にのせるのが好きになっていった。そして最初に小説を書いたのは、好きな人ができた時だった。自分の言えない気持ちを、物語に起こすことで消化した。その時、心が確かに軽くなったことを今でも覚えている。それから私は心の中にある言えない気持ちを物語に載せるようになった。本を読む時間と同じくらいの時間を、書くことに費やしていたのだ。
生徒会でのやりきれない気持ちも、後悔も、辛さも、恋の苦しみの、幸せも全て。
自分の気の向くまま書き続けていた。そんな時にあの本に出会い、私は前を向くことができた。
そして、あの本に出会ってからいろんな物語を読むうちにあることを思うようになった。
あの本のように、私の誰かを救う物語を書きたい。誰かに少しでも幸せを送りたい。
そう思った。
そして、それは、生きている私たちに限らず、ここには存在しない人にも幸せになってほしいと思った。

    だから物語に出てくる「登場人物も全員幸せになれるハッピーエンド。」を書こうと、そう決意した。あの本は私に新しい道を、目標を与えてくれた。

 それから私は高校生になっても、生徒会と小説を書くことも続けた。高校生になった私は、はじめて賞に小説を応募することに決めた。
そう決めてから、挫折することはたくさんあった。才能がないと思ったし、やめたいと思うこともあった。それでも、書き続けた。自分を信じて。そして「佳作」をとった。
「佳作かぁ、残念だね。」って、いう人もいたけど、私にとって佳作を取れたことはとても嬉しかった。もちろん悔しさもあった。それをバネにして私は小説を書き続けた。

    そして、高校三年生になった。進路を決める時期になった。私は県内の私立大学に行こうと思っていた。でも、だんだん進路決定が近づくにつれて、本当にこれでいいのか、悩むようになった。そんな時、志願理由書を書こうと構成を練りはじめた。そして、気付いた。私がしたいことはこの大学ではできないと。それなのに、なぜ私は最初この学校にしようと決めていたのか。
最初、進路を決めたときは、安定で、資格も取れて、一番やりたいことではなく、それに近いものを目指せるところを選んだからだ。最初はその選択でいいと思った。でも、志願理由書をいざ書こうとしたときに、細かく将来のこと、やりたいことを考えれば、考えるほど、その学校では、果たせないとわかった。気付いた。志願理由書を書こうとすればするほど、手が震えた。胸が締め付けられた。だから、私にはやりたいことに目を逸らして、安定の道を選ぶことは、無理だった。
その選択では、だめだった。

私の一番やりたいことは、安定する職業ではない。成功するかもわからない。反対されることの方が多い。そんな職業だ。だから諦めていた。その道には行かないと決めていた。
それなのに、私の心はそれを拒絶していた。どうすればいいか、わからず悩んでいた時私はあの本を読んだ。そして思った。
「自分に嘘をつくことはやめよう。」
「私はやっぱり、小説家になりたい。」
   そう思った。

そのために。私は進路を変えた。
県内の大学に行くことをやめた。親とも相談して、通信制の大学に行くことに決めた。周りには「通信」ってどうなのっていう人もいた。将来のことを心配してくれる人もいた。それでも私は自分の夢を捨てなかった。才能がないから。難しいから。現実的じゃないから。幼い頃の自分は、才能がないって理由で絵をやめた。だけど、今の私にはそれができない。その理由で捨てられないほどの大切な夢だから。

  それに、私はもう一つ気づいたことがある。
それは自分の長所をアピールする文を考えているときだった。私の頑張ってきた二つは、あまりにもかけ離れて見えて、どう一つの長所にまとめればいいのか、繋げればいいのか、わからなかった。でも、細かく考えていくうちに自分が頑張った二つのものの共通点に気付いた。

  まず、「生徒会」
生徒会は、裏で支えることも多いが、それと同じくらいに自分の言葉で、言いたいことを表現する機会が多い。
  次に「小説」
小説は自分の書きたいもの、伝えたいことを文字で表現する。つまりどちらも形は違っても、「表現」しているのだ。自分の意見を。そして、「発信」しているのだ。それに気付いた時、私の一番の長所は間違いなく「表現力」だと分かった。
  だからこそ、私は自分の夢を追い続けることにした。だって、私には夢を実現できるかもしれない長所だってあるのだから。それを使わないでどうするのか。

 これから先、周りになんと言われても。これから何年かかっても、必ず素敵な小説家になると決めた。馬鹿にされても、辛くても、苦しくても、もがこうと決めた。人生何が起こるかわからない。きっとこれから先、自分でも想像がつかないくらい苦しいこともあるかもしれない。努力だけではどうしようもないこともあるかもしれない。もしかしたら、新しく小説以上にやりたいことが出てくるかもしれない。でも、未来のことなんて誰もわからないから。どんなに考えたって、その未来が訪れるとは、限らないから。
だから、今は自分の思うように進もうと思う。

これからの私に幸あれ。

『終わりに』


最後まで読んでくれた貴方。
ありがとうございます。
私がこの話を書いたのは、高三の夏。どうしようもない気持ちを綴って、自分自身を信じることに決めたあの日から、時間はたって、私は今、大学1年生になりました。来年の4月には、大学2年生になります。
だからといって、生活に大きな変化はありません。今でも、心が折れそうになることがあります。
そんな時には、好きな本を読んで元気をもらったり、気持ちを素直に受け入れて、曲を聴きながら、家で1人どんよりしたり、様々です。
それでも変わらず私は小説を書いています。
まだ結果は出ていません。まだまだ時間はかかるでしょう。でも、私は諦めません。
この道を選んでの後悔もあります。
恋愛面で、出会いがありません。でも、それもおいおい、頑張ります。
そんなまだまだ未熟な私の人生は続いていきます。そして、今、この文を読んでくれたあなたの人生も続いていきます。
どうしようも無いことも、辛いことも、嫌なことも、辛い選択をしなければいけない時もあります。
将来についてしっかり考えなきゃ行けない時も訪れます。そんな時に、みえない何かに押し潰されて、自分を見失うことがないように、まだ自分の好きなものが見つかっていないとしても、それでもいいです。ただ、貴方が少しでも後悔しない方を選んでください。全く後悔しないなんて不可能ですから。
どうか、貴方のこれからの日々がもっと素敵なものになりますように。
貴方の願いが叶いますように。
貴方のこれからの人生に幸あれ。


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