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ぼんやりした空間に黒を置いて引きしめてみる


築古の賃貸物件に住んで7年経つ。
ご近所さんも良くしてくれて子どもたちは友だちが近くにいて、この家との出合いはまさに素敵な巡り合わせだったと思う。

私は、無機質なシンプルさよりも木の温もりが好きだ。色を組み合わせたカラフルよりも、数色の統一感が好み。

だから、木のものは自然と多くなっていって、気がつくと家の中が茶色だなぁと感じるようになった。

木は好きなのだけれど、増えすぎるとどうもそれぞれのものの良さがぼんやりする。輪郭がはっきりしない。

最近は、そこに黒を意識してプラスしてみている。黒があると、空間が引き締まるような気がしているからだ。

すぐに家具を買い替えたりするのは1人で決められることではないから難しい。
賃貸だから家自体に手を加えることも現実的ではない。

そんな中でちょっとした黒を楽しんでいる家事情についてお話しようと思う。


和室に黒

和室は特にぼんやり度が高い場所。
畳のい草は経年変化で黄色っぽくなっていて、古道具や木製の棚の色が同調しやすい。そこに、砂壁風の壁紙が緑色ときたからさらに雰囲気が似通っていてどうもメリハリがないのが悩み。

壁に漆喰を塗りたいと何度も壁紙をベラっベラに剥がす妄想はしているけれど、妄想がリアルになるわけがなく。
現実の世界ではちょこっと黒を配置しては雰囲気をかえようと奮闘している。(結構奮闘していると思う)

和室では、シェーカーボックスが黒い。
中にはカメラやパソコングッズが入っている。
こういう、突っ込むだけの収納は楽でやめられない。 

上にある茶色いボックスの方を先に購入していた。その後、ボックスの形や雰囲気自体はすごく好きなのに、どうもここには合わないと感じてしまうのは色だったんだと、黒を迎えて分かった。
3段くらい黒いシェーカーボックスを積み上げたら破壊力あるなぁと思う。

ダイニングの黒

正直ダイニングには意図して置いている黒は少ない。
テレビの黒とオーディオが黒いのだけれど、家電以外のところでインテリアを組み立てたいと思うところがあって、そうなるとここにはあまり黒はない。

一つあるのは、デスクライトだ。
裸電球の透明感とアイアン部分の黒、このふたつの対比が好きで置いている。最近では梅雨の影響なのか、お日様を感じられる時間が少なく室内はいつもより薄暗いので、間接照明を使って灯りをとろうと思っている。

ピアノのゾーン

今ダイニングに黒を取り入れようと、ダイニングチェアに注目している。
普段、テーブルの周りに並べている丸椅子のうち2脚がIKEAのもの。
その2つを黒くペイントするのはどうだろう。
以前白い椅子に塗り替えることを考えていたこともあって、反対色を選ぶ日が来ていることにはちょっと驚いているが、わくわくした気持ちが止まらない。
Artekのように、座面だけ黒塗りするのもいいかもしれないなあと考えたり。
ちょっとした変化で暮らしの楽しみは刺激されて生き生きとした時間が流れるような気がしている。

黒くしたいなぁ

キッチン用品の黒

キッチン用品には黒よりは白いものが多い。清潔感、衛生的なものが重要な場所だから当然なのかも。

実際、うちの台所にも白が多い。
買うなら白と決めていた期間が長かったこともあり、冷蔵庫、器、布巾など白ばかり。

その中で黒いのは、南部鉄器だ。
黒色だから買ったというものではなかったが、当たり前のように毎日手にしている鉄器を目にして、改めて鋳物の黒く渋い雰囲気にハッとする事があった。立てかけておくだけでも重厚感ある黒がいい役割をしてくれている。

家の冷蔵庫は15年選手。
もし買い替えることになったら黒か?と心の内で狙いを定めている。


黒いアイテムを取り入れたいけれど、そのために何か必要ではないものを購入することはしない。自分の暮らしの中でできる範囲のたしざんやひき算を楽しめることができたら十分。もしかしたら当たり前に見慣れてしまった雑貨屋や家具も見る角度と考えを変えれば今の願いに叶うものになるかもしれない。
凝り固まってしまっている見方って誰にでもあると思うから。
人間関係も然りだよな…と思いつつ、黒アイテムを取り入れる旅は続きそうです。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。



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