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志村?!

買い物後、スーパーの駐車場から出ようとしたところ、
自分の車の前方を人が横切ろうとしたので停まった。

作業着を着た50代くらいの男性で、
後ろの髪を少し伸ばしてゴムで束ねていた。

その人を見て後部座席に座っていた4歳の娘が叫んだ。


「志村けんっっ?!!」


一瞬ハッとしたが、すぐに私は言った。


「あの人は志村けんじゃないよ。

志村けんは、もういないんだよ。」

娘は照れ臭そうに笑って

「そうなんだ?せな間違えちゃった!」

と、言ってハハハと笑っていた。

ただ、それだけの話。


その後自分が、自分自身が言った言葉に傷ついていることに気づいた。


「志村けんはもういないんだよ」


いないんだよなあ。


たかが4歳の女の子を、フルネーム覚えさすほど魅了してるおじさんて、すごいよなあ。


さびしいけど、尊敬と感謝の気持ちが沸いてきたスーパー帰りでした

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