保健体育教師・養護教諭の皆さんに!「どんな教育がしたいの?」by 川上貴裕
レトリカ教採学院(教採塾)の川上です。
昨日の『@ZOOM・教採勉強戦略セミナー』では、40名を超える方々にご参加いいただきました。
ありがとうございました。
このセミナーでは、特に、保健体育教師・養護教諭の方が圧倒的に多かったですね。
そんな、多くの保健体育教師・養護教諭の皆さんに、今回のブログでは、「どんな教育がしたいの?」という質問を投げかけてみたいと思います。
これまで、たくさんの保健体育教師・養護教諭志望の方を指導してきましたが、圧倒的多くの方が、この教育観・志望動機観においては、「健康・安全」、「運動の楽しさ」などを語ります。
もちろん、正論です。
何一つ反論はありません。
ただ!
それって、他の保健体育教師・養護教諭も、同じ観点で語ることができる内容ですよね。
事実、ライバル受験者のほとんどが、面接において、その観点で語ります。
となれば、ライバル受験者ではなく、『あなた』が採用されるために、そのままでいいのでしょうか。
そのままでは、大勢のライバル受験者に埋もれてはしまいますよね。
埋もれたままで、合格はできそうですか。
他に圧倒的な飛びぬけた魅力があれば、話は別ですが、なかなか、稀有かと考えます。
飛びぬけた魅力とは、地方大会、全国大会に出場したレベルでは、まだまだ正直、足りません。
世界大会、あるいは、日本一レベルでなければいけません。
そうなると、ごく限られた人のみの魅力となりますよね。
では、あなたは、どこで勝負していきますか。
どこで、あなたは、合格を勝ち取りますか。
どうすれば、埋もれないで済むでしょうか。
勝負する要素、合格を勝ち取る要素として、明るい、爽やか、礼儀正しい、体力がある、などを挙げる人もいますが、特に、保健体育教師においては、デフォルトです。
多少の違いはあれど、基本、どの保健体育教師も、元気ですし、礼節をわきまえていますし、体力があります。
したがって、面接で、明るさ、礼節、体力などを語っても、やはり、他のライバル受験者に埋もれてしまうことになります。
養護教諭においても、「寄り添いながら声をかけていく」、ということを自分自身の魅力に挙げる方がいますが、それができない人はむしろ、養護教諭に向いていませんから、デフォルトというか、最低条件ですよね。
かといって、「じゃあ今から、何かの日本一、世界一になろう!」と思っても、難しいでしょう。
ではどうすればいいのか。
ブレイクスルーのためには、2つの思考が必要です。
1、皆さんなりの定義が必要。
2、ライバル受験者が語らない視点・切り口が必要。
まず、【1、皆さんなりの定義が必要。】について。
先ほどの教育観・志望動機観においては、多くの方が、「健康や安全」、「運動の楽しさ」について語ると話しました。
ライバル受験者から抜きん出るためには、どれだけ、あなた自身の言葉で掘り下げていけるか、定義づけられるかが重要になってきます。
なので、「健康とは。」、「何をもって健康というのだろうか。」、「どんな状態が健康だと言えるのだろうか。」、「Aという場合は、健康なのか、そうでないのか。健康だとしたら、根拠は何だろうか。健康でないとしたら、それはなぜなのか。」、あなたが語りたい教育観・志望動機観について、こんなことを、ひたすら自問自答しながら、紐解き、掘り下げ、あなた自身の言葉に精査することが重要です。
単に、「子供達の健康を守る」とか、「子供が安心安全に生活できるように」というような、大きな枠、抽象的な枠で語っていてはダメなのです。
また、余談ではありますが、
定義づけをしていく前提には、根拠ある、正確な情報をたくさん収集していくことが重要です。
SNSでは非常に多くの「元」教師が、情報を発信しています。
しかし、ほとんどの場合、科学的ではなく、また、正確な出典もない、ただその人の経験則で語られています。
無料で、かつ、個人の元教師が発信している情報というのは、その程度のレベルがほとんどです。
例えば、文部科学省や中央教育審議会、国立教育政策研究所、ベネッセ、有名大学教授などの、科学的で、根拠があって、正確な情報を、集めていきましょう。
正確で根拠ある情報に基づいて、たくさんの知識教養を増やしていくことが、自分自身の言葉として、定義づけたり、掘り下げたりする前提として、重要になってきます。
ある人の曖昧な経験則を掘り下げても、あなた自身の定義づけにはなりません。
結局のところ、「他の人と同じ」に埋もれてしまうだけです。
正確な情報を制する者が、教採をも制するのです!
次に、【2、ライバル受験者が語らない視点・切り口が必要。】について。
保健体育教師・養護教諭にとって、子供達の健康や安全を考えることは重要です。
でも、それだけが、保健体育教師・養護教諭の役目ではありませんよね。
私は、古代エジプト考古学をずっと学んできた社会科・歴史分野の人間です。
仮に、私が社会科教師・地歴の教師志望として、教育観・志望動機観を語るにしても、たくさんの想いが出てきます。
一つは、多くの地歴教師志望者も語りそうな、ロマンや、歴史の楽しさを教えたい、という想いがあるでしょう。
しかし、それでは他のライバル受験者に埋もれてしまうことになります。
他のライバル受験者が語りそうにない切り口・視点としては、例えば、「未知への探究」が挙げられます。
古代エジプトだけを切り取ってみてみても、これまで発掘されたものは、全体の3割にも満たず、あの砂の下には、まだ7割以上、埋もれている歴史があるとも言われています。
「未知への探究」という切り口・視点は、古代エジプトに限らず、日本の歴史でも、世界史でも、地理分野でも言えますよね。
あるいは、「教育を途絶えさせない」という切り口・視点で話すのも、他のライバル受験者は語りそうにありません。
歴史と教育?と思う方もいるかもしれませんが、次の例を読んでみてください。
例えば、古代ローマには、水洗トイレやお風呂など、素晴らしい技術が発達していました。
古代エジプトにおいても、ヘリコプターも、重機も、何もない状態で、ピラミッドという、現代にも残るほどの巨大建造物を完成させています。
しかし、古代ローマにあった素晴らしい技術も、教育や歴史が途絶えてしまえば、後世に残りません。
だから、古代ローマよりはるか後世の、中世ヨーロッパでは、トイレがなく、窓から糞尿を投げていたわけです。
技術や伝統、文化、教育、歴史が途絶えると、一瞬にして後退・退化していくものなのです。
だからこそ・・・という切り口・視点で、地歴の志望動機をまとめていけば、ブレイクスルーになりそうですよね。
保健体育教師・養護教諭も、切り口・視点を変えれば、たくさんの教育観・志望動機観が溢れてきます。
例えば、バスケットボールの授業で、ダラダラ100回シュートの練習をするよりも、10回のシュート練習で、10回シュートを成功させるためにはどうすればいいか、そんな効率的・効果的な思考力を育む、という視点も、他のライバル受験者は語らないでしょう。
また、協働的な学びにおける、表現力・言語能力を育む、という視点も良いでしょうし、個別最適な学びにおける、導入の工夫、100を超える教材の数々、というのも、他のライバル受験者がほとんど語ることのない要素ですよね。
健康や安全は大切ですが、何もそれだけが保健体育教師・養護教諭の役割ではないんですよね。
ライバル受験者に埋もれないためにも、合格を勝ち取るためにも、
1、皆さんなりの定義が必要。
2、ライバル受験者が語らない視点・切り口が必要。
この2つを、まずは実践していってみてくださいね。
この2つを実践していくには、時間がかかります。
だから、来年の教員採用試験までまだ時間のある、今のうちから、コツコツと始めておいてください。
願書提出時の、志望動機の柱としても、役立ちますので。
そして、それらを実践する前提として、正確な情報収集による知識教養の増幅も、お忘れなく!
そもそも、知識教養なくしては、1も2も不可能ですが、さらにそれが、正しい情報でなければ増幅は見込めませんからね。
ではまた!
川上貴裕
レトリカ教採学院
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