教採の面接で合格を勝ち取る方法はこれです!ユニークに、そして、ポジティブに話す!

今日は「ユニークに、そして、ポジティブに話す」ということについてお話しましょう。

ユニークに話すとは、誰もが心の中に持っている想いや気持ちを、誰もが使わない新鮮な表現で表してあげる、ということに尽きます。

ユニークとは奇抜なことではありません。

ユニークとは日頃から何となく感じていることを新鮮かつ意外な表現で捉え直してみることです。

ポジティブに話すとは、語り手の話によって聞き手を「明るく、元気に、爽やかに」するということです。

これは話し手が話す時に表情などを「明るく、元気に、爽やかに」するということではありません。

話の内容や話し方によって、聞き手の心を明るく、元気に、爽やかにするということです。


まず、「ユニークに話す」から詳しく考えてみましょう。

ユニークに話すの定義は先程、書きましたが、実際にユニークに話すために必要なことは次の3つです。

1.平凡からの脱却。

2.斬新な切り口と表現。

3.普遍的価値の具現化


1.平凡からの脱却、とは簡単に言えば、マンネリズムを捨てる、誰でも使いそうな凡庸な言い方からは卒業するということです。

例えば、面接で部活動について聞かれたとします。

その答えに単に「部長として苦労して部員をまとめました。」と答えるようでは凡庸なマンネリズムに毒されています。

部長なら苦労して部員をまとめるのは当たり前です。

当たり前のことを当たり前に言うだけでは、聞き手の共感も感動も賛同も勝ち取ることはできません。

もし、部員をまとめたということを語りたいのなら、そのことをユニークな語りにして話す必要があります。

アルバイトの話でも同様です。

単に、「働くことの厳しさを知った」とか「人間関係の大切さを知った」といった平凡極まりない言葉で語っても聞き手の心を動かすことはできません。

平凡な内容を平凡な言葉で語っても、聞く価値がないからです。

わざわざ語る、わざわざ聞いてもらうのですから、語るだけの価値がある、聞いてもらうだけの価値があるものにしなければなりません。

その価値をユニークさと呼ぶと考えてもあながち間違いではありません。

せっかく話をする、話を聞くからには、何か新しいことを伝えたい、感じたいものですよね。


2.平凡から脱却するためには、2つ目の斬新な切り口と表現が必要になってきます。

ユニークさは単なる奇抜さではなく、聞き手の心の中にある想いを新鮮な表現で刺激することですから、そのためには斬新な切り口と表現が求められるわけです。

斬新な切り口と表現がユニークさの命といってもいいでしょう。

斬新な切り口と表現についての感性を上げるためには、名言と言われるものにたくさん触れておくことが必要です。

でも、これは名言を引用したり、使いまわしたりするためではありません。

名言が持っている斬新な切り口と表現に触れて、自分の感性を向上させることが目的です。


アインシュタインの名言はそういった斬新な切り口と表現の宝庫ですので、是非、インターネット上の名言サイトなどで読んでみてください。

ここでは、一つだけご紹介しましょう。

アインシュタインは言いました。

「無限なものは二つあります。宇宙と人間の愚かさ。前者については断言できませんが。」 

この名言のユニークな表現法がお分かりになりますか?

アインシュタインが言いたいのは「人間は愚かな存在だ」ということ。

時に戦争をし、核兵器まで使用する人間の愚かさについて語りたかったのです。

でも、単に「人間というものは愚かだ」といってはあまりにも平凡です。

だから、彼はユニークな工夫をしたのです。

理論物理学者らしく、宇宙の無限について触れるのです。

宇宙が本当に無限なのか、それとも有限なのか、現在でもその答えは出ていません。

それを踏まえて彼は言います。

宇宙と人間の愚かさは無限だ。

でも、前者についてはまだはっきりと分かっていないので断言できないと。

つまり、彼は人間の愚かさが無限、限りがないということは断言できる、

そのくらい愚かだと言っているわけです。

これが彼の表現のユニークさです。

人間の愚かさを語る時に、宇宙物理学をさらっと持ってくる。

そして、それにひっかけながら人間の愚かさを間接的に表現する。

これこそユニークな語りです。

アインシュタインに限らず、世に名言と言われるものの多くは、同様の表現を駆使しています。

数多くの名言(少なくとも数百の名言)に触れてみることが言葉の感性を上げるためには有益ですから、多くの名言を噛みしめてみてください。


3.ユニークに話すために3つ目の秘訣は、「普遍的価値の具現化」です。

これは、先に述べたように、聞き手の心にある想いや願いを新鮮な表現で刺激するということにつながります。

何度も言いますが、ユニークな語りとは奇抜な語りではなく、普遍的価値を斬新な言葉で語ることです。

普遍的価値自体は、ユニークなものではありません。

「教育は大切だ」、「チャレンジは重要だ」、「人の絆は貴重だ」といった誰もが認める価値のことです。

ただ、これをそのままに表現すると平凡に陥っていしまいます。

ですから、新鮮な切り口と言葉で表現するわけです。

有名な例で説明しましょう。

偉大な映画監督だったチャップリンが、その晩年に、こう聞かれました。

「あなたの映画の中で最高傑作はどれだと思いますか?」

チャップリンは答えました。

「次の一作だよ。」 

これこそ普遍的な価値を斬新な表現で語った秀逸な言葉と言えるでしょう。

チャップリンが表現している普遍的価値とは、人間はたとえ年老いたとしても挑戦することをやめるべきではない、人間いつまでも現役でいたいという願いです。

でも、それをそのまま言ったのでは平凡です。

彼は、自分の作品の中の最高傑作をあえて次の一作と言うことで、その普遍的価値を語ったのです。


今までお話ししてきたユニークに語るということを教採の面接に応用してみましょう。

例えば、「あなたの趣味は何ですか?」と聞かれたとします。

これに対して、例えば、「読書です。本を読むと世界が広がります。」という風に答えたのでは、あまりにも平凡です。

これでは合格点は取れません。

確かに、本を読むことは大切ですし、本を読めば世界も広がります。

でも、それをそのまま言ったのでは、面接において、魅力的な人物であると評価してもらうことはできません。

普遍的な価値をいかにして斬新な切り口と言葉で表現するかが合格レベルに達するかどうかの分かれ目です。

教採の面接や就活の面接で合格(採用)を勝ち取る人は、ユニークな話し方をする人です。

誰でもが持っている普遍的な価値を新鮮な切り口と言葉で伝えることができる人です。

面接で不合格になる人はここのところの能力が欠けているのです。


先程の読書の面接質問の例について名言の切り口を応用しながら、考えてみましょう。

サミュエル・ジョンソンの名言に、

「人は一冊の本を作るために図書館半分をひっくり返す。」

と言うのがあります。

人は一冊の本を書こうと思うと、図書館半分くらいの本を読んで研究する必要があるという意味ですね。

この名言をそのまま引用しても意味がありません。

面接の場で名言を引用して語っても高評価はもらえません。

そうではなくて、この名言からユニークな話し方のインスピレーションをもらうのです。

こんな風に考えてみましょう。

皆さんが次の1冊は何を読もうかと探すとします。

図書館に行って探すかもしれませんし、大型書店に行って探すかもしれませんね。

そこでは何をするでしょうか。

まずは、片っ端から本を手に取ってみて、これでもない、あれでもないと選びながら、最終的に一冊の本を選ぶことになるでしょう。

最終的に一冊の本を選び出すまでに、100冊、200冊の本を手に取り、眺め、あるいは、本棚に目を走らせるでしょう。

その中で選んだのが最終的に買った(借りた)1冊です。

ここに読書の醍醐味を見出すこともできますよね。

それを言葉で表現してみるとどうなるでしょうか。

例えば、

「読書の醍醐味は1冊の本を選ぶ時にも味わえます。図書館や書店で1冊の本を選ぶために、少なくとも200冊以上の本を眺めます。手に取ったけれど読まなかった200冊の重みを感じながら、選んだ1冊を読みます。年間100冊読めば、手に取ってみた本はのべ2万冊になります。

手に取ったけれど読まなかった2万冊に心を馳せながら100冊をじっくり読むのが私の読書の醍醐味です。読みたい本を選ぶという行為も読書の一部だと思いますし、そこには知的な楽しみもあります。去年読んだ100冊の本と読まなかった2万冊の本は私の宝物になりました。」

のように語ります。

直前の例は、あくまでもあるひとつの名言からもらったインスピレーションを語りに応用してみたという一例です。

多くの名言に触れておけば、語りの切り口を発見する際の大きな助けになるということをお伝えしたかったのです。


ユニークに語れるようになるためには、たくさんの名言や文章に触れておく必要があります。

他人の優れた言葉もろくろく知らないのに、自分の語りが上手くなるはずがありません。

引用や盗作を奨めているのではありません。

自分の言葉の感性を磨くことが重要だということを申し上げているのです。

「面接が苦手で上手く話せなくて悩んでいます」という相談をよく受けます。

そんな人には私はこう聞きます。「あなたが共感する、感動するような言葉に何百も何千も触れてきましたか?触れようとしていますか?」ほとんどの場合、答えはノーなのです。

話が下手な人は、人の優れた話を聞いていないのです


私は教採志望者の面接指導をするときは、優れた表現をシャワーのように浴びてもらうように努めています。

ですから時には、教採の面接対策講座というより、ライター養成講座みたいになることもあります。


ポジティブに語るということは、単に語り手がポジティブであるというだけでなく、聞き手の心をポジティブにするということが何よりも大切です。

そして、ポジティブとは、比較的インフォーマルに、「明るく、元気に、爽やかに」くらいに捉えておけばよいと思われます。


先程のチャップリンの言葉も、聞く人の心をポジティブにする代表例と言えますね。

ポジティブに話すという際に、よく使われる例があります。

コップに半分、水が入っているとします。

最もネガティブな言い方は「コップには半分しか水がない。」です。

次は「コップにはまだ半分も水がある。」ですね。

最もポジティブなのが、「あと半分でコップの水はいっぱいになる。」ですよね。


ポジティブに語るとき、語り手は聞き手の心を明るくします。元気にします。爽やかにします。

「そうか、そう考えればいいんだ!」という元気を与えるのです。

それがポジティブに話すということです。

そして、この話し方は教師ができなければならないものです。

この話し方は教師の資質なのです。


教採の面接では、いかにポジティブに語れるかが合格を決めると言ってもいいでしょう。

聞き手である面接官の心に元気を与えて「なるほど、そういう考え方はいいなあ!」を思わせることができれば、合格はぐんと近づきます。


いかがでしたでしょうか?

面接での語り、ユニークに、ポジティブに話せそうですか?

レトリカ教採学院
河野正夫

https://kyousaijuku.com/


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