甲子園球児

高校の体育の授業で野球をした時。「うぇー!うぇー!」と強豪校同士の試合張りに皆声を出していたせいか、校舎のベランダから自習中の女子達がこちらを見ていた。それに気づいた我々高校球児の顔にも気合いが入る。

カキン!相手バッターが打った!ボールはピッチャーの股を抜け二塁を守る僕の元へ、カッコいいところを見せねばと、力み過ぎたせいかボールは無情にも股を抜けていった。しかしセンターの友人がカバーしていた「ナイス!」。次の瞬間ボールは彼の股も抜けていった。

ピッチャーゴロになるはずだったボールは見事にサヨナラランニングホームランとなった。恥ずかしくなった僕は膝から崩れ落ちた。ベランダの女子達が爆笑してるのがわかる。顔が上げられない。次の瞬間、半笑いでグランドの土をかき集めていた僕のセンスは優勝もの。

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