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妻だけの引っ越し

妻の物件は今の家から徒歩15分くらいのところになった。
住む街くらい変えればいいのにと思ったが、ちょうどいいところがなかったらしい。私が連帯保証人のサインと押印をし、妻の小さなアパートの契約が決まった。

私が会社に行っている間に引っ越しが終わったようだ。
こんな時、「埃ひとつ残ってなくて虚しい」とか、そういうものを想像していたが、モノやごみがちゃんと残っていた。必要なモノだけ移したようだ。片付けはそのうちするらしい。

モノで場所を取っているので、とりあえず「売るもの」として分類されていた服や日用品をセカンドストリートまで持っていった。ホンダのフィットいっぱいに積み込んで1万円ほどになった。私一人で売りに行って、後から妻に渡すことになっている。

財産分与に関しても、
「使ってしまいそうだから、しばらく持っていて」
と妻から言われている。
「全部使って、なくなってしまうかもよ」
と言っても
「そんなことできない人だと分かっている」
と返されてしまう。
ずいぶんと信用されているようだ。

妻にとっては初めての一人暮らしだ。
私は家を出ていった娘を心配するような気持ちでいた。だいたい、一人暮らしというのは、進学とか就職とか決まったタイミングで明るい気持ちで始めるものなのだが、別居というネガティブなスタートで精神的に大丈夫なものか心配になった。

親御さんには、まだ別居のことを報告していない。
家族LINEには、私と妻と妻の両親が入っているが、そちらは平常通りに流れている。誤魔化しながら連絡を取るのが辛かった。
あとは離婚届を出すだけの状態にしてから、妻は両親に報告すると決めていた。

私の方は、やっと母に知らせることができた。私の両親は離婚しているので、特に気にすることもなかった。

母からの感想は、
「遅れた反抗期だね」
とのこと。

2020年3月


*これは当時の日記を元にした、1年前の話である。日記のため、「妻」と表記している。離婚に至るまで、このnoteはつづく。


*このnoteの続き


*このnoteのはじまり


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