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この世界にいるために



重たい布団の中に入りたくなる。
でかい重たいマットレスに潜り、抜け出せないほどに挟まれる。
散けてしまいそうな身体を、ぎゅっと引き戻すために。



唐突に声を発したくなる。
必要に迫られて声を出している。
その時に出してしまわなければ、喉から身体の奥までうずうずして、どうにかなってしまいそうで。



分別すらできない感覚が混雑して一向に落ち着かない。
動き回るのも繰り返す動作も妥当だ。
落ち着かせることができるのは、時間と静寂のほかない。



この世界にいるために
自分の世界をも守る。



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