【モンキ】おぼえ書き_072 双極性障害と生きていく その10
みなさんどうも。「モンキ」です。
突然ですが、みなさんはスラムダンクというマンガはご存じですか。
高校のバスケットボール部を舞台としたマンガで、不良少年である桜木花道の成長を描いたものです。
現在そのスラムダンクの映画「THE FIRST SLAM DUNK」が上映されていまして、先日観に行ってきました。
今回は、私の休日の過ごし方・スラムダンク編について書いていきます。
まずこれは大前提なのですが、私は双極性障害という特性を持っていまして、気分が高揚する軽躁状態と、気分の落ち込むうつ状態を繰り返しています。
そのため主治医からは、なるべく変わったことをせず、穏やかに日々を送りなさいと言われています。
治療のため、ラミクタールという気分の波を取る薬も服用しています。
ですので、休日の過ごし方はいつも苦労しています。
うつ状態の時は体が動きません。でも何もしないで一日が終わると、また無駄な一日を過ごしてしまったと落ち込みます。
逆に軽躁状態の時は何かしたくてしょうがないのですが、色々としすぎてはいけません。あまり動きすぎると、その反動からうつ状態に落ちていくのです。
このバランスがとても難しいのです。
で、スラムダンクの話です。
(話しの持っていき方が下手だなあ)
私はこのマンガがものすごく好きでして、強い思い入れがあります。
もう何度読み返したか分かりません。
ですから、連載が終了して20年以上経った今になって、映画化するというニュースを聞いた時は、非常に驚いてこう思いました。
それは、怖いな。
だって、スラムダンクはもう自分の脳内で完成しているのです。
これまで培ってきた「私のスラムダンク」というものがあるのです。
映画によってそれが壊されるんじゃないだろうか。
観ようかどうしようか迷っているうちに公開日が近くなり、少しずつ情報が出てきました。
するとですね。
まさに私の恐れていた情報がポンポン出てくるのですよ。
主人公が違うってどういうこと?
原作の良いシーンが結構削られているっていうけど、どこに削るとこがあるわけ?
旧アニメ版と声優が違うとか、CGを使っているとか、他にもいろいろと。
もう不安をあおる情報ばっかりで。
これはダメなやつだ。
観ないほうがいい。
というわけで、ずっと無視していました。
スラムダンクの映画なんてものはなかった。
でもですね、知り合いに6回見たという猛者がいるんですよ。
その人も当然スラムダンクが大好きなのですが、映画はものすごく良いと。
本当に?
最初の話に戻るのですが、私の双極性障害の状態は現在安定期に入っていまして、最近はあまり物事をネガティブにとらえなくなっています。
そのせいか、以前に比べて映画「THE FIRST SLAM DUNK」に対する考え方も穏やかになっていました。
そろそろ覚悟を決めよう。
失敗したっていいじゃないか。
観ないであれこれ言うのはやめよう。
文句があるならちゃんと観てから言えばいいんだ。
(どこが穏やかな考え方なんだか)
そして重い腰を上げて、恐る恐る映画館に向かったのです。
入ってびっくりしました。
超満員でした。
公開から5か月も経っているのに、すげーな。
ドキドキしながら映画の始まりを待ちました。
場内が暗くなって、バスケットボールをドリブルするときの、ダムダムという音が響いてきます。
ああ、始まってしまった。
(まだこんなこと言ってるよ)
そして、あっという間の2時間でした。
結論から言うと、最っ高でした。
もう本当に最高。どうしてもっと早く見ておかなかったんだろう。
改めて考えてみると、そうだよね。
原作者の井上雄彦先生が監督やっているんだから、世界観が壊れるわけがないじゃないか。
なぜオレはあんなムダな時間を。
この素晴らしさをみなさんと共有したい。
書き出すと、もうどこから書いていいか分からないぐらい良いところだらけなので、印象に残った出来事を一つだけ。
この映画はバスケットボールの試合が描かれるのですが、最後のシーンは会場中が静まり返っていました。
息をのむというのは、ああいうことを言うのでしょう。
物音ひとつなく、ボールが宙に浮かぶ映像だけがゆっくりと流れていて。
数秒間、いやもっとずっと長いような。
観ている全員がきっと同じことを思っていたと思います。
そんな時、会場のどこかからか、こらえきれなくなったように小さな女の子の小さな声がして。
「はいれっ」
そう。
そうなのよ。
もうね。
いいから観てください。
何の紹介にもなってないけど、私の言葉では表現するのはムリ。
みなさんの想像を軽々と越えていきますから。
そして、放心状態で劇場から出てきました。
車に乗って一息ついて、ふとミラーを見て、びっくりしました。
顔が赤く上気して、目が大きくなっている。
気が付くと、こめかみのあたりがドクドクと脈打っていて、頭痛がします。
これ、まずい。
慌ててかばんに手を伸ばして、薬を探しました。
頓服としてもらっているエチゾラムという薬です。
興奮しすぎている。
後で絶対に反動がくる。
脱力とうつ状態がやってくる。
薬を手のひらにのせて、水筒のキャップを開けて、そしてしばらく動けませんでした。
どうして、こうなんだろう。
こんなに楽しいのに、どうしてそれを鎮めることを考えなければいけないのだろう。
どうして自分は双極性障害なんてものになってしまったのだろう。
興奮と、情けなさと、くやしさと、感情はぐしゃぐしゃでした。
少ししてから、家に帰りました。
お風呂に入り、でもそのまま横になってしまうのはなんとなく嫌で。
ツイッターでスラムダンクと入力してみました。
すると、出るわ出るわ。
かっこよかったって。
面白かったって。
泣いたって。
すぐ原作全巻揃えたって。
なんか見ているうちに可笑しくなってきて。
落ち込んでいた気分が少しほぐれてきて。
やっぱりスラムダンクは感動したし、スラムダンクが好きな人の話も楽しいし、行って良かった。
双極性障害には負けない。
障害とはうまく付き合っていこう。
過度に力が入ったり緊張したりした時は、緩めてあげること。
落ち込んだり自分を責めたりした時は、許してあげること。
自分で自分をコントロールする。
これからも一生続いていくことですから。
あきらめたらそこで試合終了ですよ。
次の休日、もう一回観に行こうかなあ。
そして、スラムダンクを大好きな知人と思いっきり感想戦をするのだ(笑)。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
次回は、休日の過ごし方についてもう一つ書こうと思います。
現在の状態:比較的落ち着いている