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【ふーみん】_058 ふーみんのアンニュイな思い出

こんにちは、ふーみんです。
雪や寒さが落ち着いて、春の気配がするようになってきましたね。

今回もテーマ的にはやや重めですが……。
自分の体験や気持ちを書くチャレンジです。前回結構頑張って書いてたので、今回は文字数少なめでいきます。

……

小学校低学年くらいの、小さい時のこと。

昔から神経質というか気が張りやすく、よく頭痛や腹痛、発熱を起こしてときどき学校を休んでいた。

寝室でひとり横になっている。
眠れているうちはいいが、目が醒めるとなかなか落ち着かない。

今からテレビの音が聞こえてくる。
バラエティー番組だとかの笑い声。
そんなに大きな音量でなくても、一旦気になると次々音を拾ってしまう。

時計の音、外を歩く人の声。
ときどき親の笑い声が混じる。
それが弱っている自分を、なんとも言えない不安な気持ちにさせる。

ポカリが空になった。
まだ起き上がれるほど元気ではない。
こちらからの声は親に届かない。
床をたたいても、親のところまでは届かない。

ふと、救急車のサイレンが響く。
強い絶望に襲われる。
『このまま自分は消えてしまうのではないか』とさえ思う。
泣いても、声は親には届かない。

いつの間にか意識が切れて、寝てしまっていたらしい。
足音がゆっくり近づいてくる。
母がタオルとポカリを持ってきてくれた。
「何か食べる?おかゆ?」

お腹が鳴っている。
『食べたい』と答えた。
どうやらまだ生きてるみたいだ。

気持ち悪さが少し残るまま、おかゆを食べた。
梅干しの酸っぱさが体に染みる感じがした。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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