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#004 困難スライドリボルビング精神

 「逃げてもいいんだよ」って、優しい言葉としてありがちだけど、生物として逃走はデフォなんだから、悩む必要すらないですよ。嫌な事、つらいこと、面倒くさいこと全部投げ出して、逃げちゃいましょうよ。いちいち戦っていたら、それこそ死んじゃいますから。

 フィクションの世界が好きです。現実がどれだけダメでも、漫画・アニメ・映画・小説などから生きる勇気がもらえます。創作に勇気を得て生きていくというのは、いささか幼く聞こえるかもしれませんが、宗教なんてまさにその最たるものではありませんか。いいんですよ、だから。

 しかし、困ったことがあります。現実世界で富や権力ばかり崇められることがムカつくので、フィクションの世界では身近な愛や夢を尊ぶのが定番です。若い頃はそれでよかったですが、今の私にはちょっと嚙み合いません。

 未婚(バツイチ)で子供もいませんし、一人で過ごすことが好きなので、家族とかよく分かりません。恋愛はいつの時代も一大コンテンツですが、気分になった時にするときゃするスタンスなので、恋せよ!と言われても困ります。そんなこんなで孤独ですが、年数回会える程度の友達は数人います。もちろん夢なんて無いわけですが、そのことに不満はないので、夢を抱け!と言われても困るんですよね。

 無条件で「生きてるだけでオッケー!」って肯定してほしいのに、創作の世界ですらそんなに甘くないんです。どういうロジックで自分の生を肯定すればいいものか。肯定できなくなってしまうと、急に「逃げてきたから当然」論が現れます。

 しかし、よくよく考えれば、いま立派そうに見える人でも人類史的にはモブにも満たない存在です。地球史的に考えれば地表に居る数多の微生物のうちのひとり、といったところです。なんだ、こういうちんけな考えからアプローチしても、やっぱり命は平等なんじゃないか。

 生きてるってこと以上の奇跡はないんです。生きていること自体が成功ですから、食って寝て一生何もせずに終わっちゃってもいいんです。

 そんな考えだといつかは行き詰るだろう、と偉い人はおっしゃるかもしれませんが、「人生死にたくなることばかりなので、困難なことはスライド(先送り)して、リボルビング方式で少しずつ(借りを)返済しながら、生きれるところまで生きていきます」と言って、あきれさせようと思います。

 ふらっと死にたくなるかもしれない人というのは、金が無い時ほど焼き肉を食うとか、そういうことで闇を祓いながら日々命を繋いでいくことが大切なのです。

クズだと思いましたか?
今を生きてるんですよ。

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