見出し画像

ラグビーに多いケガの話③

こんにちは。

前回前々回と、

ラグビーで生じるケガの頻度や、

ケガが生じる部位、

ケガの種類などの話をしてきました。

今回は、どんな場面でケガが多く生じるのか、

ということについてお話したいと思います。

ラグビーで生じるケガは、

部位別でみると、

足関節、膝関節、大腿部、下腿部、肩関節、頚

に多く、

ケガの種類でいうと、

筋肉系、靭帯系が多い、

というお話でした。

前回までの記事の補足として、

これらのケガで、

最も重症度が高い、つまり、

休まなければならない期間が長いのは、

FW:前十字靱帯損傷・膝関節の軟骨損傷・肩関節脱臼

BK:ハムストリングス筋損傷・肩関節脱臼・膝内側側副靱帯損傷

の順となっていました(前回記事の2005年Brooks引用)。

重症度の高いケガというのは、

すなわちチームの戦力喪失に繋がりますので、

膝のケガや、肩関節脱臼は、

予防に力を入れるべきケガだ、

ということですね。

予防するためには、

まずどのような場面でそのケガが起きるのかを知らねばなりません。

前回ご紹介したBrooksの論文では、

ケガをした場面も調査されています。

それによると、

ケガの72%は選手同士の衝突(Contact)によって生じています。

中でも、タックルして、とかタックルされて、

という受傷機転が多いことが記されています。

FWではラックやモールといった密集でのケガががBKより多く、

BKではタックルされて生じるケガがFWより多い。

プレーの種類ごとに多いケガは、

FW特有のプレーでいうと、

スクラムで多いのが、ふくらはぎの肉離れ。

ラインアウトでは、足関節の捻挫が多く生じています。

タックルされて多いのは、

FW、BK共に大腿部の筋挫傷(ももかん、ってやつです)

タックルして、という場面では

FWで頚部の神経障害(おそらくバーナー症候群というやつです)

BKで脳震盪。

ラック、モール周辺では、

FW、BK共に下腿周辺の挫傷などが生じているようです。

BKでは、スプリントしているときの

ハムストリングスの肉離れが多いのも特徴です。

これらは全て、頻度の高いケガの発生場面です。

では、重症度の高い

膝のケガ(前十字靱帯損傷や内側側副靱帯損傷)や、

肩関節の脱臼はどうでしょうか。

前十字靱帯損傷、膝内側側靱帯損傷は、

タックルされて、という受傷機転が多く、

肩関節の脱臼は、

タックルして、という受傷機転が多いと報告されています。

つまり、タックルに入る、入られる、

というところで重症度の高いケガが多く生じるので、

やはり、タックルスキルを見直していくこと、

適切なタックルを指導していくこと、

が大きなケガを防いでいく上で

大変重要なファクターであると言えそうですね。

次回は、「適切なタックル」とは

どんなもんぞや、ということについて

まとめてみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

追伸。

ラグビーやアメリカンフットボールに特化した、

コンタクトアスリートを指導する人向けのセミナー

やります。。

3月21日(土)・22日(日)

東京都内を予定しています。

コンタクトアスリートに多く生じるケガや、

その対処方法。

パフォーマンス向上につながる身体の使い方など、

お伝えできればと思います。

トレーナー、理学療法士、柔道整復師、コーチなど。

指導者を含めて受講してほしい内容になってます。

詳細はこちら

お申し込みはこちらから。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?