ざっくり法律解説第03回 なんで脱税しちゃいけないの?なんで税金なんてあるの?

税法は正直専門外なのですが、法的な考え方をすればこうなるよっていう解説をざっくり解説したいと思います。
専門的に言えば主に憲法のダブルスタンダード、経済的自由のお話に絡みます。

現在日本では、稼ぎが少ない人は所得税の税率が低く、とても稼いでいる人はたくさんの所得税を取られます。
なんでなんでしょう?
以前宇多田ヒカルさんも「億単位で稼いでいたけど、半分税金に持っていかれた」と嘆いていました。
今回、青汁王子といわれる方が脱税で逮捕されましたね
その方が「なぜこんなに税金を払わなくてはならないのかわからない」と公言されていたそうです。
(現在。4000万以上の年収の方は所得税が45%とニュースで報道がありました。ということは、4000万稼いだ方は、1800万所得税として取られる計算になります)

資本主義社会というのは、そもそも「頑張って稼いだ人にはその分のお金が入る。だから頑張れ」というシステムです
だから、頑張って頑張って億単位で稼いだ人が「なんで半分も税金でもっていかれるんだ」と嘆くのはまぁ、人間心理としては理解できます
それだけ頑張ったのですから。

ではなぜ、稼ぎが少ない人、いっちゃえばニートでもちゃらんぽらんな人でもなんでもいいのですが、そういう人は税金が少なくて、頑張って頑張って稼いだ人はいっぱい税金を取られるのか?

それは、資本主義社会の矛盾を少しでも解消するためなんです
資本主義社会では「頑張った人は贅沢していいよ」っていう社会です
でも、みんなスタート地点が同じではありませんよね?
シングルマザー家庭で兄弟が多く、とても学校に行けなくて中卒で土方やっていらっしゃる方
なんらかの経済的理由で、働かざるを得なくなり、稼ぎが悪いとわかっていてもそこで働かなくちゃいけないという方
親御さんが病気で、本当に貧困にあえいでいる方など
そういう人も、大きい声をあげてはいませんが、必ずいます
資本主義というのは、「頑張って稼いだ人にはお金を儲けることができるけど、働かない人にはお金いかないよ」という風に、貧富の差が激しくなることを認めている社会、でもあるのです
実際、最近日本でも格差社会が叫ばれるようになってきました

そして日本の憲法では、格差社会が問題化するずっとずっと前から、それを予知していました
資本主義はいいことです。頑張れば報われる社会。素晴らしいじゃないですか。
でも、あらゆる理由で「頑張りたいけど頑張れない人」「病気だから頑張りたいけどできない人」などが、どうしてもいらっしゃいます
そしたら国も、何か、誰かを助けよう、何かの新制度を作って実施しようってなりますよね。「頑張る」ためのスタート地点を、できるだけ平等にしてあげようと。
でも何かをしようとしたら、国だって必ずお金が必要になります。
国の命令だからタダで道路作れって建設会社に言うことはできませんよね?
としたら、どうしたらいいかな?と考えた末に、憲法では「経済的自由はある程度、制限してもいい」という風に考えました
要するに「たくさんお金を稼いでいる人には、申し訳ないけど、そういう困っている人達のため、国の福祉政策などを実行するためのお金を多めに負担してほしい」ということなんですね
警察だってタダで皆さん働いている訳じゃありません。消防もそう
でもそういう方達が働いているからこそ、自分の命や、お金や、お家が守られ、安全に暮らせるようになっています

個々の警察官のお給料、消防車設備の購入などなど、払うのは国です。国の収入は税金です。
別に税金は、ただ国がむやみに国民から搾取しているのではなく、そうやって色々な政策を実行するために必要なお金を集めているだけなのです
警察がなくなったらどうします?もう泥棒、恐喝、殺人し放題ですよ。誰も助けてくれません。消防がいなかったら火災が起きても、自分の家が燃えても、自分たちで何とかしてネ、ということになっちゃいます
そんな世の中でいいですか?

よくないですよね

机上の空論ではありますが、税金はそのために徴収されます
固定資産税とかわかりやすいですよね。その家や不動産を国が保障し、守ってあげるから、税金下さいねってコトですよ
国政がしっかりしてない国などでは、所有権すらあってないようなものなんです。いつでも泥棒がやってきたり、コワモテの人がきて「今日からここは俺のもんだ」とか言って追い出されたりしてもおかしくない訳です
それを守っているのは警察、ひいては国、というわけです

少し税と話がそれたので戻しますね

そういうわけで、みんななんとなく「税金とられて損した気分」にはなります。
消費税も8%にもなって、高い買い物をすると税金が高くてウンザリします
正直私もします
でも、少しだけ想像力を膨らませて、「なぜこういう制度があるのだろう」と考えてみて下さい
以前お話した通り、「法律には必ず成立した目的がある」のです
何かを守るために、法律があります。
法律の文章だけを見ていると、わからないかもしれない
でも、少しだけ考えてみたり、本を読んだりしてみてください
「他人のためにお金払うのヤだなぁ~」「ウチだって生活苦しいのよ」って思うかもしれません
でも、助け合ってこの社会は成り立っていく
そういう社会にしたいという理想のもと、税金がある
、と思ってもらえれば少しは気持ちが楽になるんじゃないかなって思います

なので、堂々と「なんで税金払わなきゃいけないかわからない」と公言されている上記某氏は、言わせてもらえれば学が足りない成金、と私は思いました

ただし、税金のとり方、というのは各国色々あります
所得税で大きくとる方法、法人税で大きくとる方法を日本は選んでしまっているので、大企業や富豪の方が流出してしまっているという事実は確かにあると思います
タバコやお酒はほとんどが税金ですので、タバコやお酒をたくさん買っている人は、体に害を及ぼしてはいるものの、たくさん社会のためにお金を出している人とも言えます
消費税という方法でとる。そうすると国民から大反発をくらいます。だからある国では生活用品だけは消費税がかからない、ぜいたく品にだけ消費税10%など、税金の取り方は様々にあります
もし、何か税金に関して不満があるなら、それはたぶん国の税の取り方がへたくそなのだと思います
もっとみんなが納得して払えるよう、国も説明すべきだし、国民もそれに耳を傾けてあげてほしいなと思います
そして、もっとこういう方法がある、そのやり方には反対だ、と思ったら声をあげましょう。

ネットで国会議員さんにメールするだけでもいいですし、反対運動をしている人たちの署名活動に協力するのもいいし、そういう小さな運動だって、確かな一歩です
国のあり方を決めるのは、一番権力を持っている主権者である国民です

ちなみにこんなこと書いてますが、私は消費税一律10%には大反対です。取り方が下手すぎる
100円のパン買って食べるのにも10円の税がつくとかちょっと意味がわからないです。国民が安心して衣食住できなかったらどんどん不景気になるだけ。国民の生活は守ってくれ!と思います(あくまで個人的な考えです)
こういうことをネットで発信するだけでも何かが少しでも変わるかもしれませんよ?

もし心に響いたならば……投げ銭のひとつやふたつやみっつやよっつ!!よろしくお願い致す!(笑)