見出し画像

【イベントレポート】Retty Beer Bash#2〜スクラム開発におけるあれこれを語る会〜

こんにちは、Retty人事の小花です。
2021/07/27に開催したオンラインイベント「Retty Beer Bash#2」。ご参加いただけなかった皆さんにもイベントの様子をレポートでお見せします!

イベントの目的

もともとRettyでは「イイゴハンの会」という、“飲んで食べてゆるくお話ししましょう”というイベントをオフィスで定期開催しておりました。このイベントをきっかけに様々な方と交流させていただき、採用や仕事など多方面に繋がっていました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、飲食を伴うリアルイベントは開催が難しくなりここ1年以上社外の方との交流機会が少なくなっていました。
そこでオンラインでも、イイゴハンの会のようなゆるさを残しながら皆さまと交流したい、お時間をいただくのであれば役立つ情報発信もできればということで、登壇者も参加者も飲みながら参加OKな、テーマトークイベントRetty Beer Bashを企画しました。テーマを変えて1ヶ月〜2ヶ月に1度のペースで開催していく予定です。


第二回目のテーマは、スクラム開発におけるあれこれを語る会ということで、Rettyからはエンジニア、PMが参加しました。

第一回目の様子はこちら「〜Rettyグロースの成功・失敗事例 大公開〜」

イントロダクション:Rettyについて​

「あなたにBESTなお店が見つかる」というコンセプトで2011年にサービスローンチして以来、右肩上がりで成長してきたRettyは2019年には4,800万UUを突破。マイクロサービス化への移行をスタートさせると共にスクラムでの開発体制を取り入れ組織としても非常にワークするようになりました。今回はスクラム開発においてのあれこれをラフにお話させていただきました。

画像1

画像2

Retty参加者紹介

モデレーター🎤

常松さん_page-0001

野口さん_page-0001

パネラー📣

ゆりちゃん_page-0001

池田さん_page-0001

森脇くん_page-0001

1:Rettyのスクラムでの開発サイクルについて

画像8

1週間のスプリントで回し、スプリントの始まり/切れ目は木曜日に設定しています。複数チームで開発をしているので毎週の振り返り・共有会や、VPoPの野口を入れてバックログの優先順位をすり合わせする場を設けています。

Rettyの導入経緯についてはこちらをご覧ください。

2:個別のスクラムチームでのあれこれ

それではさっそくスクラムのあれこれを語っていきます。事前に9つの質問を用意しました。皆さんが聞きたい話をチャットに投稿してもらい票が多いものから話をしていきます。(もちろん9つ以外の質問も随時受け付け!)

画像9

2(1):スクラムを意識してよくなったことは?

常松:野口さんがマネージャーとしてスクラムを導入する意思決定をしてくれたので、気づいた点を教えてください。

野口:そうですね。全員が「何に集中すべきなのか」明確になったと思います。今まではプロジェクトマネジメントのような動き方で、全てのタスクにおいて優先順位が高い状態で、何が一番大事なのか、タスクA/タスクBどちらを優先すべきなのかが曖昧でした。スクラム導入後は、バックログでタスクの管理をし、タスクの優先順位を全員で合意し、全員が共通認識をもって進められるようになりました。

「やらないこと」を明確にできたことも良かったですね。

常松:野口さんがスクラム導入をしたのが2019年4月で、森脇くんが入社したのも同時期ですが、導入初期からスクラムとして機能するところを開発メンバーとして携わってきた中で、良くなってきたな。変わってきたな。と感じた節目はありますか?

森脇:分割されたタスクを個人でこなしていく体制からチームで機能していくように変わったのは感じましたね。1つのタスクを全員でやっていくといった変わり目はありました。期間としては、スクラム導入して3ヶ月以上たったときぐらいに感じました。

野口:うんうん。元々は1人のエンジニアに1つのユーザーストーリーがアサインされて、その1人が個人として頑張る状態から、1つのユーザーストーリーをみんなで分解して、みんなでやろう。という、チームで開発しているんだなというのがPOから見ても感じましたね。お互いが助け合っているのも見えてチームで楽しくワイワイ開発しているなと見えますね。

常松:池田さんは中途でジョインしてくれてRettyのスクラム開発体制ってどう感じました?

池田:そうですね、正直はじめは前職とあんまり変わらないなと思いました(笑)個人でタスクをこなすのではなく、優先順位の高いものからチームでやっていけばいいのかと感じるまでに半年ぐらいはかかりましたね。

鈴木:私は結構前からRettyにいて色々と黒歴史を見ているので(笑)、スクラムで良くなったと感じることは多かったです。チームで開発することでチームメンバー同士も興味を持つようになるので、メンバーの個性を理解し合うようになったと思います。チーム全体のパフォーマンスもどんどん上がっていると感じる機会が多くなりました。

常松:それぞれ感じるタイミングは違うけど、チームで開発するというのが腹落ちするとスクラムっていいなぁ。と感じるのかな。やり方になれて自分の中でアハ体験があるまでに時間はかかった印象ですね。

池田:そうですね。スクラムが時間がかかるというよりは、自分たちがスクラムを理解して、自分たちなりのやり方をみつけるのに時間がかかった印象です。スクラムというフレームワークを使いこなせるようになるまでの時間かな。

常松:なるほど。前に、最近のWebチームの雰囲気いいですよね。と小花さんに言われたことがあったけど外からみてチームの雰囲気が変わったと感じたのはどのくらいですか?

小花:2019年の秋ぐらいに感じました。(スクラムを導入して半年程度)チームでのコミュニケーション量が増えたり、朝会で全員が意見を発言したりしているのをみて感じました。

常松:朝会の文化は根付きましたね。以前は朝会に参加しないメンバーもいましたけど、今は朝会に誰かいないってことは聞かないです。スクラムを意識してよかった点は、チームで開発していると全員が認識できる状態コミュニケーション量が増えてチームの雰囲気がよくなったことですね。

2(2):スクラムマスターをなぜ引き受けようと思ったか?

森脇:スクラムマスターが必要なんだ。面白そうだな。というシンプルな理由です。新卒3ヶ月で(2019年7月〜)スクラムマスターをやりました。よくOKだしたな。とは思いました(笑)

一同:すごいよね!そのスピード感。

常松:スクラムマスターはロールです。という話を聞いたことがあって、ロールであれば開発者でなくても、ベテランでなくてもいいんだ。と思い新卒の森脇くんにやってみないかと相談しましたね。森脇くんがスクラムマスターを引き受けてくれてから、引き受けてくれるメンバーが社内でも増えた気がします。「社内でスクラムマスターを引き受けてくれる人がいなんですよ。」という話はRettyでは聞いたことがありません。

野口:そう!森脇くんがスクラムマスター引き受けてくれる前は「スクラムマスター見つからないんですよ」という話を常松さんとしていましたよね。

常松:今では、スクラムマスターを経験したことがあるメンバーは約10人くらいはいます。結構たくさんのメンバーが引き受けてくれていますね。

ゆりちゃんは、なぜスクラムマスターを引き受けてくれましたか?

鈴木:役割が変わったらまた新しい挑戦ができるかな。という理由であまり深くは考えなかったですね。(笑)スクラムマスター未経験でやっているメンバーがほとんどでしたし、引き受けることへの障壁はありませんでした。

野口:元々、スクラムマスターの動き方のイメージはありました?

鈴木:正直スクラムマスターのことをよく分かっていませんでした。
引き受けてから前・現スクラムマスターに色々質問しましたね。「何を勉強したか」「どういう動き方をすればよいか」を聞きました。

常松:Rettyは引き受けてからスクラムマスターの勉強する人多いよね。何から勉強したらいいですか?と聞かれる事が多いので、SCRUM BOOT CAMP THE BOOKをおすすめしてそこから入るメンバーがほとんどです。

スクラムマスターの目標を「スクラムマスターとして、スクラムのプロセスを遵守して回せること」に設定しており、ハードルを低めにしていたことも挑戦しやすい1つの理由かもしれません。

2(3):参加者からの質問

「スクラムが回っている状態は何を持って判断するか?」

常松:楽しく仕事をしていればそれだけでいいと思っています。このチームで仕事をするのが楽しくない。というのはスクラム以前の問題かもしれませんがうまく回っていないということです。

鈴木:私は振り返りでのメンバーの発言の量や内容をみています。「Keep/Want」の内容がうまくワークしているときと、そうではないときでは結構異なります。

「スクラムをなぜ導入しようと思ったのか?」

野口:早く開発をしたいという気持ちがあり、なんとなくスクラム開発がいいのかな?Rettyのチームでも取り入れているチームがあったので真似してみようと思ったのが理由です。

ただそのときはスクラムへの理解が浅く、「属人化してしまう。」「スクラムマスターがステークホルダーっぽくなってしまう。」のようなよくあるスクラムの失敗を経験しました。そのときに常松が中途でジョインしてくれてスクラム開発のノウハウを教えてもらいながら改善してきました。

「スウォーミングを促すコツがあれば教えてください。」

森脇:自分が困っているから他の人を頼る、その上でスウォーミングがベストプラクティスなのでそれを取り入れています。Rettyではよく見かける光景ですよね。

鈴木:元々やっているメンバーもいたけれど、リモート(2020年春時期)になってから加速したと思います。

池田:優先順位の高いタスクをチーム全員で対応していくので、必然的に難易度の高いタスクや困っているメンバーがいたら、チームのタスクだからみんなで一緒にやろう!いう動きが自然にできていますね。

意識的にはチームのタスクだから全員でやる。というのがあって、その1つの手段としてモブプロを取り入れていますが、モブプロをもっと広げたいというHowの部分であればイベントのようなかたちでモブプロdayを設けて意識的に機会を多くしていくのはおすすめです。

鈴木:そうですね。あと、モブプロの目的や必要性をチーム全体で共通理解できているのも文化として根付いた1つの理由だと思います。

3:大規模スクラム(LeSS)について

全体として1つのスクラムで回します。その中でどうしてもスケールできないところだけを工夫して分散して処理して後で同期するという仕組みで回します。

画像10

4:大規模スクラム(LeSS)についてあれこれ

画像11

4(1):関わる範囲が広くて大変なのでは?

池田:大変は大変です。やっぱり個人で開発しているほうが楽ではあります。ただそれって単に楽ってだけで、プロダクトをよくしていくためには全員で同じものをみていくということが重要だと思います。

鈴木:確かに大変ではありますがプロダクトの成長を感じられるので楽しさが大きいです。子供の成長を見ているような気持ちです。

森脇:色んなものを触ったり、見たりしたほうが飽きないので楽しいですね。

常松:大変だけど満足感や成長しているのを感じてもらいやすい環境だと思います。

4(2):スプリントレビューはどうやっているの?

野口:全チーム集まってやります。毎週木曜日固定の時間にZoom上で行っています。各チームの代表者からゴールに対してリリースしたものをデモで発表してもらいます。それに対して各自がアドバイスや意見を発言していきます。Zoomなので色んなポジションの人が参加します。開発だけではなくCSや営業事務やバックオフィスも参加しています。

PM側からはリリース2-3週間後のものに対してユーザーさんからの声や、分析チームが出してくれた数値実績を元に共有をしています。

常松:最初は殺伐とした雰囲気でしたよね?(笑)

野口:そうですね。今までは各チームがそれぞれ開発してチーム単位でリリースして。とチーム毎で動いていたので、他のチームの動きに対してフィードバックするという文化がありませんでした。今は、1つのプロダクトに関することを全チーム・全員で話し合い、それに対して意見をだしてというかたちで動いているので他のチームであっても知っていることがほとんどです。

4(3):フィーチャーチームどう思う?

常松:職能横断チームをフィーチャーチームと呼びます。Rettyでは5つのチームがフィーチャーチームで区切られています。toC向けのWebチームが3つ、toBのWebチームが1つ、ネイティブアプリチームが1つ。

森脇:私は入社して既にフィーチャーチームの組織だったので、フィーチャーチームでないときを知らないですが、チームごとの対立が起きそうだなと感じました。

野口:Rettyは完全な職能チームだったことはありません。フィーチャーチームではあったけど、鎖国している状態でしたね。それぞれのチームでチームごとのロードマップがあったのが理由だと思います。鎖国フィーチャーチームから正しいフィーチャーチームになりましたね。

常松:toC向けのWebチームは一度全員を集めて、改めてチームを区切り移行のきっかけを作りました。そこから1つづつチームを増やしていきましたね。toC向けのWebチームが楽しそうに仕事をしているのを他のチームが見て、良さそうだからうちのチームも移行していこうとメンバー同士が気付けたことが正しいフィーチャーチームに変化していくきっかけだと思います。

4(4):今後の課題は?

池田:プロダクト改善・成長のために、モブプロ等のベストプラクティスをさらに社内全体まで浸透させていきたいです。チームが変わったこともあるので今までのチームでの良いやり方をどんどん広げていきたいですね。

森脇:私は、まだHowをチーム内で持てていないので作っていきたいです。また開発チームからPOへフィードバックしていく機会も少ないので増やしていきたいです。

野口:プロダクトマネジメントのほうで言えば、チームの開発力や変化に対応する力はここ数年で確実に上がりました。その上で更にバックログを質の高いものにしていき、アウトカムに繋げていく必要があります。事前検証等からユーザーストーリーや仮設をより精度の高いものにしてプロダクトを成長させていきたいですね。

最後に

イベントレポートは以上になります。イベント後も数名の方が残ってくださり、たくさんの質問をいただきました!第二回も盛り上がりRettyメンバーも楽しませていただきました。イベントを通じて知り合えた参加者の方と後日情報交換の場を持たせていただくなど、良いご縁も生まれ非常に嬉しいです。

次回、第3回目は8月31日(火)Retty Beer Bash#3 良質な意思決定を行うためのPdM×データ分析体制のテーマでイベントを開催します🎉🎉

みなさまぜひご参加ください!