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第1回 失敗は、こわいです。

失敗するのって、こわいです。
「失敗を恐れるな」とは言われますが、
どうしたって、こわいものはこわい。
こわいがゆえに、おそれたり、
挑戦しなくなったり、踏み出せなかったり。
しかし、どうあがいても、
ぼくたちの人生に失敗はつきものです。
だとすると、失敗を恐れない方法よりも、
失敗との付き合い方を考える方が、
じつはだいじだったりするのかも?
そう思った白川が話してみようと思ったのは
失敗のイラストを描いて、全国各地で
「失敗展」を開催されている、遠藤さん。
ふたりによる、失敗について話す「失敗談」、
めいっぱい笑いながら、お送りします。
(取材協力:尼崎にある純喫茶 蜜さん)

第1回:失敗は、こわいです。
第2回:ひとりと、みんな。
第3回:失敗を消化する。
第4回:環境としての「失敗展」。
第5回:同じ失敗でも、感情がちがう。
第6回:こわさは、こわさのままでいい。


遠藤 百笑(えんどう ももえ)
福島出身、山形仕込み、兵庫県尼崎市在住のコミュニティデザイナー。2019年春からNPO法人Co.to.hanaに所属。東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科卒業。既存の価値を見出し、デザインとアートを用いて再定義、再構築する活動を行なっています。楽しく、わくわくするようなきっかけを作ります。誰かと食卓を囲むこと、絵を描くこと、旅に出ることが好き。失敗を共有して肯定する場「失敗展」主催。全国を巡回しながら失敗について研究し失敗を絵に描き起こしています。絶賛挑戦(失敗)中。


※この特集は、2019年12月に取材、2020年1月に公開したものです。
サイトが閉鎖したため、取材者のnoteへと移行しました。そのため少々の読みにくさはありますが、中身は変わっていないのでぜひお楽しみください。

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白川:
遠藤さん、はじめまして。
今日はよろしくお願いします。


遠藤:
こちらこそ、よろしくお願いします。
なんだか、初めてには思えません(笑)

白川:
さっそくいろいろとお話ししたいんですけど、
じつはその前に...
今日は、イブなので、プレゼントを持ってきました。


遠藤:
ええ〜!

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白川:
身分は明かしてませんが
じつはサンタクロースなので。

中身は、ぼくの好きなお箸です(笑)


遠藤:
お箸!


白川:
なんだか、食べることが好きそうだなあと思って。
ぼくの一番好きなお店がそのお箸を使ってて、
とっても細いんですよ。


遠藤:
ほんとだ!細い!


白川:
たぶん、ふつうのお箸の半分くらいの細さで。
ちびちび、おいしく食べれます。


遠藤:
ありがとうございます!
いっぱいご飯食べなきゃ。


白川:
これで、ぼくの今日の仕事は終わり(笑)
あとは、楽しくおしゃべりしましょう。


遠藤:
よろしくお願いします(笑)


白川:
遠藤さんの「失敗展」は、
いつ頃からやられているんですか?


遠藤:
去年の10月に、最初の失敗展をやりました。
山形で、大学の卒業制作でつくったんです。


白川:
卒業制作だったんだ!


遠藤:
それが思いの外、反響があって。
Facebookページを立ち上げたら、
興味ありが1000を超えちゃったりして(笑)
当日は、東京からも来てくれたり。
「山形に東京から人が来る!」ってびっくりしてました。


白川:
地方あるあるですね(笑)


遠藤:
それを見てくれた方々が、
「ぜひうちでもやってよ!」と
声をかけてくれたんです。
なんだかんだ、在学中に10回くらい
「失敗展」をやりました。


白川:
山形以外でも?


遠藤:
仙台、新潟、福島、東京、尼崎...
この前も、静岡で「失敗展」の
お話をしに行ったり。


白川:
展示だけじゃないんだ。


遠藤:
展示がメインなんですけど、
トークだけとか、場づくりだけとか。
そんなのも合わせると、先日に福井県で
開催したのが15回目になります。

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白川:
1年と少しで、15回も。


遠藤:
学生時代はまだ時間があったので。


白川:
遠藤さんの「失敗展」は、
Twitterで初めて見たときに、
一発でおもしろかったんです。
イラストのタッチも、展示の場づくりも、
失敗のセンスも、アイデアも。
気持ちいいくらい、撃ち抜かれました。

その中でも、どうやって思いついたというか、
ひらめいたんだろう、は気になります。


遠藤:
そうですね...

「自分が課題だと思うことをテーマにして、
 解決するプロジェクトを考えてアクションする」
というテーマが、大学の卒業制作にはあったんですね。


白川:
はい。


遠藤:
そこで、課題を考えていたんですけど...
当時の私は、そもそも「何かをやる」のが
こわいなと思っていて。


白川:
ああ。


遠藤:
私はそもそも引っ込み思案というか、
やりたいことはいっぱいあるんですけど、
自分がそれを「やる」って一歩踏み出すのは、
すごい苦手で勇気が要ることでした。

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白川:
うん。


遠藤:
大学の授業内で、地域で活動していたときも
どれだけ成果が見込めて、リスクをなくしてから
アクションすることを求められて。
それでやりたいことがどんどん消えていくのが
もったいないなあと思ったんです。

そこで、どうしたら「一歩踏み出すハードル」を
もっと楽しく、気楽にできるんだろう?
ってずっと考えてたんです。

で、行き着いたのが
「失敗がこわい」だったんですよ。


白川:
うわー。
それはほんとうのこと、ですね。


遠藤:
私、とっても失敗がこわいなと気付いて。
それでたくさん躊躇もしてきたんです。

失敗しないようにできたらいいんですけど、
私は、それはむりだなあと思って。
必然と言っていいくらい、しちゃうから(笑)


白川:
ぼくも絶対と言っていいほど、失敗します。


遠藤:
じゃあ、失敗を防ぐんじゃなくて、
失敗そのものを肯定したり、
失敗した後で自分をゆるせたり、
周りがゆるし合えたりとか。
そっちのほうがいいかも?と思って。


白川:
成功の素にもならないですしね。


遠藤:
ほんとそうです。
だから、失敗を肯定したり、
いろんな価値観や失敗の考え方を
承認していく場をつくろうと思って。

私は絵を描くのが好きだったので、
失敗を絵にしたらおもしろいんじゃない?
って思いつきで、失敗の絵を描いてみたんです。
それが、想像していたよりおもしろかった。


白川:
好きなことと、思っていたことが
リンクした瞬間だったんですね。


遠藤:
そこで最初、失敗に関するアンケートを
つくったんですね。
そのアンケートで集まった失敗を
イラストに興していって、
最初の「失敗展」ができました。


白川:えええ、もう、おもしろい!



(失敗展の最初は、遠藤さん自身の「こわさ」から。
 失敗談は、つづきます。)

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