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子どもは「考えてるから待って」と言えない。

*土曜日はみのおキューズモールさんにて、絵本づくりのワークショップでした。こちらも有難いことにご予約で満席となり、たくさんの子どもたちと一緒に絵本の1ページを作りました。ユニクロさんの前で人通りも多いから大丈夫かなぁと思ったけど、杞憂でしたね。スーッと集中して描き始めるまで早かった。おとなの僕の方がキョロキョロしてしまったくらい。

ワークショップでは相方と色んなことを話して大事にしたいことを決めていますが、基本的に2つのことを大事にしています。それは「保護者さんは入れない」ことと「じゃまをしない」ことです。

保護者さんには開催する場所まで来てもらいますが、それからは子どもたちだけで進めます。保護者さんには終了時間の少し前にお迎えに来てくださいねとお願いして、自由に時間を過ごしてもらう。もちろん、子どもが「近くにいて欲しい」とお願いするケースもあるので、その場合は少し離れたところで見守ってもらいます。ただ「保護者と一緒に作る」ということはやりません。

そして「じゃまをしない」というのは、一つ目もそうなんですが、ぼくたち自身が子どものじゃまをしないことです。ワークショップと名打ってますが、最初の説明や読み聞かせ以外は基本的に話しかけません。話しかけたとしても「それ、なに?」と気になることを聞いてみたり、少し立ち止まった時に「こんな画材も使っていいよ」と紹介するくらいです。そのふたつも、できるだけやらないようにしています。

来てくれる子どもはたいてい「絵を描くのが好き」な人ですから、勝手に進めるんですね。描き始めるまでのスタートの差は人それぞれありますが、それは大人も同じです。それを人より遅れてるからとか、間に合わないからといった大人の都合でじゃまをしない。手が進まないように見えても、よくよく観察するとみーんなどうしようか考えてるんです。その時間を僕たちや保護者が話しかけてしまうことによって、じゃまをしないようにする。子どもだって、好きなことなら自ずから集中できて、その時間や深度は人それぞれですから。大人と違うのは、子どもは「いま考えてるから待って!」というのがなかなか言えません。

筆やクレヨン・クレパス、鉛筆や綿などいろーんな画材や道具を用意していますが、基本的に使い方も教えません。「こうすればこんな描き方ができるよ」というのも、ぐっとこらえて教えません。それは自分で見つけたときの方が嬉しい「発見」だからです。そして、僕たちじゃ思いつけない独特な使い方を見つけるじゃまをしないようにでもあります。

使える道具がたくさんあって、好きなものを好きなだけ、誰にもじゃまされずに取り組める、そんな場所を目指している。上手い下手は二の次どころか、どうでもいいと思っています。好きなことに好きなだけ没頭できる。そうしてできた作品の方が、ぼくが好きだから、というのもあります。ただ、意外にもそういう場所って少ないんだよなぁ。「子供の頃、そんな場所があればよかったよね」と相方と話して意識している場づくりです。

我ながら、このワークショップは面白いなと思っていますし、自信があります。何よりぼくたち自身が子どもたちからたくさん影響をもらっていますから。ワークショップの満足度って、大人の評価なので難しいんですけど、参加してくれた子どもたちが「楽しさ」さえも忘れるような時間になればいいなぁ。年内はもう終わりましたが、来年からも続けていきたい。そして子どもと対等に見られていきたいなというのが、今のところの目標だな。


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