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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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#文章

買い物ってのは迷う時間も含めて。

*今日は朝から、絵本の取材でござんした。今回の絵本『やさしいて』は「手」に関するものがたりなんだけど、せっかくだし「手」に関する周りの好きな知り合いと、一緒になんかやったらおもしろそうだなぁ、なんてことを思いつき、むり言って関わってもらってるんですね。簡単に言えば、ぼくの好きな友人の、ぼくの好きな商品がたまたま手に関するものだから、一緒に売ってくれませんか?という感じ。ぼくとしては、売り場をもっと

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生を撮る

*10月から発売する絵本『やさしいて』のイメージ写真を撮りたいんです、と、仲良くしてもらっているご夫婦にお願いして、そのお子さんにモデルになってもらった。ちょうど、撮影が昨日でね。まだ3歳だし、緊張するかもしれないからお家で撮影をさせてもらうことになった。場所どうこうよりも、ぼくがその子に憶えてもらっているかどうか、憶えていてもらってたとしても、ぼくは熊みたいに大きいし、髭もあるしロン毛だし、怖が

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つくるは観賞力を高める

*仕事で謎解きゲームを制作することになって、ここ最近あれやこれやと謎解きのことを考えている。謎について考えているんじゃなく、謎を解く方法についてあれこれ思案しているのだ。謎解きをつくるのって、やってみて分かったけどめちゃくちゃむづかしい。絶妙な難易度設定、謎同士が連動する仕組み、それに何より解くことにワクワクするような謎をつくんなきゃなんない。や、当たり前っちゃ当たり前なんだけどさ。

ぼくはボー

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まずは、じぶんであります。

*まずは、じぶんであります。
と、書き出してみたのだった。なんでもかんでも、まずはじぶんであります。と思ったのは、「じぶんをよろこばせることが上手な人は、誰かをよろこばせることが上手だよなぁ」と気付いたからであまりす。

落ち込んだ時、どうしようもない時、イライラしてしまった時、なんだかうだつが上がらない時。そんな時々のじぶんをどうにかこうにかよろこばせて、気分を上げようとしている人はきっと、誰か

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1回目の接種をやっとこさ。

*遅ればせながら、やーっとこさワクチン1回目を接種してきました。ぼくは今、神戸に住んでいるのでノエビアスタジアムという場所が大規模の接種会場になっているんですが、これが思ったよりもスムーズでね。平日の昼間ってのもあったんだろうけど、なんと会場についてワクチンを打つまでにかかった時間は、たったの5分ですよ。15分の経過観察があるから、所要時間はわずか20分。え?もう終わり?って感じで拍子抜けするくら

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両思いは、片思いからはじまる。

*恋愛という行為のなかで、「両思い」という状態があるね。自分が相手のことを好きで、相手も自分のことを好きでいてくれている、つまり双方ともに好きが成り立っている状態のことを言うのだろう。この両思いってやつはだよ、ぼくは結果であり育てるものであると思っていて、最初から「両思いでした!」なんてことは、ほとんどないと思うんだよ。もっと言うと、恋愛がはじまるときというのは、ほとんどがどちらかの片思いからスタ

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眼で指揮をする。

*さいきん、クラシックの「ボレロ」というオーケストラをYoutubeでよく聴いている。指揮者は、ワレリー・ゲルギエフという人のだ。このゲルギエフさんってのがおもしろくって、指揮棒を持たない超一流の指揮者なんだよ。で、このオーケストラの中ではなんと、指揮棒ではなく「つまようじ」を持って指揮をするんだ。

いや、もうね、ぱっと見コントなんだよ。つまようじを持ってものすごく真剣に指揮をするんだから。コン

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穴という穴をすっきりさせろ!

*パソコンのさ、キーボードの溝ってあるでしょ。あそこって、とってもゴミが溜まりやすいし汚れやすいじゃない。ぼくなんかはタバコをぷかぷか吸いながら仕事するもんだから、溝がもうキレーに汚れてるのよ。茶色がかっててさ。これ、どうにか掃除したいなと思ってたんだけど方法が思いつかず、手付かずだったんだよね。手で拭こうとするとキーボードに当たっちゃうし。しかし、リビングに置いてある「めん棒」を見て、ひらめいた

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風はどこに

*おい、ぼうず。
風がどこに向かって吹いているか、考えたことはあるか?

風は、吹いているだろ。
やってくる方向と、向かっていく方向とあるだろ。
その風はいったい、どこに向かって吹いているんだろうな。

「びゅううっ」って厳かに進んでいくときもあれば
「そよそよ」とふわふわ流れていくときもあるよな。
でも、どんな歩みだとしても、風はどこかに向かってるよな。

風は空気がなくなっている場所に向かって

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あわてんぼうのおれっち。

*きのう、夜中にさんぽをしながらふと口ずさんだ歌に、自分で自分に驚いた。まだ9月で、秋の気配を感じるものの、まだ夏は終わっていない。にも関わらず、おれは散歩をしながら「あわてんぼうの〜サンタクロース〜」と口ずさんでいたのだ。これにはもう、びっくりした。まだ夏だし、秋すらやってきていないのに、そりゃサンタクロースさんよ、あわてすぎでしょう。

おれが認知しているところでは、この歌を歌ったのは今年初で

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よろこばれるし、よろこぶこと。

*ぼくはまだまだビジネスには疎い人間なので、会社がどうとか、株式がなんのとか、ビバレッジをアウトソーシングしてパンダをミュージカルさせるみたいなことは、あんまり分からない。そういう場に行くことも呼ばれることもあるけれど、わりあいのほほんとしながら聞いている。利益がどうとか、売り上げがどうとか、計算上での話はできるしするけれど、たぶんあんまり興味がないんだろうなぁ。いや、もちろん大事なことではあるん

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なにかをこめるのが好き。

*ひとは、なにかを「こめる」ことが、けっこう好きなんじゃないか。と、ぼくはコンビニのスイーツコーナーを見て思った。スイーツコーナーを見回してみれば、シュークリームだの、エクレアだの、どら焼きだの、ほっとんどが「外側」に皮だったり生地だったりがあって、その「内側」にカスタードだとかあんこだとか、はたまたいちごだとか、甘いものが入っているんだよね。

もちろん、外側の生地があって内側のものが活きるんだ

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終わりは、始まりの準備だ。

*すこし涼しくなったね。9月に入って、もうあの夏のだらだらとした暑さを忘れかけている。まだ夏だなぁという気持ちと、もうすぐ夏が終わるという気持ちがはんぶんこずつあるみたい。この前、19時に映画を観終わって映画館を出たら、もう暗くってびっくりしたものね。あれ、夏って19時でも明るかったはずなのに、とたしかに夏の終わりを感じていた。

「終わり」というのは、なにかの「始まり」だ。なにかが終わりに近づい

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別れの時間

*きのうは、母方の祖父の家族葬でした。身内の葬式は初めてで、どんな感じで進むのかそわそわしながら臨んだ。(ぼくは韓国人の家系というのもあるため、ちょっと日本と葬式の仕方が違ったりするのかもしれないからである)ま、なんども書いているけれど、とくに悲しみはなくってね。悲しいと思うには、ぼくは祖父のことを知らなすぎた。無口で、やさしそうに笑う人だなぁという印象だったけれど、家族葬のさいごに喪主(母の兄)

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