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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。…
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2021年5月の記事一覧

大仏は運べないのである。

*とかく便利な時代になった。あらゆるものがインターネットで購入できるようになり、早ければ明日には手元に届く。音楽だって手のひらサイズのスマホから流すことができるし、映画館に行かなくたって映画を観れるようになった。ちょっと前まではレンタル屋さんに行く必要があったけれど、いまはその必要すらもない。ネットでちょちょいとやれば、観たいときに観たいものを、聞きたいときに聴きたい音楽を聴けるようになった。

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極上のナンパスポットを教えましょう

*さて、今日は全男女のために、このモテモテエロ男爵が、ちょっとした授業をしてあげよう。わっはっは。我こそ、モテモテエロ男爵である。ん?生まれはどこかだって?北のほうだよ、北のほう。ん?北海道、ですか?なんだそんなところは!知らんぞ!私は北海道なんか、知らんぞ!

どうやら世界では、あらゆるところで「ナンバ」というものが行われているそうじゃないか。道やお店やいろんな場所で相手を見つけては声をかけ、そ

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向き不向きで決めちゃもったいない?

*ぼくは昔、物書きなんて職業は変わっていないといけない、と思い込んでた時期があった。人と違う視点を持ち続けないといけない、しゃべることが上手であってはいけない、話し上手よりは話し下手で、心の中でたくさんのことを思ってそれらを書くことで慰めていくような人じゃないと、一流の物書きにはなれない。じぶんは話すことも苦じゃないし、話してしまうからよくないんだと、声をなくす方法を調べたこともあった。いや、今思

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ある日、賞味期限と消費期限が

*冷蔵庫に入っている牛乳を使おうとして、ふと、手を止めた。この牛乳、賞味期限だいじょうぶかな、と思い表記を探すと、なんのことはない、まだまだ余命は残されている。ほっと一息、冷蔵庫から取り出し牛乳の口を開けようとしたときだった。

このご時世、あらゆる食べ物には「賞味期限」と「消費期限」が記載されている。今までなんとなく、「賞味期限」は「おいしく食べられるまでの期間」であり、「消費期限」は「安全に食

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家はにんげんがつくるもの

*ちいさいころからマンション住まいのぼくは、よく両親に「きちんと挨拶をしなさい」と言われ続けてきた。小学校の頃から野球を続けていたのもあるし、挨拶とか礼儀だとかの「形式」には、口すっぱく言われてきた方だと思う。あえて「形式」と表現したのは、挨拶や礼儀についてはケースバイケースであると考えているからであってね。なんでもかんでも挨拶すればいいってもんじゃないだろうし、都度都度じぶんの頭で考えることが必

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コストのかけ方人次第

*「どうして人は、酒場に通うのだろう」というのは、ぼくがお酒を飲めるようになってからずうっと考えているテーマだ。酒場には、いろんな人が集う。お店によって特色はあるけれど、若い人もおじいちゃんもおばあちゃんも、仕事終わりの人たちも休日を満喫している人も、家族も友達もひとりも集う。「集う」というのが、大事なのだ。もちろん集っていなければそのお店はいずれ潰れてしまうだろうし、一人でゆっくりできる場所って

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想像力と短歌

*さいきんはとくに短歌にはまっていて、なんだかんだ日に一首のペースで短歌を書き上げている。もともと現代短歌は、穂村弘さんや東直子さんなど好きなジャンルではあったけど、まさか自分がここまでハマって書くとは思ってもいなかった。きっかけは、木下龍也さんだ。彼の「天才による凡人のための短歌教室」を読んで以来、自分に合っているかもしれないと思い書くようになったのだ。

以前、「想像力とは、じぶんを移動させる

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刀がなくても武士なんだ

*ぼくは赤穂義士の話が好きなんですが、あの時代っていうのは、じつは戦と縁がなかった時代なんですよね。赤穂義士が吉良の屋敷に討ち入りに行ったのは、元禄十五年。西暦でいうと1700年ごろになります。前の戦が関ヶ原、大坂夏の陣冬の陣になりますから、当時の寿命でいっても、武士の中でも戦の経験があった人の方が少なかったんですね。つまり、侍や武士というのが、形骸化していた時代だと言われているんです。

武士の

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何かを続けることで身についたもの

*きのう風呂に入る前に、さいきん日課にしている「言葉のカバー」をしていたのだった。言葉のカバーといっても、手帳のその日のページに、ぼくが憧れている人の言葉をそっくりそのまま書き写す。改行も開く閉じるもそのままに、青色のペンで書き写す。4月からはじめたこの日課も、気付けば二ヶ月近く続いている。

毎日書いているこの文章も、気付けば三年近く経った。ぼくは「続けることそれ自体」にはそこまで価値はないと思

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人前に立つ仕事と人前に出ない仕事

*だいぶ前かなぁ、たまーに行くバーで飲んでいて、マスターがシェイカーを振るのを見ながらふと思ったんです。彼は、人前に立つ仕事をしているんだよなぁ、と。カウンターひとつ隔てた向こう側でお酒をつくり、お客様に提供し、談笑したり黙ったりしながら時間を過ごしているわけです。で、もちろん裏で発注したり整理したりなんかの仕事はあるでしょうが、基本的には「人前に立つ仕事」といえるでしょう。世の中の仕事は、人前に

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練習されるためにつくられたもの

*美容院で、美容師さんがぼくの髪をちょきちょきしながら、おもしろいことを言っていた。「僕の友達に小さい頃からずっとピアノを習って、海外の音大を出た人がいるんだけど、その人は自分で作曲ができないって言うんだよ。で、これってピアニストの人にけっこう多いんだよね」となにかの話の流れで言われたもんだから「へぇーっ」と驚いた。どうして、ピアノの人は作曲ができないんですか、と聞くと「ピアノはたいてい習うもので

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ぼくにはメガネが足りない

*ぼくは視力が低いので、常日頃からメガネをかけている。じつは度付きのも、伊達もあったりするけれど、その日の気分でコンタクトをつけたりつけなかったりする。しかし、コンタクトレンズというものは本来、メガネをかけなくてよくするためのものだろう。しかしぼくは、コンタクトレンズをしたその上から、伊達眼鏡をかけることが多い。さて、これはどうしてか。

小学校中学年くらいから目が悪かったものの、野球をやっていた

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あっちを立てればこっちにも建つ

*いつも行く喫茶店のトイレが、夏が近づくとびっくりするくらい寒くなるのね。涼しいとかじゃなく、凍えてしまうほど寒い。へたしたら、便器の中の水が凍ってしまうんじゃないか?って心配になるほど寒いのよ。いや、凍っているのは見たことないんですけどね。とくに心配もしてないんですけどね。ま、そう言いたくなっただけです。

で、どうしてこんなにもトイレが寒いのかというと、トイレから壁を隔てて隣にある厨房と空調が

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公園におとなの居場所もある

*公園ってのが、おとなになってからも好きでね。ちょいちょい行ったり、休んだり、腰を下ろしたりする。空き時間に公園に行ったりすることもあるし、喫茶店より公園で話したいなぁと思う友人もいる。公園は、いくつになっても人気というか、変わんない場所だよなぁ。過ごし方は変わったかもしんないけど、公園という場所はぼくらにとって、どんな場所かは変わっちゃいない気がする。

ぼくは遊具の中でも、ブランコが好きでねぇ

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