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1on1~「聞く」ではなく「聴く」によって成果がどう変わるか?~

1on1は、上司と部下が1対1で、直接対話する重要なコミュニケーション機会です。ここでは、「聞く」と「聴く」の違いを元に1on1の成果を考えていきます。


1on1で相手の話を聞くとは?

部下の意見を一生懸命「聞く」のは、重要で正しい行動です。ただし、相手の話を聞いてるだけでは、相手の内省には繋がらないと考えています。

なぜ相手の話を「聞く」ことは、内省に繋がらないのか?

「聞く」という行為は、相手の話を共感していない行動であり、結果的に相手の内省には繋がらないと考えています。そのロジックを説明します。

ロジックを説明する前に、そもそも門(もんがまえ)の「聞く」とは、どういうことでしょうか?

「聞く」とは、自分の意見や考えを前提に相手の話を、心の中で判断して、耳に入れています。人は判断すると、自然と相手に自分の意見を伝えたくなります。そして、意見を伝えることで、相手はその人自身の意見や考えに対して振り返る(≒内省)ことが出来ない(難しくさせる)と考えています。

では、「聞く」ではなく、傾聴の「聴く」はどんなステップを実施しているでしょうか?

聴くのSTEP1. 部下の感情や思考を理解する

聴くのSTEP1は、部下の感情や思考を理解することです。感情や思考を理解しようと思うと、自分の物差し(考え方や体験)で相手の話を聞きません。あくまで相手の感情や思考に寄り添った感情で相手と向き合います。

聴くのSTEP2. 相手の視点に立つ

次のステップは、相手の視点に立つことです。相手の視点に立つことで、相手の発する言葉の前提や背景に対して、自然と質問をします。

聴くのSTEP3.相手のための時間であると常に意識をする

質問する中で、自分の経験や体験からの意見を伝えたくなるでしょう。しかし、聴き続けるためには、我慢が必要です。自分の意見を伝えず、相手の思考・感情・視点で会話を進めましょう。要するに、相手のための時間であると常に意識をすることが大事です。

この3つのステップを踏むことで「聴く」という行動に至ります。では、なぜ「聴く」ことで内省が発生するのでしょうか?

内省が発生するメカニズム

内省とは、​自分自身の思考や行動について深く考え、​自己成長を促すために自己分析を行うことを指します。​内省は反省と似ていますが、​内省は自己成長の側面が強く、​哲学的な意味を持つ言葉でもあります。

では、どのようなステップで内省が発生するのでしょうか?

内省のSTEP1:自分の体験や考えを言語化する

相手の意見に基づかず、自分の体験や考えを相手に伝えることが、STEP1です。ポイントは、ありのままに自分の体験や考えを話せる相手と会話することです。相手に忖度したり、萎縮していると、相手の考えに合わせて言葉を発する可能性が高いからです。

内省のSTEP2:自分だけの思考に意識を傾ける

相手が共感の姿勢で自分の話を聴いてくれていると、相手の考えや意見は入ってきません。(前述した通りの行動を相手がしている前提)あくまで自分だけの思考で、会話が成立しています。その状態は、まるで鏡にうつった自分と会話しているような感覚になっているでしょう。

内省のSTEP3:自分自身を評価する

自分自身の体験や思考を自分だけの思考で向き合うことで、自らを再評価し、その評価に対して納得できるでしょう。他の場面でも相手から評価を得ることは出来ますが、相手からの評価では、納得感が得られづらいです。なぜなら、自分を変化させるには、やはり自分自身のコミットメントが必要ということだと思います。この話については、参考書籍:影響力の武器により詳しい話がありますので、深く知りたい方はぜひご参照ください。

「聴く=共感+内省」を意図的に発生させるには?

「聞く≒自分の意見や考えを相手に伝える」ではなく、「聴く≒自分が共感し、相手に内省してもらう」は、聴く人のスキルやマインドを必要とします。一朝一夕で身につくスキルではありません。長い時間をかけてトレーニングを積むことで、スキルやマインドを醸成することは出来ます。

時間をかけることが、難しいマネージャーの皆さんのために、我々リトラエルは第三者の1on1サービスを提供しています。現在はサービス立ち上げ期のため、無料で提供しています。少しでも興味があったら、こちらのサイトよりご連絡ください。

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