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グラウン作曲ビオラ・ダ・ガンバ協奏曲ツィクルスを目指して

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死ぬまでに一度は全曲実演を聴いてみたいなあ。 2021年は、没250年 the 250th anniversary of death グラウンとプレクラシック周辺
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2014年6月の音楽のジュラシックパーク

2014年6月の音楽のジュラシックパーク

知っているようで知らない、名前だけは聞いたことがある----そんな作曲家たち。それぞれに得意な分野があり偉業を成し遂げているものの、時代の変化による技術の評価方法、後世のライバルや歴史観から、排斥されたり忘れられたり、貶められたり。もちろん実演が要求される分野なので、演奏する人や聴く人、その場を提供する人と費用がなければ、維持はされず、消えていくのみというのも自然のことなのかもしれません。レコード

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2024年ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの収穫(4) エキゾチック・ボヤージュ

2024年ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの収穫(4) エキゾチック・ボヤージュ

ポーランドの古楽祭 Muzyka w Raju (ミュージック・イン・パラダイスのポーランド語のよう)。
アンドレ・リスレヴァンは、わたしのような古い聴き手には良くも悪くもサラブレットな若者という印象です。ですが、このプログラムは良い意味で冒険して聴こえました。

KOREオケもグレードアップして聴こえました。
これまた古い聴き手には手垢まみれのテレマンの組曲。サクサクと進めながらガンバの冒険を楽

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2024年ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの収穫(3) 古楽YOASOBI

2024年ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの収穫(3) 古楽YOASOBI

ポーランドの古楽祭 Muzyka w Raju (ミュージック・イン・パラダイスのポーランド語のよう)。
綴っていたプレクラシック周辺から外れますが、音楽祭の感想の続き。

「ラ・ネビュルーズのカブスベルガー」
どこで拍手していいか聴衆が戸惑ってしまう、初期バロックを中心にした低音楽器のグループ。デジャブの源は「トラジコメディア」ではありませんか。
リズムがわかりにくい、あまり歌わない、自由なトッ

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2024年ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの収穫(2) とりかえばや協奏曲

2024年ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの収穫(2) とりかえばや協奏曲

ポーランドの古楽祭 Muzyka w Raju (ミュージック・イン・パラダイスのポーランド語のよう)。

バウ大活躍の巻の感あり。
「とりかえばや協奏曲」とでも。
日本には12世紀後半に「運命のいたずらで女装、男装を余儀なくされた異腹の兄妹の物語」がありました。

今回楽器は6弦f孔のサロ風、それと黒毛弓も少し気になり検索してみました。黒毛弓はギエルミの映像でもよく使用されていたかと記憶していま

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2024年ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの収穫(1) シャフラット

2024年ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの収穫(1) シャフラット

ポーランドの古楽祭 Muzyka w Raju (ミュージック・イン・パラダイスのポーランド語のよう)。

開催地はベルリンの東部、ブランデンブルク州に隣接するルブシュ県。ドイツから見るとオーデルナイセ線に接する地域です。地勢的な縁続きの音楽をとりあげてくれます。

前述の公開動画コンサートの中に、アンドレ・リスレヴァンのグラウンニ長調協奏曲あり。大いに楽しみです。

Johann Gottlie

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C.F.アーベルのチェロ協奏曲

C.F.アーベルのチェロ協奏曲

アーベル親子は二刀流でした。
ガンバとチェロ。当時は二刀流くらいは当たり前でしょうか。
昨年バウが音楽祭でアーベルのチェロ協奏曲をガンバで弾いていました。
カール・フリードリヒは1723年生まれで、2023年が300年祭。
一聴エマニエルよりハイドン寄りと聴こえます。思い込みなのでしょうが、アーベルといえばガンバ無伴奏曲の最後の輝き的イメージ、それと比べると、チェロは穏やかな朝の光といったところ。

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人気急上昇グラウンのビオラ協奏曲変ホ長調 GraunWV Cv:XIII:116

人気急上昇グラウンのビオラ協奏曲変ホ長調 GraunWV Cv:XIII:116

にわかに人気が出てきたみたい----うそ。
ギャラントで聴き映えします。編成もこれくらいでいいのです。

ヨハン・ゴットリープ・グラウン
ヴィオラ協奏曲 変ホ長調 GraunWV Cv:XIII:116

この動画に関しまして、ビオラ奏者がブログを書いています。

ビオラのロシャ氏はCPEのおまけとしてグラウン採用。でもグラウンが2曲とてもうれしい。CPEの協奏曲はアッツォリーニのような編曲が効

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ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの積極的グラウンとバウ有望(その2)

ポーランドの古楽祭Muzyka w Rajuの積極的グラウンとバウ有望(その2)

テオドロ順調。ポーランドの古楽祭 Muzyka w Raju (ミュージック・イン・パラダイスのポーランド語のよう)も順調な様子。
2023年8月の公演「バロックにさよならを」動画鑑賞。
音楽祭たいへん意欲的。
腕利きのガンバ奏者を抱えています。どうも深く静かにグラウン全曲を狙っているみたい。グラウンの協奏曲が、プロのガンバ奏者の必要条件になってきました。

バウは2019年 イ長調GraunWV

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人気急上昇中グラウンのカンタータ

人気急上昇中グラウンのカンタータ

にわかに人気が出てきたみたい----うそ。これで3例目くらい。
でもこのグラウンはあのグラウンです。受難カンタータ「イエスの死」(1755)を作曲したカール・ハインリヒ----とは綴ったものの、「イエスの死」も10種はないと思います。

CHグラウンの「作曲家自身が歌うため」の作品集。
一聴した感想としては、アコ・ビスチェヴィチの実力がよくわかりません。フランスのオートコントルとはずいぶん違う印象

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笑うバロック(640) 迎春シン・CPEのオルガン協奏曲

元旦に聴く、めでたい印象の曲、すぐに思い出しました。王様相手かもしれませんが、父バッハやモーツァルトには決して書けない弾けない領域だと思います。指先から「どうだ」「これでもか」とマウントとってくるような、そんな音楽に聴こえない、そこがいいんじゃない。
わたしは、CPE休符は「ふう」とか「ほっ」と、聴こえるのです。

オスター盤へのネット上の賛辞、同意します。

ボトケンヌ34と35、またはヒッチコ

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ベンダ、グラウン、ジルメン、サンジョルジュ、ヴァロヴァ

「珍しい作品と言えますが、宝を発見したような喜びを感じられるはず」まさに。
とりあえずグラウンのみ拝聴。
チチッチとかバルカン半島方面の人がどんどん前へ。

シュターミッツのビオラ協奏曲

前稿からのつながりで、ビオラ協奏曲も聴いたり観たり。
動画で見られるもっとも有名な演奏者はどうもタベア・ツィンマーマン。
「1982年、16歳でジュネーヴ国際音楽コンクールのヴィオラ部門で第1位」のもの。いまの動画で有名になる演奏家たちと比較すると、「大草原の小さな家」みたいです。(昔のクラシック愛好家にはマンハイムの音楽は田舎モーツァルトとか、所詮は二流みたいな言われ方をしたものでしたな。やれ不

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別なカール・フィリップのビオラ・ダモーレ協奏曲

カール・フィリップ・シュターミッツとは誰か?マンハイムの代表格として単にカール・シュターミッツと表記されることが多い。検索で得た情報をツギハギします。

caperucita氏に叱られるかもしれませんが、面白く聴けました。トマス・フェイという指揮者は少し話題になったかしら。ビオラ・ダモーレはグンター・トイフェル、1982年より長きわたりシュトゥットガルト放送交響楽団の首席ヴィオラ奏者。ヤナーチェク

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グラウン「勝者よ帰れ」カンタータとガンバ協奏曲

グラウン(1703-1771): 勝者よ帰れ

カンタータ『O Dio、 Fileno ああ神よ、フィレーノ』

ヴィオラ・ダ・ガンバ協奏曲 イ短調

カンタータ『Già la sera すでに夕方に』

アマンダ・フォーサイス(ソプラノ)
オペラ・プリマ(古楽器アンサンブル)
クリスティアーノ・コンタディン(ヴィオラ・ダ・ガンバ&指揮)
録音 2019年1月29-31日 Villa Bolasc

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