フラットさが必要な理由

星野リゾートの社長、星野佳路（よしはる）氏のインタビューを聞いた。経営者だが、社員が抱える小さな問題に興味があるという。さらに、その問題を解決することもそうだが、その問題に対して、周りや所属する組織がどのように考えるかに最も関心があるそうだ。

社長という立場ながら、フラットなことを重んじる。出張が多いから、社長室を持たない。では、どうしてフラットさが必要なのかというと、自分が言いたいことを言うためだという。「社長が言っていたから」ということで決めるのではなく、それが本当に正しいのか？を社員に考えてほしいという。

「上の人が言っているから」という理由は、会社に勤める人間にとって、ある意味、一番楽な判断基準だ。少なくともその通りにしておけば、トラブルは起きにくい。上の人から「自分で考えなさい」と言われるほうが、実はしんどい。でも、それをやろうとしているのは、星野氏が組織のことを考えて、そうしたほうがいいと判断しているからだろう。

「自分も間違えるし、思いつきもあるし、言いたいことを言いたい」そんなニュアンスのことを語っていたが、それをトップとして実現させるのはかなり大変なことだったと思う。もし、それが本当に実現できている組織なのだとしたら、とても強い組織なのだろう。