奇跡のレッスン―岩隈久志さん―

元シアトル・マリナーズの岩隈久志さんが、中学リトルシニアの子どもたちを指導するという内容の番組が放送された(2月23日)。テレビを見る時間があったので、2時間見てしまったが、ある意味、羨ましい内容であった。

野球の練習といえば、コーチの厳しいことを指摘され選手が委縮してしまう光景が当然のように繰り広げられる。自分も小・中と軟式野球をやっていたが、当時もそんな感じで、今は違うのかなと思って番組を見ていたら、どうやらあまり変わらないらしい(もちろん、テレビ的にちょっとデフォルメしている可能性もあるが、たぶんほぼ実情を映していたように思う)。エラーをしてもその原因を考えさせることなく、数だけを追求する。そんな練習風景は、日本における野球の問題点を浮き彫りにしていたようだった。

テレビに映っていた岩隈さんの指導はそうではなかった。ポイントポイントでプレーを止め、今のプレーでどう考えたかを振り返る時間を作る。どういう意図でやったのか、(失敗したとしたら)どうすればよかったのか。常に頭の整理をしながら次の練習を行っていたように思う。

また、野球の取り組みならず、相手の良いところを褒め合う、自分の意見を言う、といった生きていくうえでの大事なところの指導に時間を掛けていたところも印象的だった。チームスポーツである野球は、そうしたコミュニケーションが本当に大事だからだ。内野ゴロを処理して一塁手に送球する際に「思いやりを持って投げなさい」と、少年野球時代にコーチが言っていたことを思い出すが、思いやる心をどう育むかといったら、根本はお互いを認め合っていることだと思う。そうした基本的な人間関係から自然と思いやりは生まれるものだと考える。

日本を代表するメジャーリーガーも、最初からメジャーリーガーではなかった。一つ一つの課題に対して、向き合って考えて克服して大きくなっていった。それを続けられたからこそ、あれだけの大舞台で活躍する選手になったのだと思う。野球のみならず、人を育成するためには?というヒントがたくさん詰まった番組であったと思う。再放送の予定はまだ発表されていないが、いずれされるはずなので、その時は再度チェックしたいと思うような内容であった。

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