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情報を出す・受け取る

ファイザー社製のワクチンで得られる抗体の量が3ヶ月後に減少するという発表である。209名を対象に血液中のIgG抗体を測定し、接種前は当然0に近いのだが、1回目(接種後14日)後で約10U/mL、2回目(接種後14日)後で約200U/mL、3ヶ月後で約55U/mL(値は全て中央値を抜粋)となるそうだ。詳しくは、以下のプレスリリースに書いてある。

抗体の量が減ったからといって、すぐにワクチンが効かないということにならないらしい。3ヶ月経っても0に戻っていないから、そうだろうなと思う。それにワクチンの効果は抗体を作るだけでなく細胞性免疫の強化にもあるようなので、重症化予防する効果がこの期間でどの程度失われたかは、今後も研究が必要とのことだ。

朝のニュースでこのように書かれていると、どうしても「抗体4分の1」というところが目に入る。これから受けようと思っている人には「なんだ、減るなら受けなくていいじゃないか」と思われてしまいそうな見出しである。

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ワクチンを受けるか否かは、今のところ個人に委ねられている。どちらを強要するものではないが、やはり未接種の人を中心に感染は広まってしまうようだし、未接種の人の割合は、大規模な流行を引き起こすには十分な数ということだ。人口減に向かっているとはいえ1億人以上がいる国の宿命なのかもしれない。

正しい情報を発信していくのは重要なのだと思うが、メディア側はどうしても注目を集めるような見出しの置き方をしてしまう。視聴率やPVを稼ごうしているんだと、受け手側が見定めねばならない。強いて言えば、大学のプレスリリースも少し遅かった。先のリンクは夕方には確認できたが、午前中はまだ何もなかった。むしろ、プレスリリースをしてから記者会見でも良かったのではないかと思う。大学側も宣伝の意味合いがあったのだろうが、情報の出し方について、順序を考えてほしかったなと思う案件であった。

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