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足してもダメなら引いてみる

ある試験を行う時に薬剤を入れるのだが、その適量が今のところわからないので、添加量を変えながら試験をしている。基本的には薬剤量を増やすと効果が上がる傾向にある。なので、増やしていこうと思ったのだが、同僚から「減らしてみてはどうか?」とアドバイスをもらった。イメージ的には、薬剤を増やし過ぎると、薬剤同士が反応してしまい、結局は入れた分の効果が出ないことがあるらしい。なので、減らす方向で試して、一番いいところを探ってみる、というわけだ。

そもそも無意識のうちに、量を増やせば良くなると思ってしまっている思考パターンが自分の中にあるなと気が付いた。世の中、少ないより多い、小さいより大きい、低いより高い、そんな方向に物事を考えていることは結構たくさんあるのではないかと思う。しかし、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉もあるように、何事にも適度、適量というものがある。何事もほどほどの部分を見極めることが大切なのだ。

そういえば先日、会社にお菓子を作ってきてくれた人がいて、ガトーショコラだったのだが、とても美味しかった。何が美味しかったかって、甘すぎず、ビターチョコレートの味わいをきちんと感じられたことだった。自分も時々、炊飯器を使ってガトーショコラを作るのだが、ビターチョコレートを使い、なおかつ砂糖を入れなくても、ちょっと甘いか?と思うことが多い。毎回、同じレシピを使っているのでもちろんそうなるのだが、もう少し甘さを抑えてもいいよなと感じていた。そこで、今回作ってもらったガトーショコラである。これくらいのビター感がいいと思ったバランスの味わいだった。早速レシピを教えてもらったので、今度試してみようと思うが、適度・適量が最も如実に表れるのは料理の世界ではないか。特に、お菓子を作る際には、調味料の配合、混ぜ方、時間など、ちょっとしたことが積み重なって味に表れる。何かを入れ過ぎる、一生懸命かき混ぜ過ぎる、そんなことで味が悪くなってしまうことはよくある。

効果が出ない時に、「足す」だけではなく「引く」を考えることも必要なのだと思う。

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