木が身の回りにあると

身の回りにあるものは何で出来ているだろうか?特にオフィスでは、床材や壁材、机など、どうしても無機質な素材になりがちである。それを「木質化」しようという取り組みがある。

この記事で取り上げられている実験では、異なる内装の室内で被験者にテストをしてもらい、テスト前・テスト中・テスト後に唾液を採取し、唾液中に含まれるコルチゾール濃度を測定したというものだ。コルチゾール濃度が高いほど、ストレスを感じているということになる。結果は、木質化した部屋のほうが、テスト終了直後からどんどん値が低下していくというものであった。

また、別の実験では、オフィス内の事務机を木質化して、その前後での影響を調査した。その結果、2ヶ月経っても、心理的な鎮静効果が確認されていた。先ほど取り上げた唾液中のコルチゾール濃度も2ヶ月後も低いまま推移したのだ。

逆に、障がいを持つ人の就労施設では、環境の変化に伴い、木質化後の数値のほうが悪くなっていたようだ。環境の変化に敏感な人たちにとっては逆効果になるといえるだろう。

木質化の背景には、日本国内の森林を有効利用したいという思惑がある。日本国内の7割は森林だ。適度に伐採しなけば伐採適齢期の木がどんどん増えていき、木が余ってしまう。それらが有効に使われれば、その得られた利益によって、持続的な森づくりが可能になるということだ。これらの実験結果は、上記の実験結果はこれらの取り組みを後押しするものとなる。

木材に限らず、自分の好きなものに囲まれていれば、ストレス緩和に繋がりそうなものであるが、木目が醸し出すぬくもりは確かに癒されるものがある。以前、知り合いの人の家に招待してもらったとき、床がフローリングではなく木目調だったので、珍しさかった。この床なら、スリッパではなく素足で歩きたくなるかも、と感じられた。せっかく自分の国に良いものがあるのだから、有効に使う流れができてほしいものである。

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