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政子の演説
1年間見続けてきた鎌倉殿の13人、ついに来週で最終話を迎える。今までも大河ドラマを何作か1年間見続けてきたが、ここまで楽しく、ハラハラしながらストーリーを追ってこられたのは初めてだったかもしれない。そして、最終回1話手前の今日の話は、このドラマの集大成だったのではないか。
今日のメインは北条政子の演説だった。教科書に載っているくらい有名な話で、朝廷と戦う覚悟を御家人に示した名演説だ。吾妻鏡に残っているのは、以下のような語りだ。
「源頼朝様が朝敵を征伐し、幕府を開いて以降、その恩は山よりも高く、海よりも深い。三代にわたる将軍の遺跡を守るように。後鳥羽上皇方に付きたければ、今すぐに申し出なさい」
それをドラマ版にうまくアレンジして御家人たちの心に届けた。この物語は最初から最後まで北条ファミリーの話だったのだ。弟(義時)は命を差し出して鎌倉を守ろうとしている。坂東武者たちはそれでいいのか?ずっと西(朝廷)の言いなりでいいのか?このドラマで人が動くとしたら、こういう理屈だよな…と、1年間ずっと見続けてきた人たちには、すっと入ってくる内容だったと思う。このシーンだけでも何回も見返したいくらいだ。
さらに放送後にアップされた小池栄子さんのインタビューが心に響く。
長く生きていると、子どもとか下の世代はどんどん増えていくけど、自分より年上の助言をくれるような存在ってどんどんいなくなっていくじゃないですか。そういう存在がいかに大事だったのかを考えるし、「生きるってなんだろう」とか、すごく壮大なことまで大河ドラマをとおして考えてしまいますね。そういう意味でも、義時とか、自分ではない役の生きざまを見て学ぶことや感じることがあります。
今日の放送では、朝廷と幕府(執権)の板挟みに遭う御家人たち、さらに執権(義時)と御家人の板挟みに遭う泰時、なんかどこかで見たことあるなと思わせられるシーンが目白押しだった。大河なのに、現代に通ずるところが散りばめられてきた鎌倉殿の13人。あと一回で放送が終わってしまうのが名残惜しいが、壮大なネタバレを防ぐべくなるべくリアルタイムで視聴したいものだ。
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