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わからないといえる勇気

分析装置を動かすために、ガスボンベを使用する。ガスにも色々な種類があるが、毒性のあるガスはそれそのものも危険だが、毒性のないものでも酸欠の恐れがある。圧力容器なので、圧力差による危険もある。なので、取り扱いは手順を守って慎重に行わねばならない。

ボンベを交換するのに手伝ってほしいと新入社員に頼まれたので同行した。以前にも換えかたを教えたが、不安があるので確認のため再度同行をお願いしたいとのことだった。自分も新入社員の時は、ボンベ交換は何となく嫌で、ベテラン社員のかたに頼んだことがよくあったので、気持ちはよくわかる。危険なポイントを察知して、声掛けしたきたのはとても素晴らしいことだったと思う。

わからないことがあれば「わかりません」という勇気を持ち合わせている人は、教える側としては有難い存在だ。もちろん、本人がわかりませんといえるような雰囲気を、その職場が作り出しているかはとても重要である。わからないと素直に申し出てくれれば、いくらでも教えることはできる。一方で、わからないのにも関わらず、自分の判断で作業進めてしまうケースもある。ボタンを押し間違える、書いてあることと違う作業をする。単純なミスで済めばまだいいのだが、たとえば、今日のようなガス容器の取り扱いだと、間違えればケガの可能性だってありえることなので、人に聞けるかがどうかは本当に大切である。

就職などの面接でも、質問者の意図がわからなかった時に、「すみません、質問の意味がわからなかったので、もう一度お願いできますか」といえるかどうかは、大きな分岐点となる。取り繕って意図と合わない回答をしてしまい、微妙な雰囲気になってしまうくらいならば、潔く聞き返したほうが賢い選択である。それができないのは、焦りなのかプライドが邪魔するのか、はたまた準備不足なのか。いずれにせよ、わからないことを素直にわからないと普段から周囲に言っているかだと思う。

こういうことは重要なのに、どこで教わる(会得する)のだろうとも思う。学校の勉強では出てこないし、家庭なのか、はたまた友達や課外活動からなのか。大人になってからいわれることじゃない、という意見もありそうだが、言えるタイミングがあれば本人に伝えてあげたい項目の一つだなと思っている。

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