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優秀パラドックス

すごく仕事ができる人が下に付いた時、一体何が起こるだろうか。仕事がどんどん進むようになって快適だと思うのだが、一方で、その人に指示を与える立場の人が、だんだんと仕事をしなくなる危険性もある。その人に任せておけば、何でも進むから、もはや自分でやるより早いと思うようになるのだろう。

そういう状況になると、一生懸命頑張っている人は面白くない。自分はこんなにも働いているのに、指示をしている人はサボっているじゃないかと思う。本来ならば他の人が進めてくれている間に、自分はもっと他のところに力を注ぐべきなのだが、どういうわけかそう上手くいかない。自分は少しなら手を抜いてしまってもいいや、それがいつしか"少し"ではなくなってきて、自分は何もしなくても(仕事が進むから)いいやと思っていくのだろう。優秀な人が付いているというのは、一種の麻薬なのかもしれない。

先日、読みたい本に挙げた「働かないアリに意義がある」だが、冒頭だけ読んだ。どうも、組織の中における余剰が大切なようだ。全員がフルパワーで働いている状態では、何か緊急事態が起こった時に対処できなくなる。たしかにそうかもしれない。また、決められたルートを逸脱した時に失敗する可能性がもちろんある一方で、想定よりも早く餌にたどり着ける可能性があるという。つまり、どこに(どのやり方に)可能性が隠されているかはわからないということだ。

働かない人も組織においては意外と重要なのかもしれないが、働いている人から見たらあまりよくは思わないかもしれない。組織がどうあるべきかについて、"アリの本"が少しヒントをくれるかもしれない。

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