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【合格体験記】医学部受験に合格するまで1年間の過ごし方

割引あり

どうも、Dr.アジュールと申します。

私は医学部に再受験で合格し、医者になってかれこれ10年以上経過しました。

日本では、手術ばかりの病院で外科医としてたくさん手術していましたが、医師として10年経ってこのまま日本という狭い国で終えるのもと思い、一念発起し、現在は海外で医師として勤務し診療しています

最近になり現地で知り合う方々に、医学部再受験の相談を受けることがあり、そんな方へ有益な情報を提供したい一心で、このNoteを書いています。

巷では、勉強始めてみたら実はとんでもなくよく出来て、あれよあれよという間に医学部へ合格した、みたいなサクセスストーリーのような合格体験記も多かったので、1つくらい死ぬ気で勉強して医学部へ入った自分の体験談があってもいいのかなと思い、昔を思い出しながら書いています。

■こんな人におすすめ■
・これから浪人して医学部を目指す受験生
・医学部再受験を検討している現役大学生
・社会人で、一般入試での再受験を検討している方
・子供を医学部合格を願うご家族

プロフィール

・高校は県内有数の進学校
・現役で難関国立大学 理系学部
・医学部再受験を決意し、1年の猛勉強の上で合格
・偏差値10以上Up 難関第理系学部(現役)→ 旧帝大医学部(再受験)
・医学部生時代は塾講師として、東大・難関大、医学部合格者の指導
・医師として日本で約10年間、手術する外科医として勤務
・現在は海外で医師として診療 ←今ココ

自己紹介 | はじめてのnote https://note.com/retake_azure/n/n18ee0a34228d

経歴だけ見れば華々しく見えるかもしれませんが、決してそんな優れた人間ではないことを自分が一番よくわかっています。

今回は具体的な勉強方法を書くと膨大になりすぎるので、1年間の過ごし方に焦点を当てて書きました。

私の再受験として過ごした日々が、これから医学部再受験を挑戦したいという方に少しでも参考になれば幸いです。

※一般入試での医学部再受験をする方へ参考になればと思います。編入試験には参考になりません。
※10年以上前なので、共通一次ではなく、リスニングが導入された新課程のセンター試験の時代です。



まず最初に数あるの中で、少しでも興味を持っていただきありがとうございます。
この文章を読まれる方の心境に少しでも変化があればという一心で、思いを綴っています。

それでは、私の医学部再受験の1年間の過ごし方についてどうぞお楽しみください。笑


1.医学部再受験に合格するまでの過ごし方

①医学部再受験を決めるまで

最初に振り返るとすれば、私は高校受験から県内ではある程度名の知れた有名な進学校に進学しました。

中学受験とは無縁でしたが、小学校からの塾に行ってたこともあり、中学時代はかなり勉強ができる方でした。

高校生活を思い返すと、勉強する環境や友人には恵まれていたので、切磋琢磨しながら難関国立大学の一般学部(理系)へ現役合格しました。

当時は将来のことなど深くも考えていなかったので、ちょっと頑張って背伸びしたら入ることができるくらいの大学を目標くらいに大学受験をしました。

浪人すると一年間損するっていう気持ちが非常に強かったですし、医学部を受験する学力はなかったですし、考えもしなかったです。

大学に入学してからは、量産型の大学生の典型例で、一人暮らしを始めたり、サークル、バイト、飲み会に明け暮れて、すべての受験勉強の知識が抜け落ちた堕落した日々を送ってました。

いわゆるモラトリアムの時期で、ただ漠然と今後迎える就職活動への不安や将来への疑問を感じていました。

そんなときに、兄弟が国公立大学医学部へ合格をしたという報告の連絡があり、順風満帆に進んでいたはずの人生に変化が起きました。

私の両親は医療従事者では全く関係がないので、人生で一度も医師になることを求められることもなかったですし、私立の医学部への受験や学費など、家族会議に議題にも上がらない家庭でした。

ただ合格を聞いた瞬間に、

‘兄弟でも合格できるなら自分でもできるかもしれない‘ 

という感情が芽生えました。高校時代の同級生も浪人の末、医学部へ入った友人が複数人いた影響も大きかったかもしれません。

2週間ほど再受験のことを考えながらも、相変わらずの大学生らしい春休みライフ過ごしてました。

医学部編入専門の予備校の説明会にもこっそり参加しましたが、一般入試の方が向いてると判断し、大学卒業してからの編入試験を目指すという選択肢は最初から除外しました

そんな3月末のある日に、家族に医学部への再受験の思いを相談したところ、ビックリされながらも

‘本気でそう思っているなら今すぐ勉強を始めなさい、もう他の受験生は勉強を始めているでしょう‘

という非常に厳しい叱咤・激励をいただいたその瞬間、3月末のその日から、まさかの再受験生活に突入しました。

大学に入ってからほとんど机の前に座ったこともなかった私ですが、その激励の直後から3日間、ずっと勉強机に向かい続け、数学IA青チャートをすべてやり遂げてしまいました。

‘え、すごいな。そんなの無理かも‘ ‘やっぱり医学部受かる人ってちがうな

って皆さん思うかもしれませんが意外にもしんどくなかったんですよね。それが。(今思うとしんどいですね。今なら絶対できません。笑)

ただ当時の私にとっては、何気ない成長のない日常から、夢に向かって近づいている感じがして。まさにモラトリアムだったのかもしれません。


②再受験スタート(3月末~4月上旬)

再受験の勉強へのやる気は十分、いきなり勉強生活に変わりましたが、意外にも順応できたので、もうそこから後戻りはできません。

4月から進級予定だった大学を休学する手配をして、大手予備校医学部コースへ入学しました。(医学部専門予備校ではなく、普通の大手予備校です。)

大学の同級生にはびっくりされました。3月にバイバイと手を振った友人が、急に4月から学校に来なくなったのですから。

ただ私に残された時間はないという焦りがあったので、なりふり構ってられませんでした。

入塾まで2週間ほどあったので予備校の自習室を借りながら、高校時代に自分が愛用していた参考書をヤフオクで購入して勉強しました。

当時は朝勉強する前に

【残りセンター試験まで●●日!!!】

とノートに書いてから勉強するのを日課にしていました。

この間に、飲み会三昧の大学生活からすっきりと脱出し、起きている間は勉強するというマインドが生まれました。

さあ、ここからずっと順調な再受験ライフを送りたいところですが、、、実際にはそんなことはありません。

最初は非常に苦戦した日々を過ごすことになりました。

英単語帳の1ページの単語もわからないくらいに知識は抜け落ちてましたから、半年くらいブランクを感じていました。


③予備校 1学期(4月中旬~7月中旬)

4月から始まった予備校の医学部コースで入塾時に校内順位の試験がありました。

教科は二次試験の英数理のみでしたが、総合成績の順位は100人くらいで、下から7番目でした。(国公立医学部に合格できるのは上位10-15人なので非常に厳しい成績です。涙)

さらに4月末に受験した模試では、自分が合格した大学D判定、もちろん医学部はすべてE判定と現実を突き付けられるような散々たる結果でした。

本当に一年で受かるんだろうか。という不安な気持ちでいっぱいになりました。

せっかく通っていた大学を休学している身分のうえ、私立医学部の学費をお願いする立場でもなかったので、目指すのは国公立大学の一本勝負です。

これだけ周囲の家族を巻き込んで受験を決めた限り

‘1年で受かるつもりなら、この予備校校舎内で最も勉強時間が長い人になろう‘ 

という決意をしました。

そのために非常に浅はかな考えですが、予備校への滞在時間が一番長くないることとまずは心に決め、それを実現させるための方法を模索しました。

その結果、予備校にいる【物理的な時間】を誰よりも長くするために予備校の門が開くと同時に到着し、授業がはじまるまでの合間も勉強にあてました。
閉校の最後のシャッターが閉まる直前まで勉強していました。文字通り一番、予備校への滞在時間は長かったと自負しています。

その後は帰り道にあるカフェで終電まで勉強して家に帰って寝るだけの日々を過ごしました。

特に夏休みまでは1日も欠かさずこの生活を続けたので、私より勉強した受験生は同じ予備校内には存在しなかったと思います。

先ほども述べましたが、当時の私にとってはこの期間はしんどいものではありませんでした。

自分で決めた夢と現状のギャップへの焦りと、努力が目標へ近づく唯一の手段であると自覚していたので。

予備校内では

・現役の大学生が勉強していて、鬼のように集中し、ずっと勉強している。
・そのわりには、成績はそれほどよくないらしい。

というような噂が広がっていたみたいです。

友達を作らずというのはしんどかったので年下の浪人生とも仲良くしてもらいましたが、周囲に流されることはなく自分の勉強を貫いてました。

ずっと勉強していた日々を3,4か月ほど続けると、ようやく成績に変化が見えました。

夏休み前の医学部コースでの校内順位はトップ10くらいまで一気にあがりました。

ただ模試の成績は、相変わらずで未学習の部分は相変わらず手も足も出なかったので全然ダメで、医学部の判定もD、E判定が並んでいたと記憶しています。

ただこの頃には自分の大学はB判定くらい出るようになっていたので少し成長を感じておりました。

予備校に行っていると、学校の授業のように進めてくれるのでペースを作ってくれる環境は非常にありがたく、新しいものに手を出さずに、とにかく履修した内容を完璧に仕上げるという勉強を貫きました。


④夏期休暇(7月下旬~8月)

予備校は2学期制なので、7月が終わると夏休みになりましたが、夏期休暇の間は自分のとの闘いでした。

夏期講座はほとんど取らず自学自習の時間に当てたので1学期の内容の復習と、未修分野だった理科の勉強をしながら、苦手だった、国語のセンター対策に焦点を当てました。

当時はどこまで成績が伸びるかわからなかったので、具体的な志望校はなんとなく設定してましたが、前期の復習と未修分野の単元をこなす日々を続けて過去問対策は全くしておりません。

夏休みに模試が複数あり、大学実践別模試では京都大学と大阪大学の模試を受けました。

医学部はDかE判定くらいでしたが、それでも一番下ではない成績になったのは大きな進歩と感じました。

京大や阪大でも医学部以外の一般学部では、B判定くらいが並ぶくらいにまで実力が上がってきました。

夏休みは自習室で朝から晩までずっといるのが大変だったので途中カフェに移動したりしながら、1日も休むこともなく朝から晩まで勉強を続けました。


⑤予備校 2学期(9月~12月中旬)

夏休みが明けると大きな環境の変化がありました。

いわゆる『出戻り再受験仲間』が増えたことです。

一度は大学に行ったものの、やっぱり医学部へ再受験したいという同志が何人か現れたので、すぐに仲良くなり精神的にも非常に楽になりました。

やはり高校卒業してなんとなく浪人している人と、再受験の人ではモチベーションが全然違います。

少し中だるみしそうな時期にそのような友人に出会えたのは感謝しています。彼らの多くは昨年も受験した世代なのでブランクはあるものの私より全体的に仕上がっている人がほとんどでした。

残念ながら同じ年に受かることができなかった友人もいますが、最終的には勉強した再受験の仲間たちはみな国公立の医学部へ合格し、全員医師として頑張っています。

秋になるとさらに成績がアップして校内順位はトップ5番目を切ることはありませんでした。

模試の成績もかなり良くなってきて、旧帝大以外の医学部ならA、B判定が安定して出るようになってきました。一方でセンター模試に関しては苦手だったので全然ダメで、国語と社会は散々たるものでしてた。

ただ予備校は12月までかけて1年間かけて全単元を授業するカリキュラムだったので、他の浪人生と比べて、未学習の分野だと知らないことはたくさんあったのでまだ合格するイメージはまだ持ってませんでしたが、医学部受験のゴールの光が少しずつ見え始めることは実感できました。

その後も、とにかく焦りからいろんなことへ手を出すよりも、今まで習ってきたことを完璧に仕上げるというスタンスで、習った分野を着実に仕上げていきました。


⑥センター試験前(12月下旬~センター試験)

冬になり、予備校のカリキュラムが一通り終え、二次試験に関してはある程度自信をもってできるくらいに仕上がりましたが、一方でセンター試験に大きな問題を抱えていました。

2次試験メインの授業だったので国語や社会についてが大きな課題でした。

特に社会は、現役と違う教科を取っていたので、授業中ノートをとることだけ集中してましたが知識が整理できてなかったので散々たる成績でした。

冬休みからセンター試験へと大きくシフトチェンジして、国語、社会を中心に勉強しました。当時はリスニングテストの比率も低く2次試験でもなかったのでほとんどしてませんでした。

ひたすらセンター試験の過去問を解く生活を続け、ある程度の自信と手ごたえを持ちながら

センター試験いざ本番。

・・・・残念ながら、医学部受験を目指す受験生の成績としては散々たるものでした。

得意の理数についてはほぼ満点でしたが英語のリスニング、国語、社会が足を引っ張ってしまい、センター試験リサーチでは厳しい結果。

どこの医学部でもE判定、よくてもD判定どまり。

再受験に寛容で、センター試験の点数補正が有利、2次試験の配分が高いところにターゲットに絞って、旧帝大の大学を受験を目指すことに心を決めました。

センター試験リサーチはもちろんE判定でした。
(秋以降の模試では、2次試験の模試ではAかB判定は安定して出ていたので、2次試験の実力は十分あったと思います。)

旧帝大なんて難関大といわれるかもですが、逆に私の場合はセンター試験配分が高く、二次試験の問題が比較的簡単な大学だと絶対に受からない自信があります!!! 笑


⑦二次試験試験前(センター試験後)

センター試験も終えてラスト1カ月。私立大学に行くという選択肢がなかった私にとっては、

残された選択肢は `医学部へ合格するか‘`もう一年頑張るか‘です。

その時の学力としては十分医学部を目指すレベルだったので、元の大学に戻るという選択肢はなかったです。

センター試験後は、予備校に行くのも面倒だったので自宅での勉強が中心になりました。寒かったですし。

一年を通してカリキュラムに沿った勉強→センター試験対策 と浪人生の鏡のような生活をしていた私にとってちゃんと過去問対策は初めてでした。

赤本を買ったのはセンター試験が終わってからです。

東大や京都大は早い時期から赤本を飾ってモチベーションを高めることが大切ですが、医学部受験の場合は、大学名より医学部に合格することが大切なので大学別対策の優先順位は低いと思います。

赤本で、傾向対策をしながら思ったのは、難易度が適度に難しく相性がいい問題を出題する大学でした。

比較的難しい問題が並んでいたので、周りの人が落とすような数学や理科の問題を丸々拾えば、センター試験の判定はひっくり返ると思い、二次試験の演習と過去問を中心に1カ月一人で部屋にこもって勉強していました。

そして迎えた2次試験の本番。

結果は、苦手な教科は落としながらも、可もなく不可もなしの実力どおりのレベルを発揮できたかなという印象でした。あとはセンター試験のDisadvantageをどれくらい取り戻せるかで

まさに 『人事を尽くして天命を待つ』 という言葉がぴったりな状況でした。

試験会場は、センター試験の配分の低い大学かつ足切りがなかったので倍率はかなり高く受験者は非常に多かった印象です。ですが、正直なことを言うと、あまり気にはなりませんでした。

答案用紙の回収のときに、白紙回答を出す周囲の受験生をみて、倍率が高くなると記念受験も増えるのかなと実感していたのが本音です。

あと、やっぱり大阪弁の集団がいると、みんな灘高校にみえて賢そうに見えましたね。声大きいですし。笑

合格発表までの間は、後期試験の勉強をしながらも、心ここにあらずで、もぬけの殻の状態でした。

センター試験がよくなかったので、後期試験は絶望的でしたし。落ちたとすれば、もう一年頑張ろう。と強く思ってました。

そして、時が経って結果発表。ネットでの発表を知って 『見事合格』

思わずに声を出して喜んだのを覚えています。涙は出ませんでしたが。笑

後になって蓋を開けてみれば、2次試験の成績はほぼトップクラスで、センター試験を含めても全体でも上位25%くらいの合格でした。


ここまでが私の医学部再受験を目指して過ごした1年間です。
長い記録になってしまいましたが最後までお付き合いいただきありがとうございます。

私の再受験に合格するまで1年間の過ごし方はいかがだったでしょうか。

結果としては、難関第理系学部(現役)→ 旧帝大医学部(再受験)にまで偏差値10以上の大学に合格することができました。

偏差値10以上も差があるので、現役の私にとっては ‘夢のまた夢‘ となるようなE判定となるような志望校の大学に値すると思います。

数字的にまとめると、

集中して勉強した時間(1日)13-14時間(机に座った時間は14時間以上)
勉強日数 約300日
総学習時間 約4000時間
費用 約100-120万(大手予備校授業料70万+受験費用、その他経費40万)

自分の一年を振り返ると、『受かっても落ちても後悔がない』 といえるくらい頑張ったと自負できるくらい`努力‘をしました。

もし落ちていたとすれば、『努力量』 ではなく開始時期が遅かっただけといえるくらい十分努力したと言い切れるくらい頑張りましたから

そして自分の目標が医師になることであれば、1年になるのか2年になるのかは大きな問題ではありません、と私は思います。

それまでの過程にどれだけ努力(1日平均勉強時間を最大限に高めること)ができたかと思います。
努力量が十分でなければもう一年やっても、1日あたりの十分な努力ができないのであれば、同じ結果になってしまうと思います。


長くなりましたが、ここから再受験を目指す方へのメッセージといたします。

医学部再受験を目指したいという 『本当に本当に強い信念』 をもっている人にだけ読んでいただきたいので、ここからは有料にしました。

(正直に言うと、金銭的に困窮しているわけではないので、本気で医学部再受験をしたい人にだけ読み流さずに、丁寧に読んでほしいというのが実のところです。)

※あくまでも、今は医学部再受験を目指すも何のゴールも見えない、社会人や大学生に向けて書いた内容です。
※すでにある程度成績が取れている方には不要な内容だと思いますので購入しなくてよいと思います。
※勉強内容の具体的なやり方については記載していません。また別の記事にて今後記載を予定しています。


2.これから再受験を目指す方へのメッセージ


私は医学部再受験を経験した後に、大学時代は指導力を買っていただき、受験のプロとして個別指導塾で教鞭をとったり、別の大手動画配信予備校のチューターをしたりと指導者として多くの受験生を見てきました。

中には東大や難関大、医学部に合格した生徒もいましたし、夢が破れた生徒もたくさん見てきました。

そんな私から、これから医学部再受験を志す方へとしてアドバイスです。そして、再受験を目指した過去の自分へのメッセージでもあります。

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