#10-人生100年時代におけるシニア社員のための実践的なキャリアデザイン術

第4回:シニア向けキャリアデザイン研修コンテンツはこれだ(その3)

シニアからのキャリアデザインプロセス

シニアからのキャリアデザインでは、60歳(あるいは定年再雇用年限である65歳)までの「会社という枠組みの中での単一のキャリア」を考えるだけでなく、会社という枠を飛び越して、「人生100年時代、さらに先の80歳現役」を目指してキャリアを考えるという「視点の変換」が必要です。

前者の枠組みの中からは、どうしても「不安」「あきらめ」「限界感」といった言葉しか出てきませんが、会社という枠組みを超えて考えることにより、「発想・可能性の広がり」「生きがい」なども見えてきます。

将来目指すべきキャリアの方向性を定めることにより、そのから遡って今の仕事の意味、位置づけを改めて考えることにより、今自分が会社で果たすべき役割が見えてきます。

自分自身の中長期キャリア戦略を立案するイメージです。

下図は、「仕事と自分」「長期と短期」という軸で取り組み課題を図示化したものですが、日本のビジネスパーソンが一番取り組んでいない領域が「長期での自分のキャリア戦略」です。

個人の成長戦略

会社にキャリアを任せっきりにすることなく、自律的に個人が自分のキャリアを考えることによって、個人と企業が対等のキャリア開発パートナーとなり、「個人の成長=企業の成長」というお互いWIN-WINの関係を築くことができます。

下図は、シニア(50歳以上)からのキャリアデザインプロセスを示したものです。今まで培った経験・スキル・知識といった自分資産を徹底的に棚卸し、人生100年時代のキャリアの方向性を見定めます。

キャリアデザインプロセス

そのうえで、シニアの3つの武器である、①超実務力(専門性)、②ネットワーク力、③寄り添い力(対面カウンセリング力)を徹底的に磨き上げていきます。

①については、見える化・標準化がポイントになり、②については、社内のみならず社外のネットワークも重要です。③に関しては、若手層と良好なコミュニケーションを取ってノウハウを着実に伝えていくためにも必須の力です。

次回は、自分資産の見極めとキャリアの方向性見定め方について詳しくみていきたと思います。


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