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学生は学費を払い,学ばず,労働を社会に提供しているって話

多くの大学生(もちろん高校生も)はアルバイトをしています.

ほとんどの外食チェーン店の従業員はマニュアルと経験によって鍛え上げられた,大学生や高校生を雇用していて,そんな人達が真面目に働いてくれるから今日も私たちは安価に外食を楽しむことができているわけです.

また,学生の労働提供先は外食産業だけではなく,もうひとつ大きなビジネスとして教育ビジネスが挙げられます.いわゆる個別指導塾っていうのは,「大学生を安く集めて,場所と生徒を用意して,給料をピンハネして稼ぐ」という流れで回っています.

では,何故学生は低賃金で労働に明け暮れるのか.

様々な理由はあるでしょうが,1つは勿論彼ら,私たちはお金を必要としているからでしょう.

昨今,学生は多くの支出を生活の中で求められます.例えば家賃,学費,光熱費,食費,部費,サークル活動費など意外と大変です.で,保護者から金銭的な支援があればいいのですが,そこまで裕福な家庭ばかりでもありません.奨学金は素晴らしい制度ですが,残念ながら日本では貸与型が多くを占めており,遣えば遣うほどに将来の自分の首を絞めることになります.

お金が足りない学生というには,生きていく上ではそこまで問題ではありませんが,周りの友人と相対的に考えると貧しいともいえるでしょう.

そこで,現金欲しさにアルバイトをするのです.ここでのポイントは,彼らは高い時給をあまり求めないことです.周りと同じレベルで生活することを目標とする人たちは,そんなに大金は必要としない.給料の交渉は面倒である.だから彼らは低い時給で多くの時間働くのでしょう.

大学生には多くの時間があります.もちろん忙しい人もいるでしょうが,退屈で時間がありあまる学部に入学すれば,多くの時間を労働に費やすことも可能です.

大学とは,本来研究機関であり,学問を修める場所でもあるけれども,少なくとも高校や中学校とは異質な存在のはずです.

しかし,私立大学の乱立と時代の変化は,大学のあるべき姿をも変えてしまったのでしょう.国立大学であっても,1時間の授業料は,1000円を優に超えます.そのような中で,学問への好奇心や探究をおろそかにして,単純労働に勤しむというのは,日本の将来を考えれば大きな損失なのかもしれません.

少子化に歯止めがかからない今,優秀な人材を確保するためにも,学問に集中できる環境を若者に提供することは,早期実現しなければならない目標なのかもしれません.





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