爆発したって別によくないですか? 呉勝浩「爆弾」
爆発したってよくないですか?
そー言われると、たしかに…?
タゴサクに飲み込まれそうでした。
本屋大賞2023ノミネート作品!
物語のほとんどは、取り調べ室。
刑事とスズキタゴサクの会話です。
軽快かつ、哲学的でおもしろかった。
警察ってこんな感じの雰囲気なのねー。
えらい縦ですね。
あと「成果」にこだわる!まあそらそうか。
階級や情報の差もすごいし。
みんな葛藤や板挟みを抱えてますね。
僕らの平和はそんな彼等によって保たれてるのか。
いつもありがとうございます。
個人的には等々力さんに割と共感でした。
被疑者?のスズキタゴサク。
信用も財産も職も、社会的に失うものがなにもなく、犯罪を犯す事に躊躇がない、いわゆる「無敵の人」として描かれます。
無敵の人。
無敵の人による犯罪はこれから頻発するでしょうか。
無敵の人。
悪い事するにも良い事するにも、そのメンタルは大事ですよね。
大胆な選択、決断できるハート。
こと、組織においてはめっちゃ大事だと思う。
失うものはない。惜しくない。保身しない。
僕も犯罪を犯すつもりはないですが、社会を良くする為に、「無敵の人」のメンタルが欲しい。
1番好きだったのは、最後に懲戒ものの規律違反を繰り返した警察官に、上司が警察を辞めるか続けるか、問いかけたシーン。
厳格な組織でありながら、隠蔽もたくさんある。
責められるものばかりではなく、こんな人間味のあるあたたかい隠蔽もあるんだろうな。
作中、とある短歌がでてきます。
囚人とは。
誰の心にもある悪心というか、エゴ、弱い部分でしょうか。
みんな心の中で自分自身と戦ってるんじゃないでしょうか。
味わい深い短歌でした。
普段あんまりミステリー読まないんですけど、本屋大賞ノミネートということで読んでみました!
たまにはいいですね。
ドキドキハラハラ。長編ずっと楽しめました。
そして長らく楽しんだ、最後の最後の一文!
色んなもののメタファーみたいで、深くてよかったです。
以上
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