コンビニ人間 村田沙耶香
学生時代、コンビニで夜勤のアルバイトをしてたことがあります。
繁華街から離れたわりと静かな店でした。
静かといえども、明らかにキマッた状態のお客さんが来たり、酔った中学生達がタバコ買いにきたり、事件はたくさんあって面白かったなー。
ある晩、着物姿のとある相撲力士のお客さんがタクシーで乗り付けられました。
あれは食事帰りなのかなー?でも地方場所中に食事なんていく?
なんて思いつつも、僕は初めて生の力士をみて内心大興奮。
カゴをもってしばらく店の中を見て回る力士さん。
なに買うんやろー!?って僕はもうわくわく。
ほかのお客さんのレジは全然集中できひん。
なんとかタイミングよく僕の方のレジに来てくれた!
よっしゃー!
わくわくしながらカゴを見ると、入ってるのはアイスのピノ。
しかもピノだけ。
…ピノて。
サイズ感。
ちっさすぎやろ。
こんなんでええんかい。
もっとでかいん行ってくれよ。
ホテルかえって食べるんかなーって思ったらかわいくてかわいくて。
しばらくの間アルバイトネタとして使わせて頂きました。
そんなコンビニバイトで一度だけお客さんに怒られた。
コンビニバイトで怒られたことは後にも先にもこの1回だけなので、強烈に印象に残っています。
なんかイライラして高圧的なおばさんのお客さん。
「にいちゃん愛想わるいなー、感じ悪いで。」
「もっとニコーってやるやろ普通。」
おもわずポカン。
いや、なにが普通やねん。
普通、誰も深夜のコンビニバイトごときに愛想求めてないでしょ。
しかもほかのお客さんにも、愛想はこんなもんやし。
ほかの深夜バイトみててもこんなもんやし。
普通でしょ。普通。
でも待てよ。普通ってなに。
読みました。
ん-ちょっと気持ち悪かった。
面白いのは面白いけど、何とも表現しがたい気持ちの悪さがあります。
「気持ち悪い」って表現もちゃんとハマってるわけじゃないけど、この感覚はなんて言ったらいいんでしょう。
ニューヨーク屋敷の感想で先に「気持ち悪い」って言ってるのを聞いたからそう思うのか、よい表現が見つかりません。
ブックオフで110円で買ったら、色んなとこに線が引いてありました。
前の読み主はここが刺さったんかーって思うとそれも面白かったです。
これはこれでアリ。
とにかく普通っぽくあろうとして、徹底して他人の真似をする主人公。
これは分かるわー。
違いはそれを自覚しているかどうかで、割とみんなそうなんじゃないかなと思います。
僕はめちゃくちゃそうです。
喋り方なんてほんとにすぐ人に影響されるし、話す人のリズムに合わせちゃう。
かっこいいなと思う人の喋り方を真似したり、発言内容もわりと人の受け売りだったり。
そんなもんだよね?
そして主人公は、友達に以前会った時と雰囲気が変わったことを指摘され、考えます。
「摂取する」って表現がなんかいい。
そうだよねー。
旧友と久しぶりに会うと、変わった姿に驚いたり、変わらないところを懐かしくおもったりするけど。
人が変わるのは、摂取する世界が変わるから。超納得。
ほかのひとの感想も読みました、おもしろかった!
https://note.com/irino_irino/n/nf756e628710d
本作155回芥川賞受賞作だそうです。
恥ずかしながら、文学賞に疎くて。
これを機に、なにがあるのか、読んだことあるのか、いろいろと頭の中を整理しようと思います。
この記事では芥川賞のメモ。
芥川賞
昔の対象は、無名あるいは新人作家、今はそうでもない。
半年に1回。W受賞の年もある。
短編、中編がメイン。
発表は7月と1月。
勉強になりました!
以上。
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