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移住とWell-Beingな暮らし

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Well-Beingな暮らしを希求して移住を考えている人、移住後にも引き続いてWell-Beingライフ実現の姿を探索している人のためのコラム集です。伊東市・伊豆高原をケーススタ… もっと読む
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記事一覧

桜の季節に(Ⅱ)

桜は見に行くのではなく会いに行くものだと書かれたエッセイに胸にストンと落ちるものがあった。 30数年前、サウジアラビアの小さな漁師町,ジュベールに暮らしていた頃。春になるとなぜか無性に日本が恋しくなった。 一年中暑い国では花は色鮮やかで大輪。それなりに美しかったが、空も桜色にかすむ柔らかな色合いの桜に会いたかったのだと。 桜の季節に必ず会いに行く樹が2本、私にはある。1本は大徳寺聚光院、伊東別院のしだれ桜。 2020年にEテレで放送された"ひなたの氷92才 桜守の遺言

桜の季節に(Ⅲ)

そしてもう1本は別荘地の主のいなくなった高台の崖で見つけた御衣黄桜。 朝の散歩。 山は新緑の緑のグラデーション。 桜もソメイヨシノが花吹雪で風に舞い、豆桜、八重桜が出番とばかりに咲き誇る。 桜色に霞も染まる中、淡い萌黄色の御衣黄桜が満開に。花芯をほんのり紅色に染めて優雅に佇む。 鶯の鳴き声をBGMにしばし見惚れる。朝の私だけの幸せな時間。 日に日に赤みを増して,蝶が舞うように散る姿は美しい。 また来年、そっと花に触れて名残を惜しんだ。

すこやかな身体とはたけ~自然農と東洋医学のおはなし 【連載3日目 なぜ自然農は肥料を上げないのに野菜が育つの?】

コラムニスト 野見山文宏 (のみやま ふみひろ) こんにちは、伊豆で自然農を営んでいる野見山です。 ● 前回は自然農のお家芸「草マルチ」を、ご紹介しました。 ~ やっかいな草を活かし、マルチや保湿、肥料として味方にするのが 自然農 ~ やっかいな熱を活かし、免疫を活性化するのが東洋医学・・・でした。 言い換えると。これは「リサイクル」とも言えます。厄介者を排除するのではなく、少し形や方向性を変え、またもとの循環に戻すこと。 この思想は自然農や東洋医学の特徴である「まるご

すこやかな身体とはたけ~自然農と東洋医学のおはなし 【連載4日目 番外編 Heal~赤鼻のトナカイと自然農】

コラムニスト 野見山文宏 (のみやま ふみひろ)  こんにちは、伊豆で自然農を営んでいる野見山です。 今日はクリスマスも近いことですし、番外編「Heal~赤鼻とトナカイと自然農」のはなしをお送りします!はてさて赤鼻のトナカイと自然農がどうつながるのでしょう? ● オクラとHeal こちらは盛りを過ぎ、枯れようとしているオクラです。茎は乾燥して硬くなり、普通の畑なら、これは厄介者として、ゴミとして排除されてしまいます。 僕が自然農に取り組むなかで、すごく大切にしているの

サロンコンサートの醍醐味

コラムニスト Dancingdoll 「今日は私の母が来ておりまして緊張しています。」と汗をぬぐって始まった嶋津健一トリオ・オン・ステージ 森の中の小さなオーベルジュ。3列・30数名で満席。私の席からピアノまで僅か3Mほど。ピアニストの表情、手の動き、そして息遣いまで届く。クラシックの名曲がジャズにアレンジされ全く別の表情に。そのテクニックに魅了された晩秋の小春日和の昼下がり。 フラメンコの公演は別荘の広いリビングでの開催。 ダンサーのスカートが大きく揺れ、周りに風が

我が家の冬支度

11月に入っても暑さが続き、畑では桃や河津桜が開花と???の日々 立冬を境に一気に寒さが降りてきて慌てて冬支度。伸び放題だった庭木を庭師が6人、2日がかりで草刈り、伐採、そして、鹿対策にフェンスも張ってもらった。 遅れ気味だった薪も大量に運び込まれ薪割の音が山にこだまし、あっという間にラックが埋まった。 玄関の壺の飾り花、例年はツルウメモドキとフォックスフェイスの投げ入れ。 今年はフォックスフェイスが手に入らずあきらめていたら、近所の方からフウセントウワタが届いた。ユ

寄り道

コラムニスト Dancingdoll 朝の散歩。その日の気分と元気度でコースを変えて歩く。最短コースでいつも植木の手入れをしてらっしゃるご主人、ご挨拶したら「柚子風呂入るかね?」と大きな獅子柚を2つもいでくださった。散歩切り上げ早足で戻り、ネットで検索。実が少なく皮とわたが厚いがえぐみが少ないのでママレードにすると美味しい。ということはピールもできるかも。 切ってみると確かに実が申し訳なさそうに少しだけ。 タネとすじを除いて皮を3回茹でこぼしそのまま一晩を3回繰り返し、水を

晩秋の里山の手仕事 その1

コラムニスト Dancingdoll 毎年取り寄せていた山梨の柿農家が高齢と後継者不足で廃業。 農協に頼み込んで何とか今年も大和百目柿100個で干し柿作り。 昨年は100個で35キロ、今年は28キロと少し小さめ。 まだ夏日がある中での作業開始。洗って皮をむいてへたの周りの葉を取って、ひもにかけて、10秒熱湯につけて、バーにかけていく、分担しながら黙々と手を動かす。 手作りの干し台で干すこと2週間。途中3度ほどもんで柔らかさを均等にしていく。 好天に恵まれ、夜の温度

地元食材を使って私だけの行楽弁当

コラムニスト Dancingdoll 今月の料理教室は地産地消。 教えてくださるシェフも習う私たちもみんな移住組。 レシピを見て伊東に来るまでそんな野菜知らなかったで始まった、ヤーコンと菊芋、はやとうり。 朝市やいで湯っ子市場で見かけても調理の仕方がよくわからずスルーしていた野菜たちが今日は主役。 そして伊豆といえば欠かせない鹿肉とキンメダイ。 6人で9種類のレシピを手分けしてこなしていく。 お弁当に詰めるご飯は飾り切りのおにぎり。 細かな作業に2人がかりで悪戦苦闘し

ニホンミツバチの7つの秘密

「みつばちたちの秘密」と題したワークショップが、10月21日にいとう・住もうPT(移住促進官民プロジェクトチーム)主催で開かれました。その際に同PTの座長で、伊豆高原みつばち倶楽部の山本文夫氏が話された「ニホンミツバチの7つの秘密」の内容を以下に掲載します。    山本文夫 秘密1.働きバチのいのちは約40日、生まれてすぐには幼虫の世話や、巣作り、貯蜜などの内勤の仕事をして、寿命が短くなると外に出て蜜や花粉を集める仕事に変わります。外勤は外敵に出会って死ぬ確率が高い、それは

私と夏いちご

コラムニスト Dancingdoll 4月末に夏いちごの試験栽培に挑戦してみませんか?という記事が伊豆新聞に小さく載った。 夏に苺が採れるなんて面白そうと軽いノリで参加。実はとてもまじめに本格的なミッションを持っていることに気づき場違いな自分にどうしようと焦り、気持ちはあとずさりした。 でも自分で育てたイチゴでスイーツを作ってみたいという気持ちが勝りにわか苺農婦に。 育てる中で一番感じたのは子育てと共通することが多い、というよりそのまま。成長過程でほかの方のアップした苗

お帰り、わが相棒

コラムニスト Dancingdoll こねる音がおかしい!そう思って覗いた途端、急に早く回りだしボールから粉が飛び散った。最近いつもとは少し違う音がしていたので気にはしていたのだが。    さて、どうしよう!13年、途中一度モーターの修理に出しているのでもう寿命かなという思いが頭をよぎった。家電品の部品の保管は10年というのが今の日本では常識。買い替えるしかないかなとネットで検索。    その中にBOSCHのキッチンマシン。我が家のとほとんど変わっていない、ボールがステ

最初の質問は 長田弘

今日、あなたは空を見上げましたか? 空は遠かったですか。近かったですか。 雲はどんな形をしていましたか。 風はどんなにおいがしましたか。 あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。 で始まる。 今の時期は日本古来の自然のリズムでいうと寒露。初秋、中秋に始まり、今は晩秋。 本格的な秋の始まり、草木に冷たい露が降り、空気が澄んで秋晴れの日が多くなり、夜空に輝く月が見られると。 都会に住んでいるころはそんなに空を見上げていただろうか? こちらに住まいを移してか

フェンネルシードの収穫

コラムニスト Dancingdoll フェンネルは標高200M、海風が吹き寄せる我が家の庭は居心地が良いらしくこぼれ種からたくさんの芽が出てあちらこちらで花を咲かせる。冬には枯れてしまうが、春になると一斉に顔を出す。 東京のイタリア人シェフにその話をしたら目を輝かせて「羨ましい!伊豆高原に住みたい」 イタリアでは料理だけでなくしょっちゅう口に含んでその甘い香りとほんのり苦みを楽しむのだとか。 名古屋のショールームで仕事していた頃、目の前のパン屋さんで人気のライ麦とキャラ