見出し画像

チャンスをものにするには準備が必要


Seize the fortune by the forelock.

 株主関係書類という名の郵便爆弾の処理に追われている昨今だが、郵便物に抽選の当選品が紛れ込んでいて、「柿の木が京都まで50本あったら 今日は幸せ」と設定して、実際には74本あったとき並みの喜びを感じていた。

 私は特にスピリチュアルの類は信じていないため、根拠のない自信の域を出ないものの、自身は運が良い部類だと思っている。パナソニックの最終面接だったら、間違いなく内定を取れる程度に、強運さには自信を持っている。なお、最終面接まで辿り着けるかは怪しい模様。

 だから、今回の抽選が当たったのも、運が良いからだと思っている。とはいえ、チャンスをものにするために、抽選の分母はパンピーの比ではない数になっているのも、また事実だろう。

 意識高い系自己啓発書で、しばしば「幸運の女神には、前髪しかない。」的なことが記されており、心なしか前髪が後退し始めている私を始めとする、主要な読者層に対する嫌味とも捉えられなくもないが、原文はレオナルド・ダ・ヴィンチらしいので、自己啓発書の名言集の中でも、確度は高めで強ち間違いではないと考える。

 近付いてくる神が、果たして幸運の女神なのか、疫病神や貧乏神なのか、遠目からでは分からない。多くの人は様子を見るが、目の前を通り過ぎたタイミングで、幸運の女神だと気づいても、前髪しかないため、掴み取ることはできない。

 つまり、何がチャンスなのかが分からない段階で、リスクを取って掴み取りに行かなければ、チャンスを掴むことは難しいことを暗に示している。

 冒頭の私で例えるなら、懸賞の類なんて当たらないと、端から応募しない人が圧倒多数だと思われるが、別に懸賞など、ネット上のフォームや、応募ハガキに、ちょっとした個人情報やアンケートを書き込む程度で、大したリスクはない。

 私の中ではベットした金額の半分程度しか返ってこない見込みの、宝くじなんかよりもよっぽど期待値が高いことから、直感的に気を引いた応募は、5分くらい割いて応募する習慣が身についている。

 幼少期、経営破綻前のトイザらスで、1回500円の三角くじ(エアで宙に舞ってる奴)のビジュアルに惹き寄せられて、何気なしに1回引いて、特等で1/50スケール位のアメリカンなプ○レール擬きをゲットしたのが、恐らくビギナーズラックである。

 コ○コロコミックの懸賞でゲームソフトも当てたことがある(故に国会図書館でアーカイブを遡れば、巻末に都道府県と実名がバッチリ載ってしまっている)し、1,000円前後の小物は言わずもがな、ヨドバシ.comの福箱や、当選者限定イベントの類も参加したことがあるが、詳しく記してもジャイアンリサイタルの域を出ないため、これくらいに留めておく。

リスクを取るにも準備が必要

 そんな、何がチャンスなのかが分からない段階で、リスクを取って掴み取りに行くにも、相応の準備が必要だろう。

 私の懸賞で例えれば、懸賞に応募する手続きが出来る程度の時間的猶予を、日常生活で捻出する(=カツカツにせず余白を保つ)ことが、準備と言えるのかもしれない。

 日頃から収納を100%使い切って、モノで溢れて余白のない状態で、不意に欲しいものを見つけても、買ったところで物理的に収まらないのだから、躊躇が生まれる。

 モノなら手放すとか、レンタル倉庫を借りるみたいなパワープレイが成立するが、これが時間や金銭、労力が必要な類のものならどうだろうか?

 ドワンゴがサイバー攻撃を受けて、企業経営者がビビり散らかしているタイミングで、破格の条件で求人が出たとする。その際に、おっす、おら「Google サイバーセキュリティ Professional Certificate」持ってるっす。とアピールしたら、採用担当者の心象は良く、採用の決め手になるかもしれない。

 金融経済教育推進機構が8月に、J-FLEC認定アドバイザーの登録受付で、独立系FPの需要が高まりそうな機運を感じるが、ここでも、募集開始直後に、おっす、おら2級FP持ってるっす。どこの金融機関にも属してねぇぞ。となれば、素人が営業するよりも効率的にセミナー講師派遣の仕事が割り充てられるかも知れない。

 これらは、資格を取る段階では興味があっただけで、将来、何の役に立つかも分からず取得したものだ。しかし、世間がまだ注目していない時期に、事実上の準備をしていたことで、結果として先行者利益が得られるチャンスが生まれたりする。

 この考え方は、株式投資でも大いに役立っている。先日、含み益が日本円にして8桁の大台に乗ったが、これは何も新NISA元年のご祝儀相場から始めて得た含み益では決してない。

 アベノミクスが始まってからの、日本株はオワコンと言われていた頃から、自国の企業を信じて淡々と元本を積み増し、コロナショックを乗り越えたこれまでの累積や、損切りを含む投資経験という名の準備期間があった。

 だからこそ、ここ半年間の上昇相場の恩恵を漏れなく享受できている訳で、「なんかよく分からないけど、NISAが儲かるらしい」で今、投資雑誌を血眼になって読んではNISA損切り民となっているパンピーと差がつくのは必然だと考える。

 日経平均がこれだけ短期間で急騰したのだから、調整局面が来るのは読めていたし、年初の時点で既に相当額のポジションを張っていた以上、積極的に買い増しする局面というよりは静観して、逆指値で利確や損切りするラインを算定したり、今は若干割高だけどマクロ的には有望で、次の下落局面で拾いたい銘柄のリサーチに徹している。

 この準備が身を結ぶか否かは、未来になってみないと分からない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?