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1年で出来ることを過大評価しなかった。

第一章、終わり。

 「人は1年でできる事を過大評価しすぎる。そして10年でできる事を過小評価しすぎる。」言わずと知れたアンソニー・ロビンスさんの名言である。

 一年前の同時期に、移住前の都内居住中に、済ませておいた方が良さそうなことを徒然と記した。なぜ1月スタートではなかったかと言えば、2022年は入院して実質11ヶ月も日常を過ごせなかったことと、単なる早期退職は人事絡みで年度末になると判断したためである。

 現状としては、全ての未消化タスクを消化し終え、都会暮らしに疲れながらも、出来ることは年度内にやり切った訳である。

 岡本太郎さんのアトリエや、美術館、展覧会に留まることなく、各地に点在するパブリックアートの類も都内近郊は全て巡った。渋谷駅で京王井の頭線からJRへの連絡通路にある「明日の神話」はひと気のない時間を見計らって何度か撮り直したくらいだ。

 ライブイベントも1年前の執筆から程なく参加して、「まぁこんなものか」と想像した範疇だったが、1万円そこらで経験して、やらない後悔の芽を摘めるなら安いものと割り切った。

 庵野秀明監督作品のシン・シリーズも全て見届け、関連イベントも細々としたものが稀にあるくらいなものだから、どうしても東京方面に行きたくなったら、LCCで都度出向けば良いだけの話である。

 航空業界は規制緩和の影響で価格破壊が生じ、都内に居住し続けるよりも、地方に居住して都度LCCを利用した方が、安上がりなパラダイムシフトが起きており、収入、職業面の問題さえなければ、毎月LCCで往復できる程度に二極化が進んでおり、これを利用しない手はない。

 私はそれを実現するために、資産に働いて貰う方向に特化したことで、これまでの賃金労働者としての制約がなくなり、社会が敷いたレールの上の、良い成績、良い大学、良い会社の枠組みに嵌められる人生の第一章がようやく終わりを迎える。

10年計画を分割すると過小評価しない。

 突然だが読者の皆様、新年の抱負の進捗状況は如何だろうか?私は新年だからこれをやろう的な、都合の良いこじ付けはしない主義のため、自分で設定した時期までに、やりたいことを実現するためには、どのタイミングで何をすべきかを逆算するよう心掛けている。

 これから不本意ながら社会に出てしまう方や、既に出てしまった若手の方々が、20代や30代のうちに早期退職や移住など、困難に思えるかも知れない。

 だが、デカルトの「困難は分割せよ」にあるように、10年計画の中間目標を5年経過時に設定して、そこから更に1年毎に実現するための段取りを、仮で良いから設定してみることで、具体的な目標が細分化されて、漠然と願望を抱くよりは数段捗るはずだ。

 今回の早期退職、地方移住は昨年の3月28日の記事から1年以内で終わらせるべく、年度の切り替わりの時期に予定を入れないよう努め、10月に編入学した大学も、本来であれば1年掛けて修得すれば良い筈の履修科目の単位を、半分以下の5ヶ月そこらで取り終えて、大型家電、家具の類は売れるタイミングで売却するなど、常に年度末が身軽になるよう意識していた。

 その甲斐もあり、年度が変わると同時に、これまでの生活スタイルからガラっと様変わりして、昨年に思い描いた通りの未来が実現すると思うと感慨深い。遠かった。だが、ここまで来た。そんな思いに耽りながら、転居前に売れないが持って行くほどでもない所有物を処分している。

今を形成するのは、これまでの自分。

 表題のキーワードが「1年」「過大評価」なのに対して、ここまで「10年」「過小評価」についてばかり触れているのは、単発的に1年で目標設定することに、意義を見出せないことの裏返しだからだ。

 私にとっての短期(1年)目標は、数年掛かりで何かをやるための中継地点である場合が殆どであり、その影響もあって短期目標と現実とのギャップから、更に12ヶ月単位に分割してみて、実現可能性があるのか、ないのかを知るべく実行に移して、感覚を掴んでから計画や目標を変更するため、過大評価をすることがない。

 それはガツガツしていない性格から、欲張らない傾向にあり、20代ながら余命を意識していることから、1年で詰め込みすぎて、晩年に楽しみがなくなるよりも、計画的にひとつひとつの長期計画として向き合い、途中の光景をも味わいながら、段取りからゆっくりじっくり楽しんだ方が、急逝しない限りは満足度の総量は大きくなると考えているからだろう。

 現に高卒で社会に出てから、バケットリストを規模の大小問わず、どうにか100個書き出し、途中で加筆修正を行いながら、現在は110個となっているが、すぐに出来そうなものは「鉄は熱いうちに打て」の精神で、計画すら立てず思い立ったらすぐ消化してしまうため、既に68個は消化済みで残りが42個となっている。

 既に比較的長期で取り組むヘビーなものばかりが残り、どうせ見える景色が変わると、途中でやりたいことも変わってくるだろうから、何件かを同時並行で進めて、年にひとつくらいのペースで実現できれば、後期高齢者入りする前までに、やりたいことが全て叶えられる算段である。

 そうやって夢を見つつも、実現するための段取りを踏まえて、ロジカルに設定した年内の目標は、新年に周囲やメディアに唆されて設定した、3ヶ月後には無かったことになっている可能性が高い目標よりも意義があり、持続するモチベーションにつながるだろう。

 少しでも私の戯言に感化されそうになった方は、自分には無理だと思わず、これを○年で実現するには…と試しに分割してみて、馬鹿げているなんて思わずに、ちょっとずつ動いてみて欲しい。今の自分を形成するのは、他の誰でもなく、これまで自分なのだから。


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