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ドロップアウト後の税金、中間報告


住民税は非課税に

 昨年、よく言えば早期退職、悪く言えば社畜をドロップアウトしたことで、現時点での給与所得はゼロにも関わらず、前年の所得をもとに算定された住民税と健康保険税の支払いに戦々恐々としていた時期である。

 あれから就労に至ることの無いまま1年の時を経て、7万円給付で物議を醸した住民税非課税世帯になったことが、最近になって通知された。

 ちなみに、7万円給付に関しては、行政サイドも課税所得を計上するタイムラグを勘案してか、家計急変世帯の申請書的な書類を記載し、今年(申請当時)の収入が分かる源泉徴収票などを添付して、住民税非課税世帯相当だと判定されれば受け取れるシステムとなっていた。

 私も例に漏れず、この手続きで給付金を受け取っているため、確定申告で相当なヘマでもしない限り、次年度は住民税非課税世帯であることが、給付金を通じて予告されていたようなものではある。

 国民年金に関しては、退職後の特例で全額免除。特例期間が終わる頃にも再就職せず、総所得金額が67万円以下であれば、低所得者として全額免除になるので、逃税の観点では良心的な制度となっている。

 合法的に免除しているため、未納・滞納とは異なり、個人としての納付はゼロであっても、国庫負担分の割合(全額免除なら半額)は、納付期間や受給時の計算に含まれるため、取り敢えずブッチするよりも、免除申請をした方がコスパが良く、無いとは思うが、もし気が変わっても過去10年分まで追納できる。

 こうして、国民年金は退職直後からゼロ、住民税は翌年の6月から非課税でゼロとなり、残るは健康保険税額の決定書を待つのみとなる。その影響もあり、タイトルは中間報告としている。

増税の増税による増税のための政治へのアンチテーゼ

 実際には増税していない(※下記参照)増税メガネの、増税の増税による増税のための政治へのアンチテーゼとして、寝そべり族となり徹底的に働かないことで、ブラック企業や、労働者を狙い撃ちする国税から身を隠す高度な戦略を採用しながら、生存に必要なコストを限界まで少なくする、ナマケモノの生態に近い戦略を採用している。

 ※メディアがインボイス制度のような、一部の人に恩恵のあった税制優遇措置を取りやめたことによる、一部の人からすれば”実質増税”を切り取って印象操作しているに過ぎない

 それにより、国民年金と住民税は合法的に支払いを逃れることに成功したが、最後に残る健康保険税は、減免措置こそあれど免除はない意味で、最もシビアであり、これがドロップアウト後の税金における厄介者と言える。

 総所得金額43万円以下の低所得者として、7割減免措置が適用されれば、ネットフリックス並みの月額で、保険適用の医療費が7割引になる最強のサブスクとなる算段である。

 とはいえ、通知書兼納付書が届いていない今現時点では、シン・ゴジラのヤシオリ作戦実行中の「頼む、計算どおりいってくれ」と、ビビり散らかしながらお祈りしているのが生々しい心境である。

飽食の時代、でも働かざる者食うべからず?

 なぜ私が低所得者という鎧を纏ってまで、合法的に税から逃れる道を選んだのかと問われれば、現状のシルバー民主主義社会に、若者が対抗する手段など、逃税と出国程度しか思い浮かばないからだ。

 日本の人口ピラミッドと一人一票の構造からして、若者が総出となって選挙に行ったところで、票田である高齢者に対抗できないレベルで、若者が社会のマイノリティ化しているため、正攻法で我々が暮らしやすい社会にすることなど、既に諦めているのが同世代の平均的な肌感覚だろう。

 今や国民負担率50%が目前の状況下で、働けど暮らしは豊かになるどころか、増加の一途を辿る社会保険料で可処分所得は減少。それにも関わらず物価は上昇。

 納めた税金によって、自分たち現役世代が将来不安なく暮らせるならまだ許せるが、実際は全世帯の6割以上の金融資産を持っている高齢者が、豊かに暮らすために税金の大半が使われており、現役世代は金蔓程度としか見ていない。と思われても致し方ないような冷遇具合となっている。

 それこそ、私は高卒で社会に出て、正規雇用で駅員をやっていたが、手取り13万円の月がザラにあった。社会インフラを支え、健康を害するシフトワーカーにも関わらず、生活保護と同レベルの賃金。

 下手な年金暮らしの高齢者よりも、遥かに少ない所得にも関わらず、若くて働けるからというだけで、高齢者のような手厚い社会的支援が受けられない社会構造に、疑問を持たない方が頭がお花畑というものだろう。

 別に年金を引き下げろ的な、日本人が大好きな他人の足を引っ張り合うような主張をしたい訳ではなく、現役世代の可処分所得は、せめて年金の最高額である36万9,623円よりも多くなるような社会構造にしないと、給与天引きで高齢者に仕送りされているのがバカみたいで、就労意欲は削がれ、生産性が上がらないのは、火を見るよりも明らかでしょうに。と至極真っ当な意見を記したいだけだ。

 とはいえ、若者が文句を垂らしながら、一票を投じたところで、社会は何も変わらない。

 普通に働くと生かさず殺さずの罰金まみれで、お金が手元に残らない構造なら、いっそのこと開き直って大して働かず、経済的弱者として振る舞った方が、手厚い支援が受けられ、時に賞金まで貰えるのだから、そちら方が理に適っていると思う層が一定数居ても不思議ではない。

 飽食の時代なのだから、経済的弱者でも自分ひとりが食う分には困らないだけの生活は営める訳で、私みたいにシフトワーカーとして勤めたばかりに、20代半ばで身体を壊す無理な働き方をする必要はまずない。

 足るを知れば、週2〜4程度のバイト、狩猟採集生活、個人事業、株みたいな、世間体が良くない生き方でも別に生きていけますよと、働かざる者食うべからず的な呪縛に囚われている人が、一人でも多くゆるい生き方もあることを知って頂ければ、著述者冥利に尽きる。


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