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「だからこの家、貧乏なんだよ」と帰省するたびに思う


とにかく物が多く、散らかっているのは鉄板

 所用で首都圏に向かわなければならなくなったため、仕方なしに帰省した。高卒で社会に出た直後は、手取り13万円でおまえが終わってんだよwww状態だったため、子供部屋おじさんとして蓄財に励んだ時期もあったが、お金に困らなくなった今となっては、こどおじ社畜の期間よりも、単身者として暮らしている期間の方が長い。

 そして何より、私は経済的に恵まれない家庭であることを幼少期から自覚していたため、身内親族を反面教師にして、お金との付き合い方を独自に形成した。

 だからこそ、自分自身でアップデートし続けている環境から、元の育った環境に、一時的ではあるものの里帰りすると、その生活環境のギャップに野暮ったさを感じるとともに、「だからこの家、貧乏なんだよ」と、ことあるごとに心の中でツッコミを入れる。

 無論、相続放棄する気満々のため、老後破産で借金を残して他界しようが、私に経済的な影響が及ばない構造上、一向に構わないため、今更、お金の使い方に関して、子として何かを言うだけ野暮というものである。

 個人的には、そこで口出しするのであれば、金を出すまでセットでなければ、無責任極まりないと考える。昨今、廃線の槍玉に上げられている、JR西日本ローカル線沿いの自治体のように、路線は存続して欲しいが、一切の財政支援を行う気はないとなると、言っていることと、やっていることに一貫性がないからだ。

 それ故に私は金を出す気がない以上、口出しもしない。貧乏家の特徴として、とにかく物が多く、散らかっているのは鉄板だし、ハウスダストアレルギーでグレーゾーンに位置する私は、埃っぽいゴミ屋敷で具合が悪くなる体たらくだが、子ども部屋だけ快適空間を死守できれば、大きな問題にはならない。

情報収集を怠り、割高な料金を支払う

 金融広報中央委員会の金融資産保有額にまつわる統計データに基づくと、20代で老後資金問題が解決している私は、令和4年時点で、少なくとも20代で上位0.9%に位置する金融資産を有しており、同世代比で相対的には紛れもなくお金持ちだろう。

 しかし、身内親族は無類の金持ちは悪党派閥だし、仮に無心されても私が金を出すことはなく、そこで関係に亀裂が入るのは目に見えているため、金融資産保有額は伝えていない。伝えているのは、2級FP技能士の資格を取ったことと、株を触っていることだけである。

 とはいえ、FPという資格は非常に便利なもので、これがあるだけで、日本の家庭ではタブー視されている、お金の話をする免罪符として機能する。

 今回は楽天モバイルの家族割引の話題を出し、案の定、情報弱者らしく存在すら知らなかったため、その場でグループを作らせて、今月から夫婦で割引適用となるようにケツを叩いた。

 知っているか知らないかの差で、月額100円×2、年間で2,400円+税が安くなるのだから、この手の情報収集は怠らないのが鉄則だが、情弱はそれをせず、割高な料金を支払い続ける。

 実家は携帯電話を大手キャリアで契約していたが、乗り換えた客ばかり優遇して、既存の顧客は何もしないのはおかしいとぼやくだけで、頑なに乗り換えようとしなかったため、仕方なくガラケーで音声回線維持+スマホに格安SIMのデータ専用プランで2台持ちをさせていた。

 しかし、数年前に私がiPhone SE一括1円案件を見つけた際に乗り換えを唆し、結果としてiPhone4台をタダ同然で手に入れたことに味を占めてからは、私の言う通りにSIMロック解除を行い、ペナルティが発生しなくなったタイミングで、楽天に切り替えて今に至る。

そもそも、お金の使い方が根本的に違う

 とはいえ、いくら私がFPを免罪符にバケツの穴を塞いだところで、そもそものお金に対する価値観や使い方が180度異なる以上、根本的な解決には程遠い。

 子が全員巣立ち、夫婦生活ではオーバースペックな戸建て住宅とローン。郊外で駅近でもない以上、相当安値でなければ買い手は見つからず、安値で売ると借金だけが残るため、愚直に支払い続ける他なく、首がまわらない状態。

 無駄に支払い続けている民間保険。サブスク。マーケティングに踊らされ、流行り物への浪費を繰り返し、ただでさえ少ない可処分所得を、更に減らしては、ウチには金がないとボヤく。当たり前だ。

 その癖、私が10万円近い自転車を買ったら、そのお金の使い方が有り得ないと反応される。ランニングコストがほぼゼロで、運動しながら効率よく移動するための道具が、たったの10万円で買えるとは考えないのだろう。軽自動車を保有し、運動不足でジムの契約をしている方が、よっぽど有り得ないと思うが。

 私のTシャツ、肌着、靴下がアウトドアウェアで、ジャケットやデニムが無印良品なのも有り得ない(ブランドが逆)らしいが、衣類のお金の掛け方で、お金持ちと貧乏な人とで、お金の使い方が根本的に違うことが伺える。

 貧乏な人は、見栄を張るために、他人から見える箇所をブランド品で固め、他人からは見えない部分は、消耗品と捉えて安物で済ませたいのだろう。

 しかし私は、成金アピールはリスクしかないと考えるため、他人から見える箇所は、ブランドロゴのないシンプルなものでお金を掛けず、他人からは見えない部分は、自分の肌に直接触れる上、毎日使うものなのだから、多少なりともお金を掛けるべきと考える。安物の肌着や靴で、身体にトラブルが生じれば、当然ながら、それに対処する費用も嵩む。

 そもそも、街を歩いても他人のファッションなんて気にも留めないのだから、見向きもされない部分にコストを掛ける方がナンセンスなうえ、見栄で成金アピールをしても、悪戯に金目当ての奴を寄せ付けるリスクを増やすだけだと思うが、いかがだろうか。


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