8年ぶりに原稿を上げて考えた(3)奴との決着

つづき

執筆中、生理と対峙すること実に4回。
「今ちょっと立て込んでるんでねえ、お手柔らかにお願いしますよお」と下手に出てもダメ。
「今月はもう無理だって言ってんだろおよおおお!いい加減にしろや!空気読め!」と脅してみてもダメ。
奴はノックもせずに土足で私の中に入り込んで来る。
来たら最後、為すがままに体を委ねるしかない...圧倒的敗北感...ううう...。

症状が月替りなのにも腹が立つ。
冷えだったり、頭痛だったり、むくみだったり、胸の張りだったり...。
年末年始は吐き気が凄まじかった。
ピルを飲み始めた時に経験したエセ悪阻を思い出し、メンタルも堕ちて悲しい。
本当の悪阻ではないので市販の酔い止め薬で何とかしのいだけど...吐き気って一番心身の消耗が激しい気がする。

どうにかこうにか祭をやり過ごして、やっとこさっとこ体調が戻ると、まるで別人のように原稿に集中できた。
遅筆問題が根本的に解決するわけではないけど、気力と体力が自然に湧いてきて、体がパワーで充満するんですわ。手応えがある。
イメージとしては、スターマリオみたいな状態。
生理中の4倍速くらいで頭が回転して、視野も広く明るくなって、持久力も3.5倍!
必然的に机に向かう時間が長くなるので、遅筆なりに文字数も稼げる。
ヒャッハー!!!最高!!!

でも、4度目のスターマリオタイムに突入した時、ふと、気づいてしまった。
「これはスターを掴んだ特殊な状況下の私であって、いつもの私ではないんや...デフォルトは生理に苛まれているダメモードの状態なんや...」
逆転の発想ってやつ。
スターマリオ状態が本来の私なのにッ!生理のせいで!!実力が発揮できないッッッ!!!と思いこんでいたんだなあ、と。
そもそも、私はポンコツなんだ。
ただ、ポンコツである自覚は多分にあるので、めちゃくちゃ気を張って取り繕って世を偲ぶ仮の姿になりすましてる。
だから生理という不可避な攻撃をくらうと、簡単にメッキが剥がれてポンコツ丸出しになってしまうんや...。
なんか、納得してしまった。
そうか、そうか、ポンコツだもの。
むしろスターマリオタイムが定期的に来るだけでラッキーじゃん?!優勝!!!

なぜか清々しい気持ちになって、さらに肩の力が抜けた。
締め切りまであと2週間、8合目にようやくたどり着いたものの、そこからはうんともすんとも...ついに意を決し、一か八か原稿をスクラップアンドビルドすることを決めた。(つづく)

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