耳を貸してよ。
雨上がりの通学路。
朝の土砂降りは何処へやら。午後の日差しは燦々と雨に濡れたアスファルトを照らしつけ、ただでさえ暑くしんどい帰路をムシムシとより一層苦しくする。
くるくると畳んだ傘を片手にお家へ帰る小学生たち。外に出ただけでゼェゼェと汗をかき、ほんの少しの徒歩も忌避する我々大人と違って今日も元気いっぱいだ。
そんな子どもたちへ「傘を使ってよく真似をする必殺技は何?」と尋ねてみる。
すると「もちろん、船木誠勝のハイブリッド・ブラスターだよ!クラスで流行っているんだ!」と返ってくる。
やはり、メディアに染まっていない純真な感性を持つ小学生たちは、ホンモノを見抜くアンテナの感度が高い。答えてくれたその子は「それくらい僕だって知ってるよ!」と言わんばかりに誇らしげだ。
私の体感では、同様の質問に対して約8割の子どもが“船木誠勝のハイブリッド・ブラスター”と答える。そして残り2割の子どもは傘で“船木誠勝のスリーパー”の真似をする。
意外に思う人もいるかも知れないが、現実はこうなのだ。これは実際に子どもたちと触れあっている親御さんや、教育現場で働く方々なら肌で感じていることだろう。
いくら校長先生や教育委員会が「子どもが傘で真似するのは、“竈門炭治郎の水の呼吸”だ!」と押し付けたところで、今を生きる子どもたちが“船木誠勝のハイブリッド・ブラスター”を支持している事実は覆せない。
いくら権力者が「子どもたちは“ヒノカミ神楽”に憧れるべきだ!」と定めたところで、子どもたちは“船木誠勝のスリーパー”を選ぶ。どんなに力があっても人々の意思を統一することなんて不可能。
今さら「ごめんなさい、船木誠勝の方が人気でした🙏」と撤回することは難しいどころか不可能かも知れない。
けれども、炭治郎なら炭治郎で構わないから、我々に納得できる説明が欲しい。根拠を示して欲しいと思う私なのでした。
[写真引用元]
参考画像1
https://tenryuproject2010.com/result/2022/121999/
参考画像2
https://miruhon.net/163711
参考画像3
http://vjump.shueisha.co.jp/news/n01_20200424_01.html
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