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寝れない時のリアル「羊が1匹、羊が2匹・・・・・」

初めてニュージーランドに行った時の事。ほぼ満席のチャーター便のチーフ添乗員を任され、そのフライトも荷物が多く重量が重いので途中グアムでFUEL STOP(給油)して通常より飛行時間が長くなって予定より1時間程度遅く現地時間の早朝にクライストチャーチ国際空港に到着した。

早朝とは言え、到着が遅くなったせいもあって辺りは既に明るく、天気は上々だったし、加えて早朝で且つ到着便は僕らが乗ったチャーター便のみだったと云うこともあって他に到着便はなく、CIQ(入国審査、税関、検疫)も人数の割にはスムーズでほどなく現地ガイドさんのお出迎えを経てツアーはスタートした。

ニュージーランドは適度な国土の広さの中にうまい具合に適度に観光名所が点在していて、例えば日本で云うと北海道の道東や道北でひとつの観光名所から次の観光名所に行くのに距離があるので途中にトイレ休憩を挟む必要があるが、ニュージーランドでは(と云うか今回の行程では)わざわざトイレ休憩を行程に入れる必要がなく出発して現地ガイドさんもバスの中であいさつの後、朝早かったですし次の見学場所まで1時間半くらい掛かりますし道中特別にご案内する事もありませんのでしばしそれまで休息タイムにしましょうと言われマイクを置いた。

こうなると車内はがぜん「休息モード」でお客様の大半が舟を漕いでいる。僕としても添乗中ではあるがこんな感じでお客様もほとんどが寝ているし、長時間の夜行フライト明けで且つ次の行程に向けて体力回復のためにお言葉に甘えて仮眠とさせて頂いてもいいだろうと思いそうする事にした。

ところが思いのほか早朝とは言え外は明るく、初めてのニュージーランドでチーフ添乗員という事もあり気分が高まっているのか身体は疲れているのに眠気は襲ってこない。日中で仕事(添乗)中に居眠りをするのは本来は褒められたものではないが、車窓を見ても平凡で確かにガイドさんの言うように案内するようなものはないし、お客さんもほぼ皆さまお休み中で多少の仮眠は差し伝えないと思われる時間帯だが寝られない。

仕方ないので車窓からのどかなニュージーランドの外の風景をぼんやりと眺めていたがさすがニュージーランドでそこら中に草原と云うか牧草地が広がっていて放し飼いにされた多くの羊が気持ちよさそうに草を食んだり適当に散歩したりしていた。

それを見ていてふと「寝られない時に羊を数えると寝られるって言うけど、実際のところどうなんだろう?」という半ば馬鹿馬鹿しい事を思いつく。確かに今まで寝れない時にふとんの中で羊を数えた事はあるしそれで成功もした。ただ実際に数える事ができるくらいいっぺんに群れを成している羊は見たことがない、つまり実際に羊を見て数えて寝た事はないのでそれがどういう意味やエビデンス(根拠)によるものなのか等は考えた事もなかった。

しかし外をぼんやり眺める以外は他にすることもないし、数えるのには事欠かないくらいの羊はそこらかしこに居る。よし!いっちょやってみよう、と決めて僕は窓越しに羊を数え始めた。

「羊が1匹、羊が2匹・・・・・」案外バスが速くて数え始めて全部数え終わらないうちに次の牧草エリアに行くのだけど、それはニュージーランドなので間髪を入れずにすぐ次の羊の群れが現れなんなく引き続き数えられる。そうしていると不思議に眠たくなってきて、確か200匹を待たずに案外簡単に寝落ちしていた。

目が覚めると牧草エリアは過ぎていて車窓にあまり羊は見えなくなってきていた。車内の大半のお客さんはまだ白河夜船だったが羊もあまりいないし2度寝するのもなんなのでそれからは起きて外を眺めたり、行程表を見て今日の行程や手配を再度チェックしたりした。

あれからニュージーランドは元より北海道とかでも羊の群れを見ていないので実際に羊を数えた事はない。なので再検証しようがないしわざわざするべき事でもない。

やっぱり添乗中はなるべく居眠りなぞせずに仕事するべきだけど、ただたまには眠くなることもある。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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