考える技術・書く技術 書評
この本のテーマは、
主たる考えとその展開を明確に表現する
主たる考えをサポートする補助の考えを論理的に位置付ける
ためのプロセスを整理
感想
この内容は初見では難しい、という人が多いかもしれない。けれど一貫して同じことを言っている。最後にまとめがあるので便利。結論ファーストで書くこと、話すことが大事。そのための考え方、支える文章の書き方がわかる。
第Ⅰ部(書く技術):ピラミッド・プリンシパルの原理と基礎
受け手にとって最も分かりやすいのは、主たる大きな考えを受け取ったあとに、その大きな考えを構成する小さな考えを受け取ること。
送り手の情報の並べ方が、読み手の理解プロセスに沿っていないことが、わかりにくい原因である。
頭の中での理解のプロセス
・ピラミッド型に考えを構成することが読み手の理解を促す
・理解の作業を助けるために「伝えるべき考え方はピラミッド型に構成すべき」
・ピラミッド型の構成とは、論理に紐付いたグループ化の姿を伝えてそれぞれのこと象を伝える
ピラミッド構造
全体を要約する考えを述べ、個々の考えを1つひとつ説明していくようなトップダウンの配列を作る必要がある。
この配列はボトムアップで考えていく。
・論理的にグループ化して文章をまとめた段落を作る
・段落をグループ化して章を作る
・章を集めて全体の文章を作る
トップダウン型アプローチ
ピラミッドの頂点に主題を書く
上位に対する「疑問」を出す
疑問に対する「答え」を書き出す
状況」を明確にする。納得感があるかをチェックする
So What?(それで何なの)と問いかけて、問題の引き金を探し出す
「疑問」と「答え」をチェックする
ボトムアップ型アプローチ
言いたいポイントをすべてリストアップする
それらのポイントどうしにどんな関係があるかを考える
結論を導き出す
ピラミッド構造のチェックポイント
各々のメッセージをピラミッド型に並べてチェックポイントを徹底させることを繰り返すことで、ピラミッド構造を構築できる。
あるメッセージは下位グループ群の要約となっている必要がある
各グループ内のメッセージは同じ種類となっている必要がある
同じ種類のメッセージであれば、要約ができる。
各グループ内のメッセージは論理的な順序で配置される必要がある
演繹の順序(大前提、小前提、結論)
時間の順序(1番目、2番目、3番目)
構造の順序(北から南、東から西)
比較の順序(1番重要なもの、2番めに重要なもの
導入部
導入部には「状況、複雑化、疑問」を含め、その後に続く文書で読み手の疑問に「答え」る。読み手が合意するであろう主題から記述を始め、その物語の中での問題を提示する。
導入部はS(=状況)、C(=複雑化)、Q(=疑問)を意識し、文書がその答えとなるように書く
状況
複雑化: 安定化した状況の変化のこと
疑問: 複雑化で生じる疑問点
答え: 疑問に対する答え
何をすべきか?
答えの例:方針を与える、選択肢の中から決定する
どのように実行すべきか?
答えの例:方針を与える、ハウツーを説明する
それを実行すべきか?
答えの例:支出の承認を求める
なぜそのようなことが置きたのか?
第Ⅱ部(考える技術):自分の考えを批判的に眺める技術
自分の文章を客観的・批判的に見ることで、よりよい文章を書くことができるようになる。
(1) グループ内のメッセージの順序が正しいかどうかを問う
(2) 問題解決プロセスの具体的根拠は何かを問う
(3) 自分の考えについて、その要約メッセージは何かを問う
(4) 自分の考えを表現する文章表現がこれでよいかどうかを問う
ただ似ているという理由だけのグループ化による順序付けには論理的な関係性が見えてこない。グループ化のための論理的な分析活動を配置の順序に反映させることが重要である。
グルーピングの手法
ある結果の原因を特定する
全体を部分的に分ける
類似のもので分類する
順序付けの手法
演繹の順序 (大前提、小前提、結論)
時間の順序 (1番目、2番目、3番目)
構造の順序 (北から南、東から西、等)
序列の順序 (一番重要なもの、2番目に重要なもの、等々)
白紙の主張を避ける、具体的な言葉を使う
下部グループの中身が何も要約されていない「白紙の主張」は、読み手の関心を掴むことも、読む意欲を刺激することも、伝えたいことをよく伝えることもできない。
白紙の主張の例として、「組織には2つの問題がある」や「5つの変更点を提案する」といったものがある。
結果が十分に具体的な言葉で表現されていれば、頭のなかでイメージできる。
第Ⅲ部(問題解決の技術):複雑な事象・問題を分析し解決するための提案をつくるための手法
問題定義⇒分析を構造化⇒分析を実施、解決策を見出す⇒考えを伝えるためのピラミッド作成
問題を定義する
問題が発生した分野を目で見えるように図式化せよ
今までの安定を覆すような出来事を述べよ
望ましくない結果(R1)を明らかにせよ
望ましい結果(R2)を具体的に述べよ
その問題を解決するために、今まで何らかのアクションが取られたかどうかを明らかにせよ
分析の目的、すなわち分析により答えるべき疑問を明らかにせよ
問題分析を構造化する
データを収集する→調査結果を述べる→結論を導く→行動を提案する
診断フレームワーク
実際に何が起こっているのかをイメージ化するのに役立つ
ロジック・ツリー
問題解決に向けて複数の選択肢を考えるのに役立つ
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